本をこよなく愛する本屋店主5名の、心に響いた一冊をご紹介。店主のまっすぐな言葉で本の魅力をお届けします。紹介してくれるのは、本との出合いを大切に届けているBOOK STAND 若葉台店主・三田修平さん。三田さんの心に響いた“この一冊”、今回は『個人的な体験』です。
三田さんが選ぶ“この一冊”
『個人的な体験』
いまは亡き、本好きの父が「読書の世界に引き込んでくれた」と三田さん。今回おすすめしてくれたのは、大江健三郎著『個人的な体験』です。

『個人的な体験』(大江健三郎著 新潮社)
トラックの運転手をしていた父は大の本好きで、幼少のころから本を読んだ方がいいと言われていたのですが、とくに興味が持てず大学生になるまでほとんど本を読んでいませんでした。
大学生になり読書にハマったときには父は他界していましたが、父が残した本の中にあった『個人的な体験』を読んだところ、大学生でモラトリアムの真っ只中にいた自分は大いに共感し、衝撃を受けました。
1960年代の小説ですが古臭さは感じず、村上春樹などの現代作家への影響も感じて、一気に好きな作家になりました。
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天然生活2025年12月号では、「本屋店主の心に響いた、この一冊」を紹介しています。BOOK STAND 若葉台・三田修平さんをはじめ、魅力的なお店を営む5名に、歩みを照らしてくれた本を教えていただきました。あわせてお楽しみいただけましたら幸いです。
〈文/三田修平〉
三田修平(みた・しゅうへい)
都内のさまざまな書店で経験を積み独立。2012年より日本各地をめぐる移動本屋「BOOK TRUCK」を主宰し、イベントやフェスにも出店。2022年には神奈川横浜市の若葉台団地内に「BOOK STAND 若葉台」をオープン。移動本屋や読書会などを通して、多様な人々に本との出合いを大切に届けている。
インスタグラム@bookstand_wakabadai






