だれもが忙しくする12月。料理研究家・門倉多仁亜さんはペースを乱すことなく、この時季ならではの家仕事に楽しみながら取り組みます。小さなことを積み重ねて心地よく住まいを整える、12月上旬から下旬にかけての段取りを紹介します。
(『天然生活』2023年1月号掲載)
小さなルーティンを積み重ねて、家じゅうをきれいに
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
門倉さんが鹿児島・鹿屋(かのや)に移り住んで3回目の年越しです(2023年取材時)。さぞや、忙しく過ごすのだろうと思いきや……。
「年末だからといって、大掛かりな掃除や片づけはしないんです」
ドイツ人の母、日本人の父をもつ門倉多仁亜さん。「新しい年は、家じゅうをきれいにして迎えよう」という日本的な慣習があまりなく育ちました。
元来、汚れも、ものもため込まない暮らし。コツコツと小さな家仕事を続けて、心地よく住まいを整えているのです。
出したものは、所定の位置にしまう。水まわりの水けはきり、きれいをキープする。ほこりやちりが気になったらすぐに掃く。そんなことを毎日のルーティンとし、積み重ねていれば、大掃除は必要なく、結果的に楽なのだと話します。
とはいえ、年が改まるタイミング。ルーティンではカバーしきれないことは、この機に実行。なかなか手が届かないところを掃除したり、持ち物の見直しをしたりするそうです。
門倉さんの年末の家仕事ルーティン4つ
年末の段取り:12月上旬
手の届きにくいところの掃除をする

コシのある馬の毛、柔らかなヤギの毛など、ブラシの毛は用途に合わせて変更
大掃除はしませんが、ふだん手がまわらないところを追加して掃除。高所のほこり取りは、この時季に重点的に。
「天井が高い家なので、照明や窓のサンなど、普通では手が届かないんです」
そんなときは、長い柄のブラシの出番。ふだんは、毎朝ほうきで床のほこりを取り、数日おきに掃除機をかけることを習慣にしています。
年末の段取り:12月中旬
台所の片づけ、ものの見直しをする
鹿屋へ引っ越してきたときに、すべての持ち物を見直し、いつ、どのように使うのか? を考えて収納場所を決めたといいます。
「ただ、暮らしているうちにゴチャついてくるもの」

普段使いの器は流し台の近くに収納して、出し入れの動線がスムーズなように
年末はそんな乱れた収納の見直しにはいい機会。気になる場所のものをすべて出し、使用頻度、取りやすさなどを考慮し、置き場所や数を精査します。

来客用食器は、ダイニングテーブルの横にある水屋箪笥にまとめている

年末の段取り:12月下旬
銅のクロスで鍋磨きをする

長年使っている鍋もこの通りピカピカ。少し力を入れてこするだけでOK
使っているうちにこげたりくすんでしまう鍋を、ピカピカに磨きます。使用するのはドイツ製の銅のクロス。銅は金属のなかでも最も柔らかいため、傷がつきにくく、抗菌効果も高いのだそう。
「ドイツでは、鍋磨きといったら銅クロス。ガラスも傷をつけずに磨けるので、ガラストップのIHクッキングヒーターのお手入れにも最適です」
年末の段取り:12月下旬
シーツのアイロンがけをする

大物のアイロンがけをよくする門倉さんは、立ってアイロンがけが必須
ベッドリネンにもアイロンがけをするという門倉さん。パリっとしたシーツは思った以上に気持ちよく、新年を迎える準備のひとつとしておすすめです。
「ドイツ人はとにかくアイロン好き。祖母は下着にまでアイロンをかけていました。天気の悪い日が多いドイツでは、洗濯物が乾きづらいことに由来しているのではないかしら?」
〈撮影/近藤沙菜 取材・文/鈴木麻子〉
門倉多仁亜(かどくら・たにあ)
料理研究家。料理とともにドイツの生活文化についても発信。『ゆとりを楽しむこれからの暮らし方』(扶桑社)など著書多数。2021年に東京から鹿児島・鹿屋へ移住。オンラインでの料理教室も開催している。
webサイト:https://www.tania.jp/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

▶アラジンの新しいオーブンレンジ「グラファイトオーブンレンジ」を試してみる/料理家・飛田和緒さん【PR】

▶冬はたっぷり「白菜」の人気レシピ14選|12月のおすすめ記事

▶冬の「大根」レシピ16選|12月のおすすめ記事


