• 「賃貸だから」「理想の内装じゃないから」と、いまの住まいをあきらめていませんか? 間取りや建具などの制約があっても、工夫次第で自分をいやしてくれる空間はつくれます。賃貸マンションで試行錯誤しながら、日々の暮らしの改善を“生活研究日記”として発信するインテリアプランナーの岩部圭子さんに、生活感のあるものをなじませる工夫について聞きました。明日から無理なくできる、“居心地のいい部屋を育てる”ヒントを教えてもらいます。

    隠せないテレビや家電を、心地よくなじませる

    「テレビがどうしても目立ってしまう」 「冷蔵庫の存在感が気になる」

    インテリア相談室でも、テレビや家電など、生活感のあるものについてご相談いただくことがあります。

    家具や雑貨は好きなものを選べても、テレビや冷蔵庫は、暮らしに必要なもの。しかも賃貸では、置き場所を大きく変えたり、家電を隠すための造作をしたりするのも難しいですよね。

    私自身も、LDKがひと続きになったワンフロアの賃貸マンションで暮らしているので、家電や冷蔵庫の存在感には、ずっと悩んできました。

    「もっと素敵な部屋にしたい」と思うほど、どうしても目に入ってくる生活に必要なもの。

    でも、あるときから「どうやって隠そう?」ではなく、「どうしたら、この存在感を和らげられるだろう?」と考えるようになりました。

    そうして試していくうちに気づいた、生活に必要なものを無理に隠さず、インテリアになじませるための工夫をご紹介します。

    生活感のあるものをなじませる工夫①
    「隠す」より、視線の行き先をつくる

    画像: 生活感のあるものをなじませる工夫① 「隠す」より、視線の行き先をつくる

    テレビや家電が気になるとき、まず考えたくなるのが「どうやって隠そう?」ということ。

    でも、テレビのように大きなものを完全に隠すのは、なかなか難しいものです。

    そこで私が意識するようになったのが、「目立つものをなくす」のではなく、「視線の行き先をつくる」ことでした。

    人は部屋に入ったとき、無意識に目を引くものに視線を向けます。

    たとえば、部屋に入ったときに正面に見える壁にあるものや、サイズが大きなもの。色の主張が強かったり、周囲とのコントラストが大きかったりするものも、自然と目に入りやすくなります。テレビもそのひとつ。

    黒い画面がぽんと置かれていると、どうしてもそこに視線が集まります。だからこそ、その近くに植物やお気に入りのアートなど、「見てほしいもの」をつくってみる。

    画像: Before

    Before

    画像: After

    After

    みずみずしい植物の葉や、好きなアートが視界に入ることで、視線がテレビだけに集中しにくくなります。

    テレビをなくすことはできなくても、「テレビしか目に入らない状態」を変えることはできるんです。

    これは、家電を隠すというより、ひとつの場所に「見てほしい景色」をつくるような感覚。

    大きな家具を買い替えなくても、植物やアートをひとつ加えるだけでできるので、賃貸でも取り入れやすい方法だと思います。

    私自身も、家具を配置するときは「部屋に入った瞬間、何が見えるか」を意識しています。

    わが家の寝室兼書斎は、ドアを開けたときにまず目に入るのが、ベッドと本棚。一方で、デスクやモニターは少し死角になる場所に置いています。

    画像: わが家の寝室の本棚

    わが家の寝室の本棚

    画像: わが家の寝室のベッド

    わが家の寝室のベッド

    仕事に必要なものなので、なくすことはできません。でも、必要だからといって、いつも目立たせる必要はない。「部屋に入ったときに、まずどんな景色を見たいか」を考えてから家具を配置する。

    そんなふうに考えると、限られた賃貸の間取りでも、見え方を変えることができます。



    画像2: 「生活感をなくす」ことが、心地よい部屋ではない

    岩部 圭子(いわべ けいこ)
    インテリアや生活雑貨のブランドで、WebコンテンツやSNSの企画・制作に携わったのちインテリアプランナーとして独立。「素敵な部屋に憧れるばかりだった自分」の経験をもとに、いまある住まいの中で少しずつ好きな空間を育てていく方法を発信している。インスタグラムやブログのほか、オンラインで部屋づくりの相談を受けながら、暮らしとインテリアを自分のものさしで楽しむヒントを届けている。
    インスタグラム:@be___him
    インテリア相談室:https://behim.blog/



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