• 本をこよなく愛する本屋店主5名の、心に響いた一冊をご紹介。店主のまっすぐな言葉で本の魅力をお届けします。紹介してくれるのは、手仕事と本の世界を静かにつなぐロバの本屋店主・いのまたせいこさん。いのまたさんの心に響いた“この一冊”、今回は『きもの』です。

    いのまたさんが選ぶ“この一冊”
    『きもの』

    心地よい読書体験が味わえる本を教えてくれた、いのまたさん。今回おすすめしてくれたのは、幸田文著『きもの』です。

    画像: 『きもの』(幸田文著 新潮社)

    『きもの』(幸田文著 新潮社)

    幸田文の小説は、文体がさばさばしていて読みやすい。

    主人公のるつ子は、少女のころから“きもの”の着心地にとことんこだわる。ごわごわしたのは嫌い。重いのも、しなしなするのも、突っ張ってるのも好きじゃない。

    いまの時代なら繊維に過敏に反応する体質は認知されているけれど、当時(明治時代の終わり)はただのわがままと言われてしまう。

    だけど、るつ子はそれだけじゃなくて“きもの”が好きなのである。

    よき相談役の祖母に助けられながら“着る”ということからいろいろなことを学んで大人になっていく様子が描かれていて、時代が違ってもいまと共通していることがあるなぁと教養になる一冊。

    * * *

    天然生活2025年12月号では、「本屋店主の心に響いた、この一冊」を紹介しています。ロバの本屋・いのまたせいこさんをはじめ、魅力的なお店を営む5名に、歩みを照らしてくれた本を教えていただきました。あわせてお楽しみいただけましたら幸いです。

    天然生活2025年12月号(扶桑社・刊)

    画像: 『きもの』本を愛する本屋店主おすすめの“心に響いた”この1冊/ロバの本屋・いのまたせいこさん

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    〈文/いのまたせいこ〉

    いのまた・せいこ
    東京で8年間「ROBA ROBA cafe」を営んだのち、山口県に移住。2012年、山間の集落にて元牛舎を改装し、カフェ併設の「ロバの本屋」を開店。店内には、紙ものや生活雑貨、毛糸なども選りすぐられ、展示や編み会も定期的に開催。紙の感触や経年変化を大切にしつつ、手仕事と本の世界を静かにつなぐ場を育む。
    HP:https://www.roba-books.com/
    インスタグラム:@roba_no_honya



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