(『天然生活』2024年8月号掲載)
秋は自律神経のバランスに気をつけて
実りの秋は私たちの心と体も成熟する季節。その一方で、空気が乾燥して肌や呼吸器の調子を崩したり、急な寒暖差で自律神経や女性ホルモンが乱れやすかったりする時季でもあります。
「夏のダメージを引きずっている秋は、体に潤いを与える、紫外線で傷んだ肌をいたわる、自律神経・女性ホルモンのバランスを整えるなどの作用がある植物を積極的に取り入れるといいですね」
夏の間、外に向かっていた意識を自分の内側に向けることも大切だと、岡野さんは語ります。
「自分とゆったりと向き合う時間をつくることが、さまざまな不調を改善するきっかけにもなります。その際にハーブや精油の力を借りることで、それが『お守り』のように感じられて、安心感や心強さも生まれてきます」
潤いや冷えとりに役立つよもぎや疲労回復に作用するびわの葉など和のハーブも、秋には大活躍するので、ぜひ日常的に使ってみてください。
「秋はなんとなくもの悲しくなるなど、心も不安定になりがちです。そんな『自分でも理由がよくわからないけれど……』という不調を感じたときこそ、植物の力に頼ってみましょう。心と体の健康を取り戻すことができると思います」
体を温め冷えをとる
よもぎのハーバルバス

肌を潤して体を温めてくれる「よもぎ」を天然塩と一緒にガーゼにくるんで煮出しハーバルバスに。凝縮された有効成分を肌や呼吸器から吸収し、乾燥や冷えから体を守ります。38~40℃のぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、疲労回復効果も。
ハーバルバスのつくり方

1 広げたガーゼの中央によもぎをのせ、包んでひもで縛る。
2 鍋に水500mLを入れて沸騰させ、火を止めて1入れる。
3 ふたをして約10分蒸らし、浴槽の湯に鍋の中身すべてを入れて入浴する。
保存期間:24時間
よもぎについて
お灸で使う「もぐさ」の原料として使用されており、ハーブ系の甘く苦みのある香りが特徴。
女性特有の月経不順や生理痛などにも用いられることも。
止血、冷えや腹痛、ニキビや湿疹などの皮膚トラブルなどにもおすすめ。
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▼植物の力を取り入れたセルフケア「フィトセラピー」とは?
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〈監修/岡野真弥 イラスト/わたなべみきこ 取材・文/工藤千秋〉

岡野真弥(おかの・まや)
植物療法士・ライフコーチ。林真一郎氏に師事し、心身の不調を植物の恵みで改善。セルフラブの大切さを発信。アラン・コーエン氏のアシスタントティーチャー。著書『心と体がととのうフィトセラピー 植物のチカラを暮らしに生かす』(池田書店)。
インスタグラム:@selflove_maya
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです