• 漁師のお母さんたちに教わった、「だしの王様」羅臼昆布を使ったレシピ2品を紹介します。世界自然遺産、知床の海で、羅臼昆布の漁が行われるのは、真夏のひと月あまり。日ごろから羅臼昆布を愛用している松田美智子さんが訪ねました。
    (『天然生活』2014年11月号掲載)
    画像: 漁師のお母さんの昆布料理|知床の海で採れる、羅臼昆布の魅力(3)

    炊き込みごはん

    羅臼昆布と羅臼産のさけ節でとった混合だしで炊いた、うま味たっぷりのごはん。具にも羅臼昆布と焼きざけを入れて。

    画像: 炊き込みごはん

    材料(つくりやすい分量)

    • 昆布 5cm角1枚
    • 米 2合
    • 粗びき昆布(ミルなどでくだいてもよい) 大さじ1
    • A
      • しょうゆ 大さじ1
      • みりん 大さじ1
      • 酒 大さじ1
      • 塩 ひとつまみ
    • さけ節(またはかつお節) 10g
    • 塩ざけ 1切れ
    • 白ごま 適量
    • しそ(せん切り) 適量

    つくり方

    1. 昆布を水にひたしてしばらくおいたあと、火にかける。沸騰直前に昆布を取り出し、さけ節を入れて少し煮てこし、だしをとる。
    2. 米をとぎ、30分おく。炊飯器に米を入れ、粗びき昆布を加える。1とAを加え、2合分の目盛りまで水を加えて普通に炊く。
    3. 塩ざけは焼いて皮を除いて、身をほぐし、ごはんが炊けたら加えて混ぜる。
    4. 3を器に盛り、白ごまとしそを散らす。

    魚のつみれ汁

    羅臼昆布のコクのあるだしに、つみれから魚のうま味が出て、さらに濃厚な味わいに。味つけは、味噌でも塩でもお好みで。

    画像: 魚のつみれ汁

    材料(つくりやすい分量)

    • 昆布 5cm角1枚
    • 白身魚の身(ホッケ、たらなど) 500g
    • A
      • 酒 10ml
      • 卵 1個
      • 砂糖 小さじ1
      • 片栗粉 35g
      • すりごま 少々
      • 塩 10g
    • 長ねぎ(斜め細切り) 適量
    • しょうゆ 適量

    つくり方

    1. 魚は皮をのぞき、ざく切りにする。魚の身と水75ml(分量外)をフードプロセッサーに20秒ほどかける。
    2. 1をすり鉢に入れ、Aを加えて、ねっとりするまでする。
    3. 昆布は水にしばらくひたしたあと、火にかけて沸騰直前に取り出し、だしをとる。
    4. 3のだし汁を温め、その中に2を、スプーンを使って丸めながら落とす。長ねぎを加え、しょうゆで味をととのえる。

    ※ ※ ※

    羅臼昆布といえば、だし。香りがよく、やわらかく黄色味を帯び、濃厚でコクのある味わいが「だしの王様」といわれるゆえん。羅臼の家庭でも、だしとして利用するのが定番です。

    そこに地元で捕れた魚を組み合わせれば、最高のごちそうに。漁師のお母さんがつくってくれた炊き込みごはんやつみれ汁も、まさにその組み合わせ。松田さん作の湯煮も、羅臼を代表するもてなし料理です。

    「羅臼で捕れる魚は脂がのっていて、羅臼昆布のだしの力強さがぴったりです。湯煮は羅臼の海が育んだ昆布と魚がもつ、自然のうま味と塩分だけで十分においしいんです」と松田さん。

    [「松田美智子さんの昆布料理」|知床の海で採れる、羅臼昆布の魅力(4) に続きます]


    「羅臼の昆布漁」|知床の海で採れる、羅臼昆布の魅力(1)へ ⇒
    「昆布を磨き上げる漁師たち」|知床の海で採れる、羅臼昆布の魅力(2)へ ⇒
    「松田美智子さんの昆布料理」|知床の海で採れる、羅臼昆布の魅力(4)へ ⇒


    <撮影/川村 隆 取材・文/野上郁子(オフィスhana)>

    画像: つくり方

    松田美智子(まつだ・みちこ)
    料理研究家、テーブルコーディネーター、日本雑穀協会理事、女子美術大学講師。季節感と素材の味そのものの味、風味を大切に、つくりやすい料理を心がける。保存食の本『季節の仕事』が扶桑社より復刊予定。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです


    This article is a sponsored article by
    ''.