• エッセイストで空間デザイン・ディレクターの広瀬裕子さん。書籍『60歳からあたらしい私』の続編として、そこから続く60代の暮らし方を、60歳になった広瀬さんが見つめます。50代の時と比べ、60代は新たな変化があります。できなくなっていくこと、見送ることも増えますが、反して、気づくこと、自分らしく過ごせるようになる時間できれば、年齢は、やさしくわたしに微笑んでくれるでしょう。「60代の衣食住健」。おつき合いいただけたら、うれしいです。今年買ってよかったもの。

    12月に思い浮かべること

    12月になると、今年の残り時間のなかで「やること」と「ふり返り」が交差するようになります。年内の予定、買い物、やり残しなどを書き留め、できることから終わらせていく。同じ1ヶ月なのに12月だけ他の月より早く過ぎていく気がするのは、わたしだけではないばす。

    そんな忙しないなか楽しいのが「今年よかったもの」を思い浮かべる時間ではないでしょうか。「おいしかったもの」「訪れてよかった場所」「買ってよかったもの」。単純ですが、そういう時間は、楽し気な空気が漂います。

    わたしが、今年、手にしてよかったものは──。

    「セラミックボトル」「デジタル時計」「レイアウトフリーテレビ」の3点です。3つのうち2つが電化製品ですね。電化製品は、進化が速い分野なので、新しいものとそれまで使用していたものとの差が明らかで、感動しやすいのだと思います。

    今年買ってよかったもの①「セラミックボトル」

    内側がセラミックでできているのでステンレスボトル特有の味がしません。長い時間コーヒーやお茶をいれていると後味に残るステンレスの味。あれがないのです。デザインもシンプル。ロゴマークなど一切ない点も気に入りました。「いれない」と決断したメーカーに拍手を送りたいくらいです。

    セラミック製は、それほど出回っていないので、品質と技術の自信の表れなのかもしれません。最初は、持ち歩き用にちいさなサイズを購入予定が、様々な場面で使おうと考え3サイズ揃えました。

    画像: 京セラ株式会社 CERAMUGボトル 水筒はいままでいくつか使用していましたが、ステンレスの味が気になり、結局、使わなくなっていました。その点、セラミックは大丈夫。1番ちいさなタイプの容量は180ccでカップ1杯分ほど

    京セラ株式会社 CERAMUGボトル 水筒はいままでいくつか使用していましたが、ステンレスの味が気になり、結局、使わなくなっていました。その点、セラミックは大丈夫。1番ちいさなタイプの容量は180ccでカップ1杯分ほど

    今年買ってよかったもの②「デジタル時計」

    夜中に目が覚めてしまった際、iPhoneで時間を確認していました。それがきっかけで眠れなくなることがあり、就寝中は時計を使うことにしました。暗闇で時刻がわかること。眠れなくならない工夫。コンパクトでシンプルな形。その3つで選んだ時計になります。デジタルにしたのは、数字を見るだけですぐに時刻がわかるからです。

    こちらの時計、明るい部屋では数字が見えづらいのですが、照度を落とす、または暗い部屋では、ちゃんと数字がわかります。明るくなりすぎないようにできているのです。ちいさなサイズにしたのは、手のひらで握れるほうが使い勝手がいいと考えたから。

    これを使いはじめてからiPhoneを枕元に置くのをやめました。眠りの質がよくなりました。

    画像: BRAUN デジタルアラームクロック ブラウンのアナログのアラームクロックは以前使用していましたが、就寝時はデジタルのほうが実用的です。アラームの音もおだやで気に入っています

    BRAUN デジタルアラームクロック ブラウンのアナログのアラームクロックは以前使用していましたが、就寝時はデジタルのほうが実用的です。アラームの音もおだやで気に入っています

    今年買ってよかったもの③「レイアウトフリーテレビ」

    あまりテレビを見ないのでテレビはなくても困らないのですが、必要性を感じるのは大きな災害が起きたときです。それもあり、日頃、目につく場所にテレビを置かないようにしたいと思うようになりました。そんなとき、移動可能なレイアウトフリーテレビは最適です。

    ワイヤレス。デザインがいい。ちいさい。最初は、そういうタイプも含め検討したのですが、最終的には、ある程度のサイズがのものにしました。条件がすべて揃ったテレビは、はいまのところないのです。

    テレビは、価格もそれなりにします。半年ほど検討し、店頭にも何度か足を運び、ちいさなタイプのレイアウトフリーテレビはレンタルで試したほど。そうして、決めました。それでも、届いたときは、そのサイズに若干、引きましたが。いまでは、ワイヤレスで移動できるテレビはとてもいいと思っています。使用している友人知人のみなさんが勧めてくれたのも納得です。

    画像: panasonic レイアウトフリーテレビ 「これほどストレスがなくなるとは」と思うほど、レイアウトフリー、ワイヤレスは魅力です。高さ調節はできませんが、適した場所で使用できるのであまり気になりません。移動もスムーズ

    panasonic レイアウトフリーテレビ 「これほどストレスがなくなるとは」と思うほど、レイアウトフリー、ワイヤレスは魅力です。高さ調節はできませんが、適した場所で使用できるのであまり気になりません。移動もスムーズ

    あたらしいものを取り入れると、生活が楽しくなったり、向上したり、ストレスが少なくなります。そうやって自分の心地よさを年を追うごとに見つけていく。価値観も年々、変化します。それにより「いい」も「必要」も変わります。その変化に対応するために、試したり、情報交換をしたり。それが「今年買ってよかったもの」だと思います。

    今年も1年お読みいただきありがとうございます。よいお歳をお迎えください。

    画像1: 今年買ってよかったもの③「レイアウトフリーテレビ」

    画像2: 今年買ってよかったもの③「レイアウトフリーテレビ」

    広瀬裕子(ひろせ・ゆうこ)
    エッセイスト、設計事務所共同代表、空間デザイン・ディレクター。東京、葉山、鎌倉、瀬戸内を経て、2023年から再び東京在住。現在は、執筆のほか、ホテルや店舗、住宅などの空間設計のディレクションにも携わる。近著に『50歳からはじまる、新しい暮らし』『55歳、大人のまんなか』(PHP研究所)、最新刊は『60歳からあたらしい私』(扶桑社)。インスタグラム:@yukohirose19



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