年末までのお楽しみといえば、クリスマス。ドイツ人の母をもつ料理研究家の門倉多仁亜さんに、アドベント期間(クリスマス前の4週間)の過ごし方と家支度について聞きました。飾りつけやお菓子の準備など、がんばりすぎずに自然体で楽しむ、ドイツ流・段取りのヒントを教えてもらいます。
(『天然生活』2023年1月号掲載)
クリスマス準備は、肩の力を抜いて楽しみながら
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
ドイツ人の母、日本人の父をもつ門倉多仁亜さん。「新しい年は、家じゅうをきれいにして迎えよう」という日本的な慣習があまりなく育ちました。
年末年始のお楽しみといえば、生家ではお正月よりもクリスマスに重点が置かれていました。クリスマスまで1カ月を切った「アドベント」に入ると、まずはクリスマスの飾りつけを。それから何種類ものクリスマスクッキーと、シュトーレンをつくり、お客さんを迎える準備に入ります。

アドベント期間(クリスマス前の4週間)になると、親しい人とともにティータイムを楽しむのが常。クッキーやシュトーレンでおもてなしを
「アドベントの時季、親しい人を招いて、コーヒーを飲みながらおしゃべりをするのが習わし。そのかたわらには、クッキーやシュトーレンがあります。レシピはだいたいいつも同じ。毎回あれこれ変えずに、その家庭ならではの味をつくりお出しします」
いつもの味、うちの味。クリスマスだからといって、がんばりすぎずに自然体で。それは、家仕事も同じこと。クリスマスだから、お正月だからと、完璧に整えようとするのではなく、できることをできるときにすればいいのです。
「こだわるところと適度に手を抜くところと、メリハリをつければいいんじゃないかしら? 楽しくリラックスして過ごせるのが一番」
門倉さんのアドベントの楽しみ方
アドベントの過ごし方:11月下旬
第一アドベントにクリスマスの飾りをする
キリスト教会では、クリスマスの4つ前の日曜日からを「アドベント」と呼び、準備をする期間に。

素朴な松ぼっくりのツリーは毎年飾る定番
「アドベントに入ったら、飾りつけをします。ドイツではクリスマスマーケットも始まり、一気にクリスマスムードになるんです。クリスマス当日より、クリスマスを待ちわびるこの期間のほうが大切にされているかもしれません」

「ドイツではプレゼントを運ぶのはサンタじゃなくて天使なの」
アドベントの過ごし方:12月中旬
クリスマスクッキーやシュトーレンをつくる
アドベントの時季は、よくお客さんが来て、コーヒータイムを楽しみます。そんなときのために、焼き菓子をつくりおき。クッキーは4~5種類つくって缶に入れておきます。
シュトーレンはドイツのクリスマスには欠かせないもの。その命ともいえるマジパンをドイツから取り寄せることが、年末年始の家仕事のスタートなのだそう。

クロスやペーパーを敷き、お気に入りの銀器にお菓子を盛り、華やかなテーブルセッティングに

段取りを整えてから臨むのがお菓子づくりの鉄則
〈撮影/近藤沙菜 取材・文/鈴木麻子〉
門倉多仁亜(かどくら・たにあ)
料理研究家。料理とともにドイツの生活文化についても発信。『ゆとりを楽しむこれからの暮らし方』(扶桑社)など著書多数。2021年に東京から鹿児島・鹿屋へ移住。オンラインでの料理教室も開催している。
webサイト:https://www.tania.jp/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




