(『天然生活』2017年1月号掲載)
場所別に見直したい、整理ポイント 野菜室
温度と湿度のバランスがよい野菜室には、米やワインも
野菜室には、米や小麦粉、ワインなど、野菜以外のものも入れている平岡さん。
「野菜室の温度は、5~7℃が一般的。野菜が乾燥しないように温度や湿度が設定されていて、それは、お米や粉類にとっても、快適な環境なのです。さらに、ワインセラーの環境にも近いので、ワインの一時保管にも向いています」
また、野菜=すべて野菜室、ということではなく、根菜類は通気性のよい涼しい場所で常温保存。
「野菜ごとの特徴を考えて、保存場所や保存方法を工夫しています。また、週に一度は野菜室を点検し、常に新鮮な状態で野菜を食べるように心がけています」
1 高さのない上段には米や粉ものを薄く収納
米や小麦粉などの粉もの、麦などの雑穀類は、野菜室保存が最適。虫やカビを予防でき、おいしい状態をキープできる。密閉袋に入れて薄く広げて、上段のトレイへ
2 ボックスを活用してスペースを仕切る
形や大きさに差がある野菜は、ボックスを活用して、わかりやすく分類を。ただし、収納グッズを使いすぎるとスペースが限定されて使いにくくなるので、数を絞って
3 使いかけの野菜は目につきやすい場所に
見落としがちな使いかけ野菜は、目立つ場所に。ボックスには、物を詰め込みすぎないようにし、底にしょうがやにんにくの欠片などが埋もれていないか、ときどき確認
4 にんじんやきゅうりなど野菜は立てて収納
野菜は、育った環境=畑と同じ状態で保存すると、より鮮度を保てる。そのため、ボックスを利用し、立てて保存。大根などの大きな野菜はカットし、寝かせてもいい
5 掃除のことを考えて新聞紙を底に敷く
野菜室は、野菜くずや野菜に付いた泥で汚れがち。底に新聞紙を敷いておけば、掃除の際に楽に交換できて便利。新聞紙は、乾燥防止用として野菜を巻くのにも大活躍
乾燥と酸化を防ぐひと手間で、野菜や米類が長持ち
小麦粉
パッケージごとにチャック付き密閉袋に入れたら、空気を抜いて保存。酸化や虫の侵入を防ぎ、鮮度を保てる
米
3人家族の平岡家では、鮮度が命の米を2㎏袋でこまめに買い、野菜室へ。赤とうがらしを入れたお茶パックも入れ、防虫対策
小松菜
乾燥を防ぐため、冷水につけてから新聞紙に包む。底を折り上げて包めば泥や水分がこぼれず、庫内が汚れる心配もなし
切った野菜
面倒でも、そのつど、ラップフィルムで包み、空気が入らないようにして野菜室へ。このひと手間でおいしさをキープ
かぶ
まず、購入後は、葉と実を別々にカット。そのままにしておくと葉に水分や栄養を持っていかれ、実がしなっとなりやすくなる
ハーブ
濡れたキッチンペーパーで茎を包み、ふた付きの容器に入れて、立てて保存。ペーパーをときどき替えると2週間くらい持つ
あると便利な整理アイテム
A 新聞紙
庫内に敷いて、泥や野菜くずを受けたり、野菜を包んで乾燥を防いだり。気軽に交換できるから便利
B チャック付き密閉袋
密閉できて、スリムに収納できる自由自在な整理アイテム。何度か使って消耗してきたら新品に交換
C 透明なボックス
透明なボックスは、中が見えて便利。小分けのチーズなど、バラバラになりやすいものをまとめて
D ガラス瓶
ひと手間かけた食材の保存に大活躍の透明ガラス瓶。ガラス製なら煮沸消毒ができるので衛生的
E ホウロウ容器
容器ごと火にかけられて便利。外側に油性マジックで料理名を書いても中性洗剤で簡単に消せる
F 密閉容器
冷凍も電子レンジもOKで、収納時にはスタッキングもできる守備範囲の広さがうれしい
むだを出さない、冷蔵庫のつくり方「上から1〜2段目」|買った食材を、むだなく、おいしく食べきるための整理ポイントへ⇒
むだを出さない、冷蔵庫のつくり方「上から3〜4段目」|買った食材を、むだなく、おいしく食べきるための整理ポイントへ⇒
むだを出さない、冷蔵庫のつくり方「冷凍室」|買った食材を、むだなく、おいしく食べきるための整理ポイントへ⇒
<撮影/有賀 傑 取材・文/宇野津暢子>
平岡淳子(ひらおか・じゅんこ)
フードコーディネーター。「平岡淳子 毎日のおかず教室」主宰。雑誌や書籍でのレシピ提案のほか、お米マイスター、野菜ソムリエとしても活躍。近著は『冷蔵庫整理のルール&レシピ』(ナツメ社)。夫と4歳の長女との3人暮らし。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです