• 「趣味は、暮らし」と笑う、料理家・横山タカ子さん。日々、保存食をつくり、運針をし、庭の手入れをする、四季とともにある日常を、自分流に、自由に楽しんでいます。それは、遊び心に溢れ、同時にとても美しい。そんな信州の季節に寄り添った、横山さんの四季の暮らしを、ご一緒に、ぜひお楽しみください。今回は、信州ならではの秋の味わいを紹介します。
    (横山タカ子・著『信州四季暮し』より)
    画像: 信州では秋からりんごが出はじめ、早生から晩生の品種を春先まで長く大切に食べつなぎます

    信州では秋からりんごが出はじめ、早生から晩生の品種を春先まで長く大切に食べつなぎます

    画像: 白菜は縦置きにして、玄関先の寒い場所で長期保存

    白菜は縦置きにして、玄関先の寒い場所で長期保存

    画像: 冷凍餅や赤唐辛子も大切な保存食です

    冷凍餅や赤唐辛子も大切な保存食です

    鯖ずし

    画像: 鯖ずし

    信州では、塩蔵した魚や烏賊(いか)をよく使います。海から遠いため、塩漬けして運び、その間に発酵が進んで、長寿の一役を担ったのかもしれません。

    塩鱒(ます)、塩鮭、塩鯖(さば)、塩烏賊は、とりわけよく用いられます。

    その中でも、塩鯖を使ったおすしを紹介しましょう。信州南部の伊豆木地方では秋の例大祭に奉納され、各家庭でも必ず作るおすしです。

    塩鯖を甘酢でひと晩締め、ひと口大に切って、酢飯に混ぜます。ほどよく塩味の効いた鯖と酢飯がとてもよいコンビです。

    庭の紅葉した山ぶどうの葉に包み、そのまま食卓でおもてなしです。

    材料(4人分)

    • 塩鯖(三枚おろし) 2枚
    • 鯖漬け込み用
      • 酢 80ml
      • 砂糖 大さじ3
      • 米 2合
    • すし酢
      • 酢 大さじ4
      • 砂糖 小さじ4
      • 塩 小さじ1
    • 山ぶどうの葉 適量

    作り方

     鯖漬け込み用の酢に砂糖を溶かし、塩鯖のおろし身をひと晩漬ける。

    画像1: 作り方

     米は通常通りに炊く。すし酢の材料を混ぜ合わせ、炊き上がったごはんに混ぜてすし飯にする。

     1の薄皮をむき、背身と腹身を分けるように半分に切り、2cm幅に切る。これを2に混ぜる。

    画像2: 作り方

     洗って水けをきった山ぶどうの葉で3を適量包む。

    画像3: 作り方

    花豆おこわの柏葉蒸し

    画像: 花豆おこわの柏葉蒸し

    もうひとつ、もち米で作る花豆おこわ。採れたての花豆は、あっという間に煮えてしまう柔らかさです。

    私のおこわは、15分で蒸し上がる早さ。洗ったもち米をひと晩しっかり浸水させ、次の日、水分をきります。それを、2合に対して150mlの水を加えて火にかけ、水分を吸収させます。ここがポイントです。あとは、柏葉にひと匙ずつよそい、花豆を添えて蒸籠にかけること15分。

    大きな花豆に艶やかなもち米。見るだけで「うれしいごはん」は伝わります。

    材料(4人分)

    • もち米 2合
    • 花豆の甘煮(※) 40粒
    • 水 150ml
    • 柏の葉 適量

    作り方

     もち米は多めの水(分量外)にひと晩浸し、水けをしっかり切る。

     1を鍋に入れ、分量の水を加え、中火にかけ、底から混ぜながら、水分を吸わせる。

     2を柏の葉に盛り分け、一枚につき3~4粒の花豆をのせ、湯気の上がった蒸し器で15分蒸す。

    画像4: 作り方
    画像5: 作り方
    画像6: 作り方

    <撮影/本間 寛>

    横山タカ子(よこやま・たかこ)
    料理研究家。長野県大町市生まれ、長野市在住。長年、保存食を中心とした長野の食文化を研究すべく各地に赴き、料理名人から教わる。長野県の特徴でもある、野菜をたっぷりと使った保存食は「適塩」で作り、季節の食材は手をかけすぎず、素材を生かしてシンプルに食べることを信条とする。地元の農作物を広める活動にも尽力。大の着物好きでもある。


    『信州四季暮らし』(横山タカ子・著)

    天然生活の本
    『信州四季暮らし』(横山タカ子・著)

    『信州四季暮らし』(横山タカ子・著)

    A5判
    定価 1,700円+税
    ISBN978-4-594-08353-3

    扶桑社より発売中



    This article is a sponsored article by
    ''.