(『天然生活』2015年11月号掲載)
近頃は、家庭で魚をおろす方が少なくなったそうですが、魚料理好きの私としては、なんだか少し、さびしい気がします。「おろすのは難しいのでは?」と感じている方、ご安心ください。この連載を通しておろし方を覚えれば、けっして難しくはありませんよ。
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長谷川弓子
さんま 旬 8〜11月
秋の味覚の代表「さんま」は、冷凍技術の進歩によって、一年を通して手に入るようになりました。それでも、旬のこの時季の脂ののったさんまを塩焼きにして、大根おろしにしょうゆをかけた染めおろしを添え、すだちをギュッとしぼっていただくのは、最高です。
塩焼き以外にも、さんまをおいしくいただく方法はたくさんあります。
おいしいさんまの特徴は、口先が黄色く、ピンとおなかの張ったもの。見かけたらぜひ調理して、秋の味覚を存分に楽しんでください。
さんまのチーズ入り天ぷら
ひらいたさんまの上で、チーズと野菜を巻いて、揚げます。半分に切って盛りつければ、切り口が華やか。
材料(2人分)
- さんま 1尾
- スライスチーズ 1枚
- さやいんげん 2本
- セロリ 5cm
- 焼きのり 1/4枚
- A
- 卵 1/2個
- 水 50ml
- 片栗粉 大さじ1
- 小麦粉 大さじ2
- 揚げ油 適量
- 好みですだち 1個
つくり方
- さんまは表面を水でさっと洗い、頭を落とし、肛門まで包丁を入れて内臓を出し、腹腔を水で洗う。頭側から中骨に沿って包丁を入れ、尾びれの際まで切り、裏返して同様にし、三枚におろす(大名おろし)。腹骨をすき取り、骨抜きで小骨を外す。半分に切る。
- 身の厚いほうから皮ギリギリに斜めに包丁を入れ、包丁を倒して身を返し、厚さを均等にし(下の写真をご参照ください)、塩(分量外)を薄くふる。
- いんげんは塩ゆでしたあと、4~5cm長さに切る。セロリは筋を取り、5mm角の拍子木切りにする。焼きのり、チーズは4等分に切る。
- 2の上に、のり、チーズ、野菜を順にのせてから巻き、ようじで固定する。混ぜ合わせたAをからませ、170~180℃の揚げ油でカラリと揚げる。半分に切って器に盛りつけ、好みですだちをしぼる。
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<料理・スタイリング・文/長谷川弓子 撮影/川村 隆>
長谷川弓子(はせがわ・ゆみこ)
東京都出身。料理家、栄養士。明治大学卒業後、社会人経験をしたのち、近茶流宗家・柳原一成氏、柳原尚之氏に師事し、日本料理を学ぶ。現在、聖徳大学短期大学部専任講師として、調理実習等を担当する。とくに好きな魚はあじ。「海に囲まれた国に生まれたからには、ぜひ、魚料理に親しんでいただければ」
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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