「本を通して、人とつながる幸せ」書店員・森田めぐみさんが見つけた仕事の原点
好きなものを届けられる仕事って楽しい!
「ワンオペ育児がつらい」「プロポーズのときに本を贈りたい」――。そんな誰かの悩みや想いにそっと寄り添い、その人の人生をやさしく照らす一冊を選び出す書店員がいます。その名は、森田めぐみさん。
転勤族の夫とともに、茨城、神奈川、福岡、石川、そして東京郊外へと家族で西へ東へ移り住みながら歩んできた森田さんの人生には、変化の中でも自分らしく生きるしなやかな力が宿っています。

くまざわ書店・昭島店で働く森田めぐみさん
「もともと本は大好きでしたが、書店で働きはじめたのは偶然なんです。実は、併設されていたカフェで働きたくて面接を受けたら、なぜか書店のほうで採用されて(笑)。もしカフェで受かっていたら、書店員になろうなんて思っていなかったと思います。人生って何が起こるかわからないですよね。」
たまたま始めた書店員という仕事でしたが、好きなものを売るという仕事に喜びを覚えたといいます。
「書店で働く前に、OA機器の営業事務をしていたことがあったんです。そこでも楽しく働いていたのですが、書店員になってから気づいたんです。『あ、自分が好きなものをお客様に届けるってこんなに楽しいんだ』って。もちろん大変なこともたくさんありますけど、やっぱり好きな本に囲まれているのは幸せです」

店内の装飾も担当。絵本『ぐりとぐら』の世界観を手づくりで。DIYが得意な森田さんの腕の見せどころ

〈撮影/星 亘 取材・文/高田真莉絵〉
森田めぐみ(もりた・めぐみ)
茨城県生まれ。「くまざわ書店・昭島店」書店員。夫の転勤に伴い各地で生活を重ねる。現在は東京で家族と猫たちに囲まれながら暮らしている。著書に『書店員は見た! 本屋さんで起こる小さなドラマ』(大和書房)。





