暮らしとグリーン
お部屋にグリーンがあると、空気がやわらぎ、心が穏やかになります。
テーブルに置いた小さなグリーンや、高さのある棚から垂らしてツルの動きを楽しむアイビー。インドアグリーンは、暮らしにやさしい潤いを添えてくれる存在です。
ところで、植物を選ぶ時、あなたは何を基準にしていますか。
種類や大きさ、葉のかたち……ついそんな部分に目が向きがちですが、実はそれと同じくらい━━ いえ、もしかしたらそれ以上に、印象を左右するのが「植木鉢」です。
どんな鉢を合わせるかによって、空間の雰囲気も、そこにいる人の気持ちまでも変わっていきます。

左から、陶器鉢、ブリキカバー、木製カバー。同じ植物「ガジュマル」でも、植木鉢の素材やデザインを変えるだけで全く違う印象に
丸みのある植木鉢は優しく、直線の植木鉢は凛として。
そこに素材や色の違いが加わることで、同じ植物でもまるで違う表情を見せてくれます。そんな奥深さが、植木鉢の面白さです。

茶と白の鉢がつくる温かみ。木の空間にも、北欧の爽やかな部屋にも心地よく溶け込みます
植木鉢を選ぶことは、植物をただ「飾る」ことから一歩進んで、「コーディネートする」感覚へとつながります。
お気に入りの服を着る時のように、その日の気分や空間に合わせて植木鉢を選ぶ。そんな小さな時間が、暮らしの彩りをぐんと豊かにしてくれます。
暮らしの中で楽しむ工夫
「鉢を選ぶ」と聞くと少し大げさに感じるかもしれません。
でも、最初は小さな一鉢を替えてみるだけで大丈夫。

白い植木鉢が、グリーンの瑞々しさをやさしく引き立てる。素朴で明るい雰囲気をつくる定番の組み合わせです
窓辺の多肉植物の鉢を白い陶器に替えてみる。リビングの棚に置いた観葉植物を木のカバーに入れてみる。
ほんの少しの変化なのに、部屋の雰囲気がやわらかく変わり、その場にいる自分の気持ちまで落ち着いてくるのを感じられます。
家具やカーテンの色合いに合わせて統一感を出すのもよし、あえてひとつだけ特別な鉢を選んで「部屋の顔」にするのもよし。
そんな工夫を重ねていくと、植物のある暮らしがますます自分らしく、愛おしいものになります。
<写真・文/RIKA>
RIKA/「みどりの雑貨屋」コーディネーター
関西に店舗を展開する、植物とそれに似合う雑貨のお店「みどりの雑貨屋」でブランドストーリーの企画や発信を担当。自宅マンションでは、ベランダガーデニングやDIYを楽しみながら、心地よいグリーンのある暮らしを実践。植物と鉢、雑貨を組み合わせた"みどりのある心豊かな暮らし"をSNSで提案している。
Instagram:@skipkibun_rika




