Q:「腕が重くて上がらない」原因は? 動かしやすい体づくりの習慣を教えてください

これが噂の「五十肩」か!とショックでした
最近、腕が重くて上がらないときがあります。
頻繁ではありませんが、傘を持つのがしんどかったり、棚の上など高い位置の物を取るときに腕を動かすのがつらく感じることがあります。
いわゆる「可動域」が狭くなったという実感があるのですが、これは五十肩なのでしょうか?
痛みがあるときは無理に動かすのもよくない気がしますが、おすすめのストレッチや対処法、または漢方薬の選び方があれば教えてください。
(にじゅうまる さん 50代/会社員)
A:血行不良が原因かも。軽い運動とあたためで、動きやすい体をつくっていきましょう

セルフケアで血流をよくしましょう
腕が重くて上がらないときの主な原因
今回は「腕が重くて上がらないときがある」という、にじゅうまるさんからのお悩みについてお答えします。
腕が上がらなくなる原因にはいろいろとあるのですが、代表的なものは四十肩・五十肩です。
また関節の脱臼や肩腱板断裂(かたけんばんだんれつ/肩のスジが切れた状態のこと)、神経麻痺、頚椎疾患、関節リウマチなどの原因が考えられます。
にじゅうまるさんの場合には常に症状があるわけではなく、ひどい痛みもないようですので、筋肉の疲れからくる頸肩腕症候群などが考えられますね。これは同じ作業や姿勢で筋肉が疲労し、筋肉が凝ることによって可動域が狭くなったり、だるくなったりするものです。
セルフケアで血流改善を
筋肉を使いすぎて痛みが強い場合には安静が必要ですが、ある程度痛みなどが落ち着いた場合には、以下の習慣や軽いストレッチが有効です。
・姿勢を気をつける
・ラジオ体操などの軽い運動
・痛みがひどくならない範囲で腕を伸ばす(片方の手で反対の肘のあたりを持ち、引っ張る)
・首を回す
・肩の上げ下げ、肩を回す
また、お風呂やカイロなどで体をあたためる、鍼灸などで血行を促すのもおすすめです。
腕・肩まわりの血流改善におすすめの食習慣
食べ物としては、血流を悪くする甘いもの、脂濃いものなどはなるべく控えるのがよいと思います。
血流をよくする食べ物としては、体をあたためる根菜類、体を冷やさずにタンパク質をとれるラム肉、鶏肉、神経の修復を促すビタミン類などがおすすめです。
腕・肩まわりの血流改善におすすめの漢方薬
漢方薬では、四十肩・五十肩に使うもので、むくみや肩や腕の痛みをやわらげる二朮湯(にじゅつとう)や、あたためて冷えによる関節の痛みなどをやわらげる桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)などのお薬もあります。
今回の記事がにじゅうまるさんはじめ、腕が上がらなくてお悩みの皆様の少しでもお役に立てれば幸いです。
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來村昌紀(らいむら・まさき)
頭痛専門の脳外科医として大学病院に勤務しながら漢方専門医の資格を取得。2014年、千葉県に、「らいむらクリニック」を開設。著書に『頭痛専門医・漢方専門医の脳外科医が書いた頭痛の本』『漢方専門医の脳外科医が書いた漢方の本・入門編』(ともにあかし出版)など。YouTubeチャンネル『らいむらクリニック チャンネル』でも、頭痛や漢方のお話を解説。
YouTube:らいむらクリニック チャンネル
インスタグラム:@raimura.clinic

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