• 食事からどんなふうに栄養を摂るかは、脳や体の不調はもちろん、老化にも大きく影響します。若々しい脳と体を取り戻す食事習慣に変えてみましょう。栄養療法専門クリニック「みぞぐちクリニック」の院長・溝口 徹さんにお話を伺いました。
    (『天然生活』2024年11月号掲載)

    健康寿命を延ばすため、食生活の見直しを

    日本人の「平均寿命」と、自立して暮らせる「健康寿命」の差は、男性で約9年、女性は12年もあります(※1)。つまり、寝たきりなど介護を必要とする期間が約10年あるということ。健康で自立した生活をいつまでも送るには、ふだんの食習慣の見直しが大切です。

    ※1 2019年時点。厚生労働省「平均寿命と健康寿命」より

    人の体は食べるものからできています。食習慣を改善して食べ物の栄養の力を借りれば、脳や体をいまから若返らせることができます」と話すのは、栄養療法専門のみぞぐちクリニック・溝口 徹院長。

    「寝たきりになりたくない」「ボケたくない」なら、まずは動物性タンパク質やビタミン、DHAやレシチンが豊富な食事をとるようにしましょう。これらは、脳と心を若返らせる効果もあります。

    「食事のバランスも大切ですが、タンパク質の必要量は皆さんが思うよりずっと多いのです」

    体重50kgの女性の1日に必要なタンパク質量は50gが目安。肉100gから摂れるタンパク質は10gほどなので、1日500gの肉を食べてちょうどよいということになります(※2)。

    ※2 食品中のタンパク質量は重量の20%程度。加熱などの調理によって元の重量から5〜10%減少する。

    タンパク質は体の中で別のタンパク質につくり変えられるのですが、その際に必要なのがビタミンB6。この両方を多く含むのが肉類なのです。「肉はたくさん食べられない」という人は、3食+間食で毎回、肉を食べることで必要量を確保しましょう。

    「食べる量が多いほど、タンパク質の吸収率もアップします。それでも足りないときは、プロテインなどのサプリを利用する方法もあります」

    週2日は、同じタンパク質を食べない日をつくる

    画像: 週2日は、同じタンパク質を食べない日をつくる

    体にいいからと、毎日同じものを食べ続けると、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギー予防のためには、1週間のうち同じものを食べない日を2日設けるようにします。とくに卵、大豆、乳製品などはアレルギーになりやすいので、気をつけましょう。

    アンチエイジングに大切なこと

    1.タンパク質をたくさん食べる

    画像: 1.タンパク質をたくさん食べる

    若返りにはタンパク質を体内でつくり変える合成能力を上げることが大切。そのためには、肉や魚などを食べる量を増やすのがおすすめ。

    2.抗酸化を助ける栄養を摂る

    画像: 2.抗酸化を助ける栄養を摂る

    体をサビ(酸化)つかせる活性酸素を減らすには、緑茶、ごま、さけ、鯛、筋子、トマトなど抗酸化作用のある食べ物をとる。

    3.抗酸化を助ける栄養を摂る

    画像: 3.抗酸化を助ける栄養を摂る

    体のコゲ(糖化)はシミやシワをつくり、骨をもろくする。主食はじゃこごはんなどで血糖値上昇を抑え、果物は糖分が少ない柑橘


    〈監修/溝口 徹 取材・文/工藤千秋 イラスト/イオクサツキ〉

    溝口 徹(みぞぐち・とおる)
    2003年開設の日本初の栄養療法専門クリニック、みぞぐちクリニック(旧・新宿溝口クリニック)院長。オーソモレキュラー療法などに基づいた「トータル栄養アプローチ」により多くの疾患の治療に当たる。患者や医師向けの講演会、勉強会も行っている。『医者が教える日本人に効く食事術』(SBクリエイティブ)など著書多数。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.