母が脳梗塞に。初めての入院で用意したもの
はじめまして。オンラインの本屋「はるから書店」の小黒悠(おぐろ・ゆう)と申します。
今日からこちらで、介護について記事を書かせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
私の本屋は少し変わっています。お取り扱いする本のカテゴリーは、介護に「やくだつ本」と、気持ちの「やわらぐ本」のふたつ。“ケア”に特化して書籍をセレクトしている本屋なのです。

オンライン販売のほか、イベントに出店することもあります
なぜ私がそんな変わった本屋を始めたのかというと……。それは、いまから遡ること14年前の2011年、母の突然の入院がきっかけとなっています。
今回は私の体験も振り返りつつ、「初めての入院でまずしたこと」をご紹介したいと思います。
その1:家から近い救急病院を選択
その日は朝から母が大きな物音を立てていました。フライパンをうまくつかめずひっくり返してしまったり、食器を落としたり。朝ごはんの仕度の様子がどうもおかしいのです。
当時、母は60歳、私は27歳。物音とは裏腹に、静かに静かに母の身体の中で起き始めていた現象に、私たちはまったく気が付かずにいました。
一緒に朝ごはんを食べていると、会話する母の話し方がなんだか変です。ろれつが回っておらず、母自身も「なんだかしゃべりにくい」といいます。
「お母さん、病院に行こう」
そこから、母と私の長い1日、そして約6年半の介護生活が始まりました。

母は1950年(昭和25年)生まれ。おしゃれが大好きな人でした!
その時点では、母の症状が何によるものなのか見当もつかなかった私でしたが、ただならぬ雰囲気を感じて仕事を休み、母がふだんからかかりつけにしていた内科クリニックへと向かいました。
粛々と順番を待って診察室に入ると、私自身も子どものころからお世話になっている先生が迎えてくれました。母の様子をいくつか確認し、すぐMRIの手配へ。撮影した画像を確認すると「救急にかかった方がいい」といわれました。
先生から提案された病院は3つ。いずれも大きな救急病院だったので名前は聞いたことがありましたが、どこがいいかといわれても見当もつきません。母と私は「とりあえず近くの病院で」と、唯一同じ市内だった病院への紹介をお願いしました。
いま思えばこれが大正解。この日から母は3週間ほどこの病院に入院するのですが、私が仕事の後にお見舞いに行くのにも便利でしたし、退院後、診察に通うようになっても、同じ市内なので大きな負担にはなりませんでした。
メディアを見ていると「良い病院」とされるランキングや、いわゆる「名医」の紹介などが気になるものですが、まずは通いやすさ、アクセスの良さが大事。
歳を重ねたり、身体に不具合が起きたりしてくると、移動するだけでも大変なものです。病院へはバス1本で通うことができましたし、タクシーに乗ったとしても近場なので金額はそんなに上がらず、とても助かりました。

小黒悠(おぐろ・ゆう)
1983年、東京都出身。服飾系専門学校を卒業後、貸衣装店勤務を経て、23歳で図書館に転職。その後20代〜30代に母親の在宅介護を経験。現在は会社員として働きながら、ケアや介護をテーマに「はるから書店」を個人で運営している。
はるから書店:
https://harukara-reading.stores.jp/
インスタグラム:@harukara_reading
X:@harukarareading

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