• 植物の仕事をしながら都心で家庭菜園を営む、フワラー&グリーンスタイリストのさとうゆみこさん。植物や野菜、土と向き合う暮らしのなかで「小さな循環」を実践しています。今回は、さとうさんが愛用するコンポスト3タイプの具体的な使い方を紹介します。

    3つのコンポストの具体的な使い方

    前回に続き、今回は我が家のコンポストそれぞれの具体的な使い方をご紹介します。

    ①キッチン用のコンポスト「キエーロ」-においが気になる生ごみに

    コンポストについて一番問い合わせが多いのが、やはりキッチンの生ごみ用コンポストです。

    私は毎朝、朝食の片付けを終えると、1日分の生ごみを入れた容器を持って、外のベランダ横にあるコンポスト「キエーロ」へと向かいます。

    ショベルで軽く穴を掘り、容器の中の生ごみを穴の中に入れたら、横にある水道で容器を軽くゆすぎ、水と一緒にすべてをもう一度、穴の中へ流し込みます。

    画像: キッチンの生ごみ入れは、ボウルに鍋のふたを合わせたもの。丸い形は水ですすぎやすく、汚れも落としやすいのでおすすめです

    キッチンの生ごみ入れは、ボウルに鍋のふたを合わせたもの。丸い形は水ですすぎやすく、汚れも落としやすいのでおすすめです

    ショベルで穴の中を土となじませるようにざっくり混ぜたら、周りの土をかぶせておしまいです。野菜を細かくしたり(細かい方が分解は早いですが私は特にやっていないです)、水分を事前に切ったりする必要はありません。

    我が家のキエーロは10か所ほど埋められる大きさなので、10日後に、また今日掘った同じ場所に戻ってくることになります。

    掘った中の様子ですが、暖かい時期だと、ほとんど前回の生ごみは見当たりません。寒い時期は分解がゆるやかになり、野菜の硬い皮など、残っているものもありますが、不快なほどではありません。

    コンポストに入れてはいけないものはある?

    「入れてはいけないものはありますか?」とよく聞かれますが、我が家では、食べ残し、煮汁、使用後の揚げ油、傷んだ食品、硬い骨、硬い皮、種、魚の内臓などのキッチンから出る食品(有機物)をすべて入れています。

    単に、それぞれ分解する時間が異なるというだけで、「入れてはいけないもの」は思いつきません。

    私は、お魚の内臓や海老の殻など臭いのするものは、キッチンに少しでも置いておきたくないので、調理の途中にすぐキエーロに直行することもあります。

    魚の内臓や大きな頭など、「次回、もし残っていた時に見たくないな」と思うものは、小枝などを立てておいて、次回そこを一回スルーするようにしています(笑)

    画像: 生ごみを入れたら、隣の明日入れる場所へ、目印としてショベルを刺しておきます

    生ごみを入れたら、隣の明日入れる場所へ、目印としてショベルを刺しておきます

    ②枠組み式コンポスト-剪定くずなど“においのない”ごみを

    こちらは剪定くずやフラワーレッスンの残渣(ざんさ)を入れるコンポストですが、キッチンの生ごみを少しサポートする役割も担っています。

    キャベツの外葉やとうもろこしの皮など、量が多くキエーロに入れるには負担が大きすぎる場合には、こちらも併用します。

    簡単にいうと、においの出るものはキエーロ、そうでないものはこちらの枠組み式に入れる、というイメージ。

    使い方は、ただひたすら上に積み重ねていくだけです。山盛りになったら、自ら枠に入ってぎゅっと踏みつけます。硬い枝も入るので、分解されるのには時間がかかりますが(1年以上)、分解を早めたいときは土や米ぬかを加えるとよいでしょう。

    画像: ただ上から入れていくだけ。狭い場所でも効率よく堆肥を移動させるために、枠を重ねたタイプのコンポストです

    ただ上から入れていくだけ。狭い場所でも効率よく堆肥を移動させるために、枠を重ねたタイプのコンポストです

    それまでは、大きなビニールに剪定した枝葉を詰めるのが大変でしたが、今では気軽に庭仕事ができるようになりました。

    わりと大きなコンポストなので、植物以外にも汚れた段ボール(資源ごみとして出せない)やロール資材の芯、古いプランターの土(根ごと)など、どんな有機物も受け止める我が家の頼もしい受け皿となっています。

    画像: 堆肥が必要になったら、枠を横にずらして上部の残渣も移動。底の方は分解して堆肥化している

    堆肥が必要になったら、枠を横にずらして上部の残渣も移動。底の方は分解して堆肥化している

    ③畑用移動式コンポスト-収穫時の“とりあえず”のごみ置きに

    収穫した時に出る残渣をひとまずどこかに入れておきたいな、というときに使うのがこの移動式コンポストです。家の中でいえば、小さなごみ箱のような存在でしょうか。

    枠組み式と同じで、上からただ入れていくだけで、分解を早めたい場合は土や米ぬかを入れます。一気に容器が山盛りになることがしばしばですが、あっという間にかさは減り(残渣の種類や時期によって異なりますが)、ずっとそのままの状態で長く使うことができます。

    「移動式」という名前の通り、持ち手のある軽いプランターなので、好きな場所にさっと移動できます。

    画像: いろんな場所に堆肥を少しずつ施している感じです

    いろんな場所に堆肥を少しずつ施している感じです

    作り方は前回簡単にご紹介しましたが、このコンポストの良いところは、単なる「入れ物」ではなく、ミミズなどが行き来できて、分解された土が落ちていくという仕組みになっているということ。長く置いた設置面は肥沃な土になる、というメリットもあります。

    一区画15㎡ほどの狭い貸し農園では、1株でも多く野菜を育てたいと所狭しに栽培しているので、限られた面積をいかに有効に使おうかと、必死に知恵を絞っているところです。

    * * *

    いかがでしたか。我が家のコンポストは、ほとんど「入れるだけ」の簡単なものばかりです。

    ごみ箱に入れれば「ごみ」としてネガティブなものになりますが、コンポストに入れれば、豊かな「土」に変わっていくのです。



    画像: ③畑用移動式コンポスト-収穫時の“とりあえず”のごみ置きに

    さとうゆみこ
    フラワー&グリーンスタイリスト。「green & knot」主宰。フラワーショップやインテリアショップ勤務、専門学校の講師を経て、現在はフラワーコーディネイトやグリーンアドバイザーのほか、植物にまつわる幅広いジャンルで活躍。自宅で定期的に行なうフラワーレッスンも好評。都心の家庭菜園で、小さな循環型暮らしを模索中。
    インスタグラム:植物のこと @yumikosatooo 畑と土のこと @soillife



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