• 冬になるとつくりたくなるもの。それはわが家自慢のお鍋です。源保堂鍼灸院 瀬戸佳子さんに、とっておきの十八番鍋「酒粕のお鍋」のつくり方を教えていただきました。発酵食品の酒粕ベースの鍋は、お腹の内側からあたためて腸活にもおすすめ。湯気の向こうの大切なだれかを思い浮かべながら、いつもと違う鍋料理を楽しんでみませんか。
    (『天然生活』2025年2月号掲載)

    「酒粕のお鍋」のつくり方

    画像: 「酒粕のお鍋」のつくり方

    お酒をしぼったあとに残る酒粕は、酵母由来の栄養がたっぷり含まれた発酵食品。

    おなかの内側から温まり腸内環境も整います。

    材料(2~3人分)

    ● かき6個
    ● 生たら(切り身)2切れ
    ● 山いも150g
    ● かぶ(小)2個
    ● 白菜250g
    ● きのこ(しめじ、まいたけなど合わせて)100g
    ● 酒粕30~50g
    ● 昆布のだし汁400mL

    つくり方

     たらは食べやすい大きさに切り、塩適量(分量外)をふり、15分ほどおき、キッチンペーパーで水分をふき取る。

     かぶは皮がついたまま、くし形切りにする。白菜の芯はそぎ切りにする。葉の部分はざく切りにする。山いもは皮をむき、2cm厚さの輪切りにする。きのこはすべて石づきを取り、食べやすい大きさにほぐす。

     鍋にだし汁と酒粕を入れて、酒粕をやわらかくする。

     鍋を沸騰させ、のかぶと白菜の芯、山いもを加えて5分ほど煮る。ときれいに洗ったかき、きのこ、白菜の葉を入れ、火が通るまで煮る。

    画像: 長谷園の土鍋は、深さがいい塩梅

    長谷園の土鍋は、深さがいい塩梅

    おすすめの〆

    きりたんぽ

    秋田名物・きりたんぽは、炊いたごはんをつぶし、串に塗りつけ焼いているから消化がいい。だし汁で煮て、お好みのやわらかさに。

    画像: 冬のおすすめ滋養鍋「酒粕のお鍋」のつくり方。おなかをしっかり温めて、腎を補い腸を整える、源保堂鍼灸院・瀬戸佳子さんの“十八番鍋”

    冬の体に必要な滋養をしっかり補える養生鍋

    「いただきものなどでおいしいお肉や海産物があるときは、お鍋にしたくなりますね。食べるぞー!と夫婦で意気込んで、おいしいね、と話しながら、ゆっくり過ごすのも、鍋時間の楽しみです」

    と語るのは、東洋医学に基づいた食養生のアドバイス、レシピの提案を行う国際中医薬膳師の瀬戸佳子さんです。

    今回、教えてくださった瀬戸さん十八番の鍋も、その知識があるからこその、冬の体を滋養するベースと食材が使われています。

    「酒粕のお鍋」は、かきやたらといった海産物に、ほくほくした山いもなどの野菜や、きのこがたっぷり。しっかり加熱しているので酒臭さはなく、ほのかな甘味と豊かな香りに、気持ちがほっこりやわらぎます。

    「腎」をきちんと補う食材を

    「中医学では体の機能を『五臓』に分け、それぞれを季節に対応させています。冬は、発育や老化に深い関わりがある『腎』の季節。冷えで腎の働きが弱まりますが、きちんと補えば効果は2倍。逆に不摂生を重ねるとマイナスも2倍になるので、海産物や豚肉、山いも、黒きくらげなど、腎を補う食材を積極的にとりたいですね」

    今日は特別寒いな、という日は、長ねぎや酒粕をとるようにしている、と瀬戸さん。長ねぎは白い部分が葱白(そうはく)というれっきとした生薬で、酒粕は発酵食品です。どちらも体を温めてくれるため、風邪の予防に役立つのだとか。

    「お鍋のよさは、何を入れてもだいたいおいしくなること。ですから難しく考えず、冬に食べたほうがいい腎を補う食材と体を温める食材を臨機応変に組み合わせてくださって大丈夫です! わが家では、酒粕ベースに長ねぎや豚肉を入れることもあります。食べることと体を整えることはつながっているので、体調を整える食べ物を選んでくださいね」

    画像: 「腎」をきちんと補う食材を


    〈料理・スタイリング/瀬戸佳子 撮影/林 紘輝 取材・文/長谷川未緒〉

    瀬戸佳子(せと・よしこ)
    国際中医薬膳師、国際中医専門員。東京・青山の「源保堂鍼灸院」併設の薬戸金堂で漢方相談を行う。雑誌やweb、講演などで活躍。著書に『お手軽気血ごはん』(文化出版局)など。
    https://genpoudou.com/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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