(『天然生活』2025年2月号掲載)
飛田和緒さんちのシンプルなくりかえし鍋
冬は、体を温めるものをいただきたくなります。その代表といえば「鍋」。
温かな鍋を囲む機会が増える季節です。
「お鍋って、つくり方は簡単だけど、たくさんの種類の食材を用意するのが、案外大変なんですよね。だから、うちのお鍋は少ない具材でシンプルにしているんです」
そう話すのは、季節を問わず、夏場でも鍋を囲むほどだという、飛田和緒さん。
頻繁に食卓にのぼるからこその、潔いほど具材をしぼった鍋は、どれもメイン食材が2、3点ほどです。
とくに、「大根のミルフィーユ鍋」は、ふたつの食材でつくれるので本当に簡単。むしろ、素材を厳選しているからこそ、それぞれの持ち味のよさが発揮されているのです。
「大根のミルフィーユ鍋」のつくり方
大根1本をまるまる使用。
具材はふたつだけとシンプルだからこそ、素材の持ち味が際立ちます。
材料(3~4人分)
| ● 大根 | 1本(1.5kg) |
| ● 豚しゃぶしゃぶ肉 | 300g |
| ● 塩 | 15g(小さじ3くらい) |
| ● 酒 | 1/2カップ |
| ● ごま油 | 大さじ3 |
| ● ポン酢 | 適宜 - |
つくり方
1 大根は皮ごと薄い輪切りにする(スライサーなら2mm幅にセットする)。
2 10枚ほどスライスしたら、少しずつずらすように重ねてからバットにきれいに広げる。同様に切り進めて1本分バットに広げたら、塩をふり10分ほどおく。
3 2がしんなりとして水けが出たら、水けを軽くきり、大根を縦にして花びらのように鍋に詰めていく。中心部分まで詰めると火の通りが悪くなるので、中心部分はあけておく。
4 豚肉を大根の間と中心部分に詰め、酒とごま油をかけてふたをする。沸騰してきたら吹きこぼれない程度の火加減で30分蒸し煮にする。
5 大根に塩味がついているので、そのままいただく。好みでポン酢を少したらして食べてもおいしい。
<料理/飛田和緒 撮影/山田耕司 スタイリング/久保原惠理>

飛田和緒(ひだ・かずを)
神奈川県の海辺の町に暮らす。娘が大学進学で独立し、夫とふたり暮らしに。食材をシンプルに味わう料理が人気。著書に『いちばんやさしい魚の食べ方』(オレンジページ)、『くりかえし料理』(扶桑社)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです





