ごぼうのこと

ごぼうはキク科の根菜で、独特の香りと歯ごたえが特徴です。食物繊維が非常に豊富で、腸内環境を整える働きが期待できます。この時季に出回るひねごぼうは、秋に収穫して数か月貯蔵したもので、香りが強く、風味が濃いのが特徴です。食感は硬めで繊維質がしっかりしているので、味をよく含ませる料理に向いています。
調理する際は水にさらしてあくを取るといわれていましたが、近年のごぼうはあくが少ないので軽くこすり洗いするだけで大丈夫。また、皮の近くに香り成分が多く含まれるため、できるだけ皮を残すようにしましょう。
きんぴらや煮物、炊き込みご飯、豚汁など和食のイメージが強いごぼうですが、実は揚げたりローストしたりすると香りが引き立ち、洋風料理にもよく合います。
ごぼうが主役の「お煮しめ」のつくり方

れんこんは皮をむいて、大きさを揃えて乱切りにする。根菜の食感を生かすため、煮すぎないように。
材料(つくりやすい分量)

| ● ごぼう | 30cm |
| ● にんじん | 1/2本 |
| ● れんこん(小) | 2節 |
| ● 干ししいたけ | 4枚 |
| ● 鶏もも肉 | 1枚 |
| ● ごま油 | 大さじ1 |
| ● しょうが(せん切り) | 大さじ1 |
| ● 三温糖 | 大さじ2 |
| ● 酒 | 大さじ3 |
| ● 水 | 2カップ |
| ● 薄口しょうゆ | 大さじ2 |
| ● 絹さや | 5枚 |
ごぼうの下処理の方法
1 泥がついていたら、ペーパータオルでふき取る。
2 流水をあて、下から上に向かってスポンジでひげ根をちぎりながらこする。

※たわしなどで強くこすると、皮が取れすぎてしまうので注意。
つくり方
1 ごぼうは縦半分に切り、すがあれば先の細いスプーンで取り除く。さらに縦半分に切り、ひと口大より少し大きめの乱切りにする。れんこんは上下を落とし、皮をむき乱切りにする。にんじんは皮をむき、縦半分にして他の食材より小さめの乱切りにする。




2 鶏肉は皮と余分な脂を取り除き、下包丁を入れて大きめのひと口大のそぎ切りにする。絹さやはへたと筋を取り、斜め切りにしてラップに平らな状態で包む。


3 土鍋を温め、ごま油でしょうがを炒め、鶏肉を加えてさらに炒める。肉の色が変わったらごぼうを加え、油を全体にからめるように炒め、れんこんを加えてさらに炒める。


4 砂糖を加え、干ししいたけは戻さずに軸をつけたまま加える。酒、水をひたひたになるまで入れ、ふたをせずに煮立たせる。あくをすくい、しいたけを鍋の下のほうに入れ、ペーパータオルを上にのせ、10分煮る。




5 しいたけを取り出し、石づきを取り、傘は3等分のそぎ切りにして、鍋に戻す。にんじんを加え、再びペーパータオルをかぶせる。少し煮立ったら薄口しょうゆを加える。にんじんが好みのかたさまで煮えたら、器に盛る。



6 残った煮汁にラップに包んだ絹さやを入れ、色が鮮やかになったら取り出し、ラップを外して5の上に散らす。

Point
●ごぼう、れんこんは同じくらいの大きさになるようにする。にんじんは色が強いのでひと回り小さい乱切りにするとバランスがよい。
●絹さやをラップで包んで鍋に入れると色が美しく、かために火を通すことができる。肉じゃがをつくるときにも使えるアイデア。
〈料理/松田美智子 撮影/山田 耕司〉

松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『65歳からの食事革命 』(文化出版局) amazonで見る など。
インスタグラム:松田美智子@michiko_matsuda/自在道具@jizai_dougu
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