本をこよなく愛する本屋店主5名の、心に響いた一冊をお届け。店主のまっすぐな言葉で本の魅力を紹介します。紹介してくれるのは「ゆっくりを愉しむ」がコンセプトのスロウな本屋店主・小倉みゆきさん。小倉さんの心に響いた“この一冊”、今回は『詩ふたつ』です。
小倉さんが選ぶ“この一冊”
『詩ふたつ』
背中をそっと後押ししてくれる本を選んでくれた小倉さん。今回おすすめしてくれたのは、長田 弘詩、グスタフ・クリムト絵『詩ふたつ』です。

『詩ふたつ』(長田 弘詩 グスタフ・クリムト絵 クレヨンハウス)
「ことばって、何だと思う? 決してことばにできない思いが、ここにあると指すのが、ことばだ」
亡き人を思いながらページを繰る。クリムトの描く樹木や花々の圧倒的な美しさと、詩人の静謐(せいひつ)なことばのなかを、私たちは歩く。
草木のにおい、ふみしめる落ち葉、木々を揺らす風の音のなかを、私たちは歩く。
二篇の詩をおさめた詩画集が、大きな悲しみをかかえる者に、そっと寄り添ってくれる。
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天然生活2025年12月号では、「本屋店主の心に響いた、この一冊」を紹介しています。スロウな本屋・小倉みゆきさんをはじめ、魅力的なお店を営む5名に、歩みを照らしてくれた本を教えていただきました。あわせてお楽しみいただけましたら幸いです。
〈文/小倉みゆき〉
小倉みゆき(おぐら・みゆき)
書店勤務を経て独立し、2015年に、岡山県岡山市に「スロウな本屋」を開店。絵本や暮らしにまつわる本、ZINEなどを取りそろえており、国内外から訪れる人が絶えない。毎月絵本を届ける「絵本便」をはじめ、読者会やイベントを積極的に開催。本との新しい出合いを提案しながら、対話を通して、本の魅力をていねいに伝えている。スロウな本屋






