(『天然生活』2018年2月号掲載)
年末年始は、みんなで集まっておいしいものを食べる機会が多い時季です。和食が続いて洋風の味が恋しくなったら、手づくりのパンやピザに挑戦してみませんか。
今回、高橋さんが教えてくれたのは、小さなお子さまから大人まで一緒に食べられる、野菜をたっぷりと使ったフォカッチャやパニーニ。オーブンを使わず、フライパンで完成させられるのも、うれしいところ。
「具材の組み合わせは、冷蔵庫にあるものや、ご家族の好きなもので、自由につくってみてください。パンやサンドイッチづくりって、手を動かす楽しみがあるので、料理が苦手な人にもおすすめ。お客さまと一緒に具をのせたりしても盛り上がりますよ」
野菜いっぱいのフォカッチャ
ランチやおつまみに最適な、たっぷりの具材をのせたフォカッチャ。チーズやちりめんじゃこはこげやすいので、仕上げにのせます。
材料(各1個分)
● 冷凍パン生地(*) | 1個 |
● オリーブオイル | 適量 |
● A | |
・マッシュルーム | 2個 |
・アンチョビ | 1枚 |
・オレガノ、塩、こしょう | 各適量 |
● B | |
・カリフラワー | 2房 |
・パルミジャーノ・レッジャーノ | 適量 |
● C | |
・スナップえんどう | 4さや |
・ちりめんじゃこ | 適量 |
* 冷凍パン生地のつくり方は、ページ下の記事をご参照ください。
つくり方
1 具材の準備をする。Aのマッシュルームは5mm幅に切り、塩とオリーブオイル各少々であえる。アンチョビは半分に切り、オリーブオイルをぬる。Bのカリフラワーは、さっと塩ゆでして薄切りにする。Cのスナップえんどうは筋を取って塩ゆでし、半分にひらく。
2 解凍したパン生地を台に取り出し、直径10cm程度に手でのばす。オーブンシートを敷いた天板にのせる。
3 1の具材をそれぞれのせて、手でぎゅっと押して密着させる。
オリーブオイルをそれぞれにたっぷりとかけて、210℃に予熱したオーブンで13分焼く(発酵が進むと具材がこぼれてしまうので、具材をのせたらすぐに焼くこと)。焼き上がったら、Aにはオレガノ、塩、こしょうをふる。Bにはパルミジャーノ・レッジャーノの薄切り、Cにはちりめんじゃこをのせる。最後に、それぞれに、好みの量のオリーブオイルをかける。
生ハムとルッコラのサラダピザ
サラダをつくるような気軽さで完成する、手づくりのピザ。薄く焼いた生地に、みずみずしい葉野菜と塩けの効いた生ハムをどっさりと。
材料(1枚分)
● 冷凍パン生地(*) | 4個 |
● 生ハム | 4枚 |
● ルッコラ、ベビーリーフ、オリー ブオイル、ピンクペッパー、粗塩 | 各適量 |
* 冷凍パン生地のつくり方は、ページ下の記事をご参照ください。
つくり方
1 ルッコラとベビーリーフは水洗いし、ペーパーで包み、盛りつける直前まで冷やしておく。
2 解凍したパン生地を台に取り出し、4個をつなげ、直径17cmの円形になるように、めん棒または手でのばす。ふちを厚めに、中央は薄くのばすとよい。
3 予熱をしていないフライパンに生地をのせ、弱火にかけて7分焼き、ふたをして、さらに3分焼く。
4 焼き上がったピザ生地に、ベビーリーフとルッコラを盛り、生ハムをふんわりとのせる。オリーブオイル、塩、ピンクペッパーをかけて、でき上がり。
パニーニ
パン生地をグリルパンで焼くと、イタリアのホットサンド「パニーニ」風に。オーブンよりも焼き時間が短く、サクサクとした食感が生まれます。
材料(各1個分)
● 冷凍パン生地(*) | 1個 |
● A | |
・ブロッコリー | 1房 |
・紫キャベツ | 適量 |
・ゴーダチーズ | 1枚 |
・塩 | 適量 |
● B | |
・エリンギ | 2切れ |
・ベーコン | 1枚 |
・ドライトマト(オイル漬け) | 1個 |
・塩、こしょう | 各適量 |
・フェンネル | 適宜 |
● C | |
・洋梨 | 1/4個 |
・モッツァレラチーズ | 1/4個 |
・粗塩、こしょう、オリーブオイル | 各適量 |
つくり方
1 具材の準備をする。Aのブロッコリーは塩ゆでして薄切り、紫キャベツはせん切りにして塩少々をふってもみ、水けをしぼる。Bのエリンギは塩・こしょうをして油少々(分量外)を熱したフライパンで焼く。ベーコンも焼く。ドライトマトは粗みじん切りに。Cの洋梨は皮をむき、角切りにする。モッツァレラチーズは薄切りにする。
2 解凍したパン生地を台に取り出し、手で押して平たくする。手前と向こうから三つ折りにして、折り目をつまんでとじる。
とじ目を下にして転がして細長くし、再度、押して平たくする。バットに置き、濡れぶきんをかけて30℃の場所に20分置き、二次発酵させる。
3 グリルパン(またはフライパン)に油少々(分量外)を薄くひき、中火で予熱する。2の生地をのせ、中火でふたをして2分焼き、裏返して1分、ふたを取り1分焼く。網に取り出し、冷ます。
4 3が冷めたら厚みを半分に切る。1の具材やハーブをそれぞれにはさむ。
* 冷凍パン生地のつくり方
材料(8個分)
● 準強力粉(リスドォル) | 250g |
● 水 | 100g |
● 牛乳 | 65g |
● オリーブオイル | 8g |
● インスタントドライイースト | 小さじ1/2(1.5g) |
● きび砂糖 | 8g |
● 塩 | 4g |
● オリーブオイル | 適量 |
つくり方
1 混ぜる
大ボウルに水→ 牛乳→ オリーブオイル8g→ インスタントドライイースト→ きび砂糖→ 準強力粉→ 塩の順に入れ、カードを使って大きく混ぜる。まとまってきたら手でひとかたまりになるようにこね、ボウルがきれいになったら台に取り出す。
2 こねる
手の付け根を使って生地を台にこすりつけながら引き伸ばし、手前にまとめる。2~3回繰り返し、生地を90度回転させて同じ作業を繰り返す。3~5分こねると表面がツルッとしてくる。まとまるようになったら、こね上がり。
3 一次発酵
生地をひとまとめにして、底に送るように丸め、表面を張らせる。小さめのボウル(900ml程度)に入れ、ラップをかける。オーブンの発酵機能などを利用し、30℃の場所に1時間置く。生地が2倍程度に膨らんだら、一次発酵完了。
4 分割
生地を傷つけないようにカードで取り出し、8等分する。全体の重さを量って8で割り、カードで8分割して重さを等分にするとよい。 ※ 生地を切るときはカードで上から押し切り、生地をはがすようにする。
5 冷凍
ラップを30×18cmに切る。片側に生地を置き、一個につきオリーブオイル小さじ1/2を生地両面にまぶす。ラップを二つ折りにかぶせる。軽く押して平らにし、周りを折って四角く整え、保存袋に入れて冷凍する。日持ちは約1カ月。
6 解凍
生地を必要な数だけ冷凍庫から取り出し、ラップをしたままバットにのせる。室温(またはオーブンの発酵機能)に30〜50分ほど、または冷蔵庫に数時間置き、解凍する。ラップの上から押してみて、芯がなくなっていればOK。
<料理/高橋雅子 撮影/広瀬貴子 スタイリング/千國奈々子 取材・文/河合知子>
高橋雅子(たかはし・まさこ)
パンとワインの教室「わいんのある12ヶ月」主宰。家庭でつくれる本格的なパンと料理のレシピを提案している。著書『冷凍生地で焼きたてパン』が、2020年1月扶桑社より復刊。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです