• 生ごみ、紙ごみ、プラスチックごみ……環境のためにも、暮らしのなかで出るごみを減らしたいという方は多いのではないでしょうか。第57次南極観測隊で調理を担当していた渡貫淳子さんも、ごみを減らすエコな暮らしを実践するひとり。削減への意識は高いほうだと思っていたけれど、南極生活を経て、より「減らしたい」という思いが芽生えたそう。今回は、そんな渡貫さんが見直した「使い捨て」との向き合い方のお話です。

    料理人の経験を生かし、第57次南極観測隊の調理隊員に

    南極地域観測隊の調理隊員になる夢を叶え、約1年間の南極生活を経験した渡貫さん。

    限られた物資で隊員30人分の食事づくりをやりくりしなければならない状況や、環境保護条約のもと、廃棄物はすべて自国に持ち帰るというルールを強く意識するうちに、「無駄なくおいしく食べるには?」「ごみを減らすには?」という気持ちが芽生えます。

    帰国後は、限られた南極と、ものにあふれた日本のギャップに悩みながらも、ごみを削減するための暮らしにチャレンジ。

    そんな渡貫さん、使い捨てのものを見ると、どうしても“もったいない”という思いが……。

    すぐ使い捨てずに“もう一度”使うようにしてみたら

    キッチンペーパー、箱ティッシュ、紙コップ、おしぼり、割り箸、ホテルの歯ブラシ……使い捨てのものを挙げてみたらきりがありません。

    とくにコロナ禍以降、使い捨ての衛生用品は増えたように感じます。たしかに、衛生面を考えると使い捨てはとても有効だなと思う反面、ごみを減らしたい自分としては、とても悩ましい存在でもあります。

    そこで考えたのは、ものを1回で使い捨てずに「2回使ってあげよう」チャレンジ

    画像: 豆腐パックは捨てる前に、下処理した食材入れに

    豆腐パックは捨てる前に、下処理した食材入れに

    調理師という仕事柄、どうしてもキッチンペーパーを使う頻度が多くなってしまいます。使う枚数を1枚でも減らせるように工夫はしていますが、完全になくすことは難しい……。

    一度使ったキッチンペーパーなんて使えないんじゃないかと思われるでしょうが、そんな彼らにも出番があるんです。

    たとえば、フライパン。洗剤で洗う前に、ごみ箱の中を覗いてまだ使えそうなキッチンペーパーが放り込まれていたときなんてお宝です。

    そのペーパーで、鍋底に残っている油をふき取れるじゃありませんか。揚げ油などを捨てるときに、しみ込ませることだってできます。

    画像: まだまだ吸収力があるキッチンペーパーたち

    まだまだ吸収力があるキッチンペーパーたち

    作業台を軽くふいた程度なら、再び広げれば、卵の殻や鉢の周りにポロポロと落ちた花を片づけたいときに役立ちます。

    おしぼりは、自分の手をふいた後、排水溝まわりの掃除に使ってあげたらどうでしょう。

    1トンのごみを半分に減らそうとなると、とてつもない目標のように思えますが、使い捨てをもう一度使ってあげたら? いつも無意識に2枚引き出しているティッシュを1枚に抑えたら?

    ……あれっ? ごみの量が半分になりません?

    画像: 小さなごみをまとめたいときにも大助かり

    小さなごみをまとめたいときにも大助かり

    画像: 台所だけでなく家のあちこちで大活躍

    台所だけでなく家のあちこちで大活躍

    「もう一度使う」から「使い捨てをやめたい」へ

    そんな感じで、すぐ使い捨てずにもう一度使うようになると、次のフェーズが見えてきました。そもそも、使い捨てをやめたらいいんだ。

    南極生活でとてもいいなと感じた習慣がありました。全体で集合するときなど、「マイカップを持参するように」とのお達しが出るのです。

    それなら紙コップを使うこともなく、ペットボトルのごみも出ません。世の中の会議や集会が全部そうなったらいいのになと思うんです。

    画像: 南極生活で愛用していたマイマグ

    南極生活で愛用していたマイマグ

    ある夏、家族が炭酸水にハマり、毎日のようにペットボトルのごみが出ました。資源として回収されるとわかっていても、回収日に膨大な量を袋にまとめていたら、ちょっと嫌気がさしてきたんです。

    どうしたら減らせるだろう?

    私は、回収日に出さず、1カ月分をベランダに溜め込んでみました。そうしたら、うず高く積まれたペットボトルの山を見て、当人も思うところがあったのでしょう。

    数日後には炭酸水メーカーを購入してきて、わが家のペットボトル問題は一気に解決。

    そして私が現在、実践していることは、割り箸は使わない、もらわない。

    ホテルの歯ブラシは使わず、自分の歯磨きセットを持参する。これはおすすめ! なんだかんだ、自分のものが一番使いやすい!

    何なら、使い捨てのスリッパも使わない。いつもの鞄に携帯用のスリッパを入れています。

    箱ティッシュは使わない。軽く口をぬぐうくらいなら、ハンカチでほぼ解決しちゃう。

    飲み物は、基本的にマイボトル。でも、外出先で飲み干しちゃって補給できないときは、健康面を優先して無理せず購入。

    あれっ? 本題から外れちゃいました。

    使い捨てをもう一度使うようにするではなく、そもそも使い捨てをやめたいな

    画像: 着なくなった服は小さく切ってウエスに

    着なくなった服は小さく切ってウエスに

    画像: 捨てる前に、台ふきなどにしてもう一度出番を

    捨てる前に、台ふきなどにしてもう一度出番を

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    ▼渡貫淳子さんの“ごみを減らす暮らし”の記事はこちら

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    ▼無駄なく“おいしく食べきる”南極レシピはこちら



    〈文/渡貫淳子〉

    渡貫淳子(わたぬき・じゅんこ)

    画像: 「もう一度使う」から「使い捨てをやめたい」へ

    第57次南極地域観測隊の調理隊員。1973年青森県八戸市生まれ。調理の専門学校を卒業後、同校に就職。結婚後、出産を機に退職するも、その後も家事・育児をこなしながら調理の仕事を続ける。30代後半に南極地域観測隊の調理隊員への夢を抱き、3度目のチャレンジで合格。昭和基地史上2人目の女性調理隊員(民間人では初)。南極でよくつくっていた「悪魔のおにぎり」をモデルに、某コンビニチェーンが商品化したことでも注目される。現在は南極での経験を元に、フードロスや環境問題、防災、男女共同参画などをテーマにした講演活動を行う。近著に『私たちの暮らしに生かせる 南極レシピ』(家の光協会)がある。

    \ 暮らしに役立つ南極生活の本はこちら /

    『南極の食卓 女性料理人が極限の地で見つけた暮らしの知恵』(渡貫淳子・著/家の光協会・刊)

    画像1: 「使い捨て」習慣をやめたい!ゴミを減らすために“捨てる前にもう一度”使ってみたら想像以上に出番がいっぱい/第57次南極観測隊の調理隊員・渡貫淳子さん

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    『私たちの暮らしに生かせる 南極レシピ』(渡貫淳子・著/家の光協会・刊)

    画像2: 「使い捨て」習慣をやめたい!ゴミを減らすために“捨てる前にもう一度”使ってみたら想像以上に出番がいっぱい/第57次南極観測隊の調理隊員・渡貫淳子さん

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