• 現代の野菜に失われた高い栄養素と、劣悪な環境でも育つ力のある雑草は、日々の食材として災害時の貴重な栄養源になります。知っている人にとっては無料で手に入るお宝なのです。そんな雑草を取り入れた「食べられる公園」が東京都心にあります。食べられる公園と雑草の魅力を、雑草料理研究家・前田純さんと公園内のハーブガーデンを企画した渡辺あいさんに聞きました。

    災害時に役立つ雑草と雑草の知識

    画像: 前田さんが公園で見つけた雑草を、プランターに植え付けていく渡辺さん。「雑草は強いですから、根づくとたくさん増えますよ」

    前田さんが公園で見つけた雑草を、プランターに植え付けていく渡辺さん。「雑草は強いですから、根づくとたくさん増えますよ」

    「ぽっぽのお庭」のある「豊島区立西巣鴨二丁目公園」では、年に一度防災のイベントを行っています。

    「かまどベンチがあるので、ハーブを入れたスープをつくったことがあります。次はここの和ハーブを使ってできればいいな」と渡辺さん。

    前田さんも災害時の雑草利用を推奨しています。「栄養価が下がった野菜に比べて、私たちの身近に生息している雑草は、一般的な野菜に比べて、タンパク質や食物繊維が多く、カロリーが高く、ビタミンやミネラルが豊富な傾向があります」

    だから、非常の際の貴重な栄養源になるというのがその理由です。また、自生している雑草なら、フレッシュな状態で手に入りやすいという利点もあります。

    画像: 2025年の「ぽっぽのお庭」の年間スケジュール。12月に防災イベントが開催された

    2025年の「ぽっぽのお庭」の年間スケジュール。12月に防災イベントが開催された

    今後の防災イベントで、『ぽっぽのお庭』にある和ハーブや雑草を住民の皆さんに活用してほしいと話す渡辺さんに前田さんは「カキドオシのハーブ水」を勧めます。

    「お茶ではいつも楽しんでますけど、水ですか?」という渡辺さんに「カキドオシの葉10枚前後を1Lの水に2時間ほど入れておくと、自然の香りとエキスが抽出されておいしいんですよ」とアドバイスしていました。

    前田さんによると、雑草のイメージも変わってきていて、斑入りのイタドリが、ガーデニングなどでいま人気がでてきており、ガーデンデザインにセイタカアワダチソウが取り入れられることも。

    「セイタカアワダチソウは20代、30代の人には、雑草というイメージがないようなんです。だから料理にしても、先入観なくおいしく食べてもらえる印象があります。セイタカアワダチソウのパンもおいしいですよ」

    画像: 公園にはニホンミツバチの姿も

    公園にはニホンミツバチの姿も

    都市養蜂をしている渡辺さんは、セイタカアワダチソウは蜜源にもなっていると話します。セイタカアワダチソウはミツバチにとって花の少ない秋の貴重な蜜源になっています。一方で、「独特なにおいで嫌がる養蜂家もいます。味わうと意外とさわやかでおいしいのですが」という問題も。

    前田さんは「セイタカアワダチソウのはちみつは、『ゴールデンロットハニー』という名前で売れていると知人から聞きましたよ」という話をしていました。

    ほとんどの雑草は食べられるからこそ、大切な毒草の知識

    雑草を食べるにあたって注意したいのは、毒草を食べないことです。

    前田さんが公園内に生えている草を指さして「これって植えました? もし植えてないんだったら駆除した方がいいです」と指摘したのが、ランタナ。

    画像: 小さなきれいな花を咲かせるランタナ。公園内に自生していた

    小さなきれいな花を咲かせるランタナ。公園内に自生していた

    「とても増える強害雑草です。花がきれいなんですが、七変化といってその名のとおり花の色が次々と変化していくんです。放っておくとすごく増えますから。これは毒草です」と前田さんが指をさしたのは「ヨウシュヤマゴボウ」。触れると炎症を起こす恐れがあり、食べると嘔吐、下痢を起こし死に至ることもあるのだそう。

    普通の公園にもこうした毒草が生えているので、「毒草の数は少ないので、毒草を覚えることで食べられる雑草がわかるようになります」という前田さんはアドバイスしてくれました。


    <お話を伺った方>
    渡辺あい(わたなべ・あい)
    1984年、東京都生まれ。2019年に共同で立ち上げたBeeslowで、都市養蜂、ハーブガーデンづくり、アートプロジェクト、イベント企画、蜂蜜等の商品企画・販売に取り組む。都市における人と植物、ミツバチをはじめとしたポリネーターとの関係づくりを軸に、生物多様性や季節の循環、身近な野生にふれる場づくりと機会創出を行っている。--

    前田 純(まえだ・じゅん)
    1982年8月、石川県生まれ。雑草料理研究家。京都大学農学研究科農学専攻雑草学研究室で雑草学を学び、在学時より、NPOや野外調査等にて雑草を題材として、ダッチオーブンや七輪等を用いて料理を行う。2015年2月に合同会社つむぎてを設立。休耕田や耕作放棄地で無農薬・無化学肥料の雑草を栽培して、食品や化粧品を販売している。


    ▼雑草料理研究家・前田 純さんの記事はこちら

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    『おいしい雑草図鑑』(前田純・著/扶桑社・刊)

    画像: 東京・西巣鴨に「食べられる公園」があった!地域で育てる雑草と和ハーブ。雑草料理研究家が話す、災害時に役立つ意外とおいしい“栄養豊富”な雑草のちから

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    ◆雑草の新たな活用に役立つ、雑草のプロによる“おいしい”図鑑◆

    品種改良や栽培法の確立により、野菜がどんどんおいしくなったことであまり目を向けられなくなった「雑草」。

    普段の料理に使えるほか、生薬、災害時の栄養補給としても役立つ植物です。

    かつては一般に食べられていた雑草のおいしさや魅力、活用法を知ることができる1冊。

    【CONTENTS】
    ● 雑草をおいしく食べる基本の調理法
    ● 採取の服装、道具と採取の方法
    ● Part.1 道端・あぜの雑草
    ● Part.2 野原・畑地の雑草
    ● Part.3 荒地・河川敷の雑草
    ● Part.4 水田・湿地・海岸の雑草
    ● Part.5 林縁・林内の雑草
    ● Part.6 毒草



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