(『天然生活』2025年4月号掲載)
春は“肝”を意識してゆるゆる、伸び伸び
東洋医学において、春は五臓のうちの「肝」をいたわりたい季節。肝は血を貯蔵し、気の流れや自律神経を調節して、感情や全身の機能がスムーズに働くように整える機能をもちます。
国際中医薬膳管理師の久保奈穂実さんによれば、春の不調は、この肝の働きが弱ることが主な原因だそう。
「食事で意識したいのは、肝の働きを助ける酸味、イライラやほてりを鎮める苦味、気をめぐらせる力をもつ香りの食材をとること。肝のパワー源となる血を補う食材、自然な甘味をもつ食材で胃腸を整えることもポイントです。ただし酸味は、量が多いとキュッと体が縮こまって、伸びやかさが妨げられることも。少しずつ取り入れるようにしましょう」
心と体を整える春の食養生
「赤」や「黒」の補血食材を意識する

血を貯蔵する機能をもつ肝がスムーズに働くためには、補血食材が必要。
赤身の肉や魚、レバー、ベリー類、にんじんの「赤」と、黒ごま、黒きくらげ、黒豆などの「黒」の食材には、血のもとになる栄養素が豊富に含まれています。
「肌や髪の乾燥、ドライアイ、気持ちの落ち込みなど、血が不足した『血虚』が原因の不調にも、赤や黒の補血食材は役立ちます。血をしっかりつくり、胃腸にやさしいのは、にんじんとかつおです。補血食材は、酸味と一緒にとると効果がアップ。ぽん酢の味つけや柑橘類のつけ合わせで酸味を加えましょう」
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▼心と体が整う「春の養生」の記事はこちら
〈監修/久保奈穂実 取材・文/熊坂麻美 イラスト/須山奈津希〉
久保奈穂実(くぼ・なおみ)
重なる不調を漢方薬で克服した経験から、国際中医薬膳管理師や漢方アドバイザーの資格を取得。「成城漢方たまり」で年間約2,000人の漢方相談を行う傍ら、日々の養生法や薬膳レシピをSNSで発信する。薬膳の基本をやさしく紹介する著書『おいしい漢方365』(世界文化社)が好評発売中。
インスタグラム@naomin_yakuzen
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです










