• 手づくり暮らし研究家の美濃羽まゆみさんに、庭づくりのお話を聞きました。生ごみをたい肥に変えるコンポストや、雨水を暮らしに役立てるタンクなど、「まずは小さくやってみる」のが美濃羽さん流。試行錯誤しながらも、気づけば庭に小さな循環が生まれていました。そのしくみとアイデアをご紹介します。

    庭から教わった「手入れ」の大切さ

    近代的な家だったら、少しでも居住スペースを増やし、広く豊かに暮らすことを目指すことでしょう。

    けれど、町家は逆。収納や部屋数を減らしてでも、床の間に坪庭、吹き抜けを備えているのは、昔の人が住居と外の自然環境との調和を大切にしてきた証だと思います。

    私たちは太陽、水、土、植物を含む、めぐりのなかで生かされています。

    でも、コンクリートとプラスチックでできた、清潔で安全な住環境のなかでは、いつしかそのことを忘れてしまう。やがて、人間中心のおごった考えに陥ってしまいがちです。

    なかなか思い通りにいかない、けれどたくさんの気づきのある庭のある暮らし。私たちが目に見えない大きな循環によって生かされている存在であることを、小さな庭はいつも思い出させてくれるのです。

    画像: 庭とともに子どもたちも大きくなりました。この先離れることになっても、この庭で過ごした記憶が少しでも残っているといいな

    庭とともに子どもたちも大きくなりました。この先離れることになっても、この庭で過ごした記憶が少しでも残っているといいな

    昔の人はめぐりがよいことを「気」という言葉で表しました。

    私は、「気」は「手入れ」によって整えられるのではないかと思っています。季節それぞれの自然の変化にあらがわず、受け入れながら整え、清めることで、風や水、そして「気」がうまく循環していく。

    木々は冬に葉を落とし、春にまた新たに芽吹きます。花が咲いたら蝶や小鳥がやってきて、実りを手助けしてくれる。初夏に現れるはちはゆずを食べるイモムシを、テントウムシは葉を枯らすアブラムシを食べてくれます。

    私たちは、彼らの働きを妨げないように、下草を取り、茂りすぎた枝をほどよく刈る。そうしてできた恵みをいただき、また庭にお返しする。

    ほったらかしとは違う、かといって徹底した管理でもない。ほどよい「手入れ」の塩梅を、日々庭と向き合いながら教わっています。

    さて次回も引き続き、住まいのお手入れ法をお届けします。次回は居間や寝具のあれこれについて。お楽しみに!



    〈写真・文/美濃羽まゆみ 構成/山形恭子〉

    画像: 庭から教わった「手入れ」の大切さ

    美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
    服飾作家・手づくり暮らし研究家。京町家で夫、長女ゴン(2007年生まれ)、長男まめぴー(2013年生まれ)、猫2匹と暮らす。細身で肌が敏感な長女に合う服が見つからず、子ども服をつくりはじめたことが服飾作家としてのスタートに。

    現在は洋服制作のほか、メディアへの出演、洋裁学校の講師、ブログやYouTubeでの発信、子どもたちの居場所「くらら庵」の運営参加など、多方面で活躍。著書に『「めんどう」を楽しむ衣食住のレシピノート』(主婦と生活社)amazonで見る 、『FU-KO basics. 感じのいい、大人服』(日本ヴォーグ社)amazonで見る など。

    ブログ:https://fukohm.exblog.jp/
    インスタグラム:@minowa_mayumi
    voicy:FU-KOなまいにちラジオ

    * * *

    別冊天然生活『美濃羽まゆみさんの手づくりのある暮らし』

    別冊天然生活
    『美濃羽まゆみさんの手づくりのある暮らし』

    別冊天然生活『美濃羽まゆみさんの手づくりのある暮らし』

    amazon.co.jp



    This article is a sponsored article by
    ''.