Q:唇の皮むけがひどくて困っています。保湿の対策を教えてください!

リップを何度ぬってもガサガサです……
季節の変わり目や寒い時期になると、唇が荒れて皮むけがひどくなり困っています。
症状がひどいときは市販のリップクリームでは補えず、病院にワセリンなどの薬をもらうこともあります。何度保湿をしても乾いてしまう原因はなんでしょうか? 予防や対策があれば教えていただきたいです。
また、乾燥に効果的な食べものや漢方についても、おすすめがあれば知りたいです。
(はるみ さん/40代、会社員)
A:こまめな水分補給と保湿が大切。唇の乾燥におすすめの食べものもあります

唇は繊細で乾燥しやすい部分。僕も実践している対策をお伝えします
唇の皮がむける主な原因は?
今回は唇の荒れや皮むけでお困りのはるみさんからのご相談にお答えします。
僕も唇がすぐに乾いてしまい、リップが手放せないため、家のあちこちにリップを置いていますし、出かける時に持つカバンにも常に持ち歩き、こまめに塗って乾燥を防ぐようにしています。
唇の皮がむける主な原因としては乾燥、日焼け、栄養不足、アレルギーなどの可能性が考えられます。
そもそも唇は、他の皮膚に比べて角質層が薄く、外部からの影響を受けて乾燥しやすい部分となっています。冬の寒さや乾燥、夏の冷房で空気が乾燥すると、唇の水分が失われて乾燥が進み、皮がむけやすくなります。
これらの対処法としては、こまめな水分補給と、リップクリームやワセリンなどで唇を保湿することが大切です。
紫外線から唇を守る対策
また唇は日光の影響を和らげる「メラノサイト」という色素細胞が少ないため紫外線の影響を受けやすく、唇が腫れたり、ヒリヒリと痛んだり、赤くなったり、黒ずんだりしてしまいます。
そのため、紫外線カット効果のあるリップクリームや、唇専用の日焼け止めを使用したり、帽子や日傘などで日光から唇を守ることが必要です。
夏はもちろんですが、冬でも紫外線対策が必要です。唇の健康に欠かせないビタミンにはビタミンB2があり、レバーやアーモンドなどに多く含まれています。
唇の紫外線ダメージを抑えるビタミンEは、アボカドなどに多く含まれています。また粘膜を丈夫にして免疫機能をアップするミネラルに亜鉛があり、レバーやかぼちゃの種などに多く含まれています。
唇が乾燥するとつい舌で唇をなめてしまう人もいますが、これは一時的にはうるおいますが、その後水分が蒸発すると余計に乾燥が悪化するため、なめ過ぎには注意が必要です。
そのほか塩分を摂りすぎたり、辛いものやタバコなどの刺激物も控えることが大切です。
ストレスを溜めず、十分な睡眠をとる、規則正しい生活をすることも心がけていきましょう。
最後に使用している口紅やリップクリーム、化粧品、スキンケア用品、歯磨き粉などのオーラルケア用品、食べ物など口に触れるものの中にアレルギーがあり、皮がむけることもあるので、思い当たるものがある場合には、一度皮膚科などを受診されることをおすすめします。
唇の乾燥におすすめの漢方薬
漢方では、乾燥を防ぐ白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)や、皮膚や粘膜に栄養を与える四物湯(しもつとう)などが用いられることがあります。
今回の記事がはるみさんはじめ、唇の乾燥でお悩みの皆様の少しでもお役に立てれば幸いです。
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來村昌紀(らいむら・まさき)
頭痛専門の脳外科医として大学病院に勤務しながら漢方専門医の資格を取得。2014年、千葉県に、「らいむらクリニック」を開設。著書に『頭痛専門医・漢方専門医の脳外科医が書いた頭痛の本』『漢方専門医の脳外科医が書いた漢方の本・入門編』(ともにあかし出版)など。YouTubeチャンネル『らいむらクリニック チャンネル』でも、頭痛や漢方のお話を解説。
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