• 秋の夜長を楽しむなら、まあるいお月さまのようなおはぎはいかが? 人気店「森のおはぎ」では、見ても食べても心が和む、さまざまなおはぎに出合えます。店主の森さんが教えてくれた、かわいくておいしいおはぎたち。今回は、「小豆あん」と「白あん」のおいしいつくり方を。
    (『天然生活』2015年11月号掲載)

    月夜に食べたい小さなおはぎ 「定番のおはぎ」より続き —

    小豆あんと白あんのつくり方

    豆と砂糖を煮るだけのとてもシンプルな工程ですが、おいしいあんをつくるためにひとつひとつ、ていねいに。

    小豆あん

    画像: 香りが上品で皮が破れにくい大納言小豆がおすすめ。純度が高いグラニュー糖のほか、白ザラ糖でつくるとキレのよい甘さになる

    香りが上品で皮が破れにくい大納言小豆がおすすめ。純度が高いグラニュー糖のほか、白ザラ糖でつくるとキレのよい甘さになる

    白あん

    画像: 白いんげん豆のなかでも小粒の「手亡(てぼう)」でつくる。工程は小豆あんと同じだが、塩は加えず、抹茶など、さまざまな素材と混ぜて使う

    白いんげん豆のなかでも小粒の「手亡(てぼう)」でつくる。工程は小豆あんと同じだが、塩は加えず、抹茶など、さまざまな素材と混ぜて使う

    材料(つくりやすい分量)

    • 〈小豆あんの場合〉
      • 小豆 250g
      • グラニュー糖 210g (甘めの場合は340g)
      • 塩 ひとつまみ
    • 〈白あんの場合〉
      • 白いんげん豆(手亡がおすすめ) 250g
      • グラニュー糖 200g

    つくり方

    1 小豆(白いんげん豆)はボウルに入れ、水を3回替えてよく洗う。鍋に豆を入れ、豆の1cm上まで水を入れ、強火にかける。

    2 沸騰して豆が浮いてきたら500mlの水を加える。

    画像: 水を加えると温度が下がり、豆の中にぐっと水が入る。これは、やわらかく炊くには欠かせない大事な工程

    水を加えると温度が下がり、豆の中にぐっと水が入る。これは、やわらかく炊くには欠かせない大事な工程

    再度沸騰したら火を消し、ふたをして40分蒸らす。

    画像: こちらも、豆に水分を吸わせるための工程。蒸らすことで煮えむらを少なくし、ふっくらとさせる

    こちらも、豆に水分を吸わせるための工程。蒸らすことで煮えむらを少なくし、ふっくらとさせる

    3 煮汁を捨て、豆の3cm上まで水を入れて強火にかける。沸騰したら、ふつふつと気泡が出る程度の弱火にする。あくが出たらすくい、豆の表面が出そうになったら、そのつど水を足しながら、やわらかくなるまで30~40分煮る。

    4 指で何粒か豆をつぶしてみて、かたいところがなくなったら、火を消す。なかなかやわらかくならない場合は、重曹(分量外)をひとつまみ加え、様子をみながら煮る。

    画像: やわらかくなりすぎないように、気をつけながら豆を煮る。水面から出たまま煮るとかたくなるので注意

    やわらかくなりすぎないように、気をつけながら豆を煮る。水面から出たまま煮るとかたくなるので注意

    5 煮汁をひたひたにして(煮汁が多ければ捨てる)、ボウルに煮汁ごと豆を入れる。

    6 5の鍋に水100mlとグラニュー糖を入れて強火にかけ、揺すりながら1分沸騰させて蜜をつくる。

    7 豆を煮汁ごと6の鍋に戻し入れて、中火でときどきかき混ぜながら煮る。

    8 煮つまってきたら弱火にして、小豆あんは塩を加える(注意:白あんには塩は入れない)。

    画像: 「塩を入れると、後を引くおいしさになる」と店主。白あんには別の素材を混ぜるので、塩は不要

    「塩を入れると、後を引くおいしさになる」と店主。白あんには別の素材を混ぜるので、塩は不要

    こげないように、木べらでやさしく鍋底から混ぜながら水分をとばす。すくって、落としたときにぽとっと落ちて山になるくらいのかたさまで煮つめる。熱いうちに、ひとすくいずつバットにのせて冷ます。

    あんこづくりのコツ

    水面に豆が出ないように注意しながら弱火で煮る

    小豆を煮るときは、グラグラした強火で煮ると皮が破けてうま味が逃げてしまうので、弱火で煮るようにしましょう。煮ている間に、豆の表面が水面から出て空気に触れるとかたくなってしまいます。火力などにより蒸発が続き、豆が水面から出そうになったら水を足してください。煮る時間は、豆の鮮度によって若干変わってきます。古い豆は重曹をひとつまみ加えることで、煮えやすくなります。

    木べらでしっかり混ぜてバットで均等に冷ます

    混ぜながら水分をとばすときは、角のない木べらを使うと、当たりもやさしく鍋底からしっかりすくい上げることができます。でき上がったら、すぐにバットへ。鍋のまま置いておくと、底と表面とで温度差が出てムラができてしまいます。バットに広げ、満遍なく蒸気を逃がすようにして冷ましましょう。

    余ったあんこは冷凍して保存を

    あんは、冷蔵で3日間くらいは日持ちします。冷凍保存する場合は、小分けにしてラップでピタッと包んでから冷凍庫へ。常温で(夏場は冷蔵庫で)自然解凍して、やわらかくなってから使います。

    月夜に食べたい小さなおはぎ 「定番のおはぎ」へ ⇒
    月夜に食べたい小さなおはぎ 「雑穀餅、黒米餅のつくり方」へ ⇒
    月夜に食べたい小さなおはぎ あんこ嫌いも食べたくなるかわいいおはぎ「森のおはぎ」へ ⇒
    月夜に食べたい小さなおはぎ 「季節のおはぎ」へ ⇒
    月夜に食べたい小さなおはぎ 「こっくり味のおはぎ」へ ⇒

    <お菓子/森のおはぎ 撮影/広瀬貴子 スタイリング/大畑純子 取材・文/山形恭子>

    「森のおはぎ」
    大阪の岡町にある、おはぎ店。素材の風味を大切にしたおはぎは、見た目も愛らしく、あんこやきな粉などの定番から季節限定の品まで、常時、8種が楽しめます。古い建具を配した温かみのある店構えや店主の森百合子さんの気さくな人柄も人気のゆえん。
    大阪府豊中市中桜塚2-25-10
    TEL.06-6845-1250
    休み:日・月曜
    http://morinoohagi.jimdo.com/
    ※大阪・北新地に姉妹店の「森乃お菓子」がある。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.