(『天然生活』2025年5月号掲載)
白と黒でしつらえた器でいさぎよくラクな暮らし
エッセイストの広瀬裕子さんは生まれ育った東京から葉山、鎌倉、香川を経て、2023年に東京に戻ってきました。香川の家は120平米でしたが、東京は45平米、器もずいぶん手放したといいます。
「以前は来客が多かったので、そろいのお皿を10枚ずつなど持っていたんです。東京はお店がたくさんあるので外で会えばいいと思い、譲ってから来ました」
メインの器を納めているのはリビングのつくり付けの棚です。去年の秋に棚板が落ち、器がだいぶ破損してしまったそう。
「作家ものの器も持っていたのですが、それ以来、割れても買い足せる『ロイヤル コペンハーゲン』の白い器と、軽くて割れにくい黒い漆器と決め、ひとり分をそろえています」
メイン皿にスープ皿、パン皿に大小のボウルと、必要なものをひとそろい。用途は決めすぎず、そのときの気分で盛りつけます。
「仕事が立て込んですぐに洗えず、シンクに重ねて放置していても、同じブランドのものだと佇まいがきれい。さびしくないかと聞かれることもありますが、いまのところ気に入っています。ものが少ないとラクですし、自分の好きなものをそろえて、選んでいるという意識があるからだと思います」

つくり付けの棚を普段使い用の食器棚に。左上のガラス類はヴィルヘルム・ワーゲンフェルトがデザインしたものでコレクションしている
広瀬さんの“厳選”器3選と、食器棚の使い方
広瀬さんのお気に入りの器①
「ロイヤル コペンハーゲン」のお皿いろいろ

メインの器は白と黒と決めている。手描きのレース模様が美しいティーセットは黒を見つけてすぐに購入

使い勝手がよく、割れても買い足せるデンマークの「ロイヤル コペンハーゲン」は、若いころから愛用
広瀬さんのお気に入りの器②
「ロイヤル コペンハーゲン」のティーセット

お気に入りのティーセットで楽しむおやつの時間は一日の句読点。お茶は紅茶が定番

メインの器は白と黒と決めている。手描きのレース模様が美しいティーセットは黒を見つけてすぐに購入
広瀬さんのお気に入りの器③
「吉田屋漆器」の応量器

禅宗の修行僧が使用する器で、「吉田屋漆器」は大本山永平寺御用達。引っ越しの際、ほかは全部送って、これで数日生活したそう
広瀬さんの食器棚の使い方
ときどき使うものは吊り戸棚へ

キッチンの吊り戸棚は手が届きにくいため、たまに使うものを収納。左は茶道の道具、右は蠣﨑マコトさんのガラスドームや坂野友紀さんのボウルなど
〈撮影/林 紘輝 取材・文/長谷川未緒〉
広瀬裕子(ひろせ・ゆうこ)
エッセイスト、空間デザイン・ディレクター。東京、葉山、鎌倉、香川を経て、東京在住。著書に、60歳からの小さな暮らし方を綴った『60歳からあたらしい私』(扶桑社)など。
インスタグラム:@yukohirose19
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです





