(『天然生活』2020年12月号掲載)
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
みつろうができるまで
ミツバチは花の蜜を吸い、巣に持ち帰ります。
それを巣で待機していたハチに口移しで渡し、さらに別のハチに渡し……と繰り返すうちに、蜜はハチの持つ酵素によって熟成され、はちみつとなります。
「その過程で、ハチは体内に取り込んだ蜜をロウに変えておなかから排出し、巣の原料にします。つまり、みつろうはハチの巣そのもの。余分な巣を集め、加熱して一度液体にし、精製を繰り返すことで、私たちがイメージする“みつろう”になるのです。色は、採取する花の種類などによりさまざま。白いものは化学的に精製され、色も香りも除かれています」

同じ“みつろう”でも、花の種類や精製の度合い、方法などそれぞれの条件により色合いは変わる
みつろうのよいところ
古代エジプトでは、ミイラを保存する際にみつろうを使いました。
「それはもちろん、みつろう独自の防腐効果を期待してのこと。保湿性も高いため、近年ではオーガニックコスメの原料としても注目されています。ちなみに、『アロマオイルを焚いていると、目が痛く、頭が重くなる』という悩みは、お話を聞くと、石油系化学物質であるパラフィンを使ったキャンドルを使っているケースが多いようです。これでは、アロマオイルを高品質にしても、効果が上がりません。アロマの効果を最大限に生かす意味でも、みつろうキャンドルはおすすめです」

「ワイルドツリー」で扱うオーストラリア「ノーザンライト社」のティーライトキャンドルは、厳選されたみつろうだけを使用
養蜂とみつろうの話
ミツバチの巣である、みつろう。人間がたくさん採ってしまうと、横取りのようでかわいそう……?
「自然界の巣を奪ってしまう場合はそうもいえるかもしれませんが、市場に出回るみつろうの大半は、養蜂家から提供されるもの。養蜂では、巣から蜜を取り出すときに、みつろうでできたふたを切り取ります。それは廃棄物として扱われてきましたが、精製してみつろうとして売りものになれば、養蜂家の収入に。また、みつろうが注目されることで養蜂やハチの世界に関心が寄せられることは、養蜂業を支えることにもつながるので、心配せずに取り入れて」

〈撮影/枦木 功 取材・文/福山雅美 構成/鈴木麻子〉
平賀裕子(ひらが・ゆうこ)
「ノーザンライト社」のみつろうキャンドルに出合い心酔。長野県伊那市にて同社のアイテムを中心としたショップ「ワイルドツリー」を営む。

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