• 本をこよなく愛する本屋店主5名の、心に響いた一冊をご紹介。店主のまっすぐな言葉で本の魅力をお届けします。紹介してくれるのは、“フェミニズム”を多様な角度から提案するエトセトラブックスBOOKSHOP店主・寺島さやかさん。寺島さんの心に響いた“この一冊”、今回は『吾が住み処ここより外になし』です。

    寺島さんが選ぶ“この一冊”
    『吾が住み処ここより外になし』

    心の壁にも届く本を教えてくれた、寺島さん。今回おすすめしてくれたのは、岩見ヒサ著『吾が住み処ここより外になし』です。

    画像: 『吾が住み処ここより外になし 田野畑村元開拓保健婦のあゆみ』(岩見ヒサ著 萌文社)

    『吾が住み処ここより外になし 田野畑村元開拓保健婦のあゆみ』(岩見ヒサ著 萌文社)

    1917年に生まれ、岩手県の無医村でただひとりの保健婦として駆け回り、定年を迎えてからは原発誘致反対運動を婦人会の仲間とともに展開した著者の自伝。

    最初の子どもを亡くし放心していたところ、竹の切り株をぼんやり眺めながら、それまで他人の痛みに無関心だった自分に気づき「私にはまだ為すべきことの多くがこの世に残されている」と悟る場面には、苦しいことがあっても生きていく、その理由が詰まっています。

    それからは、子育てをしながらも村人の心身の健康のために寄り添い、工夫をこらして仕事に打ち込みます。

    定年後も、村への原発誘致の話が耳に入ればすぐに行動を起こす。

    「為すべきこと」に尽くしつづける姿に心打たれる本です。

    * * *

    天然生活2025年12月号では、「本屋店主の心に響いた、この一冊」を紹介しています。エトセトラブックスBOOKSHOP・寺島さやかさんをはじめ、魅力的なお店を営む5名に、歩みを照らしてくれた本を教えていただきました。あわせてお楽しみいただけましたら幸いです。

    天然生活2025年12月号(扶桑社・刊)

    画像: 『吾が住み処ここより外になし』本を愛する本屋店主おすすめの“心に響いた”この1冊/エトセトラブックスBOOKSHOP・寺島さやかさん

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    〈文/寺島さやか〉

    寺島さやか(てらしま・さやか)
    東京・下北沢の「本屋B&B」で店長を務めたのち、2021年に「フェミニストのための書店」をテーマに掲げた「エトセトラブックスBOOKSHOP」の実店舗の立ち上げに参加。以後、店長として新刊から古書まで幅広く選書し、フェミニズムへていねいに光を当てている。店頭で配布している手書きのおたよりも名物のひとつ。
    HP:https://etcbooks.co.jp/bookshop/
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