• エッセイストで空間デザイン・ディレクターの広瀬裕子さん。書籍『60歳からあたらしい私』の続編として、そこから続く60代の暮らし方を、60歳になった広瀬さんが見つめます。50代の時と比べ、60代は新たな変化があります。できなくなっていくこと、見送ることも増えますが、反して、気づくこと、自分らしく過ごせるようになる時間できれば、年齢は、やさしくわたしに微笑んでくれるでしょう。「60代の衣食住健」。おつき合いいただけたら、うれしいです。健康法について。

    人それぞれの健康法

    60代になるとその人その人の健康法があり「なるほど」と思ったり「参考にしよう」と思うことがあります。

    では、自分の健康法は? と思いをめぐらせると「これ」と言うものがないことに気づきます。強いて言えば「できるだけ歩く」でしょうか。でも、それも、時間を決めてのウォーキングなどではなく、どこかへ行くときに遠回りをする、地下鉄の駅ひと駅歩いて目的地に向かうなど、計画性のない「できるだけ歩く」です。

    それでも、通院もなく、服用している薬もなく、痛いところもなく、体重も何十年も変わらないので、現状をつづけています。

    わたしの健康法ってなんだろう?

    そんなある日──。わたしの健康法は「毎日の掃除かもしれない」と思いました。健康のために掃除をしているわけではなく、掃除をすることで結果、健康でいられる。そう思ったのです。

    例えば、朝、布団を畳むとき、どの季節でも窓を全開にします。冬はもちろん寒いですが、それでも窓をあけます。そのことで、眠っている間のよどんだ空気が一掃され、部屋はその日の新鮮な空気で満たされます

    画像: 掃除中ねこはイスで寝ています

    掃除中ねこはイスで寝ています

    ねこがいることもあり、日に何度か掃除機をかけます。さっとかけることもあれば、念入りにするときもありますが、どんなやり方でも部屋は清々しくなります。

    はたきも使います。はたきを使うと、その後、空気が整います。

    画像: 江戸箒の老舗・白木屋傳兵さんの絹製はたき。昨年末はたき部分だけあたらしいものに

    江戸箒の老舗・白木屋傳兵さんの絹製はたき。昨年末はたき部分だけあたらしいものに

    掃除をすると「空気が整う」と実感

    玄関は、毎朝、ウエットシートでさっと拭くようにしています。毎日拭いているので、汚れもあまりなく、ウエットシート1枚で事足ります。

    家のなかにゴミを長い時間、置かないようにしています。この家に住みはじめてからゴミ箱は手放しました。その代わり、不要なものは紙袋にいれ、ある程度たまったらすぐゴミ置き場に持って行きます。集合住宅の各階に集積室があるので億劫になりません。溜めない方がラクなくらい。段ボールも同様。家のなかには置かず、畳んで、すぐ置き場へ。

    画像: 洗剤等のラベルははがして。キッチン、バスルーム、トイレは緑の魔女シリーズ。アルミ袋のなかは多目的洗浄剤花子。20年愛用

    洗剤等のラベルははがして。キッチン、バスルーム、トイレは緑の魔女シリーズ。アルミ袋のなかは多目的洗浄剤花子。20年愛用

    画像: ウエットシートはパッケージが地味なマツキヨプライベートブランド

    ウエットシートはパッケージが地味なマツキヨプライベートブランド

    日々の習慣が、体のいい状態を保ってくれる

    日々、習慣のようにやっている掃除ですが「暮らす場所が気持ちよくなる=体とこころがいい状態になる=健康法」ではないか、と思うようになりました。体調がいいと部屋は気持ちのいい状態がつづきます。その逆も。自分の状態と部屋はつながっています。こころも。

    30代から50代までは、定期的に整体などのボティワークに通っていました。それが当たり前で、通わないとどこか不調でした。でも、いまは、行かなくても大丈夫です。体調が万全な時ばかりではありませんが、少しくらいの体調不良は「掃除をすれば回復する」と思うようになったからです。

    空気を入れ替え、不要なものを片づけ、掃除をし、部屋が整うと「気持ちいい」と思います。そういう体とこころの状態にしておくこと、それが、掃除本来の目的かもしれないと、思うくらいです。部屋も整い、健康も保てる。

    さて──。今日も掃除をしましょう。後のお茶もたのしみです。


    画像: 日々の習慣が、体のいい状態を保ってくれる

    広瀬裕子(ひろせ・ゆうこ)
    エッセイスト、設計事務所共同代表、空間デザイン・ディレクター。東京、葉山、鎌倉、瀬戸内を経て、2023年から再び東京在住。現在は、執筆のほか、ホテルや店舗、住宅などの空間設計のディレクションにも携わる。近著に『50歳からはじまる、新しい暮らし』『55歳、大人のまんなか』(PHP研究所)、最新刊は『60歳からあたらしい私』(扶桑社)。インスタグラム:@yukohirose19



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