• せっかく買った食材は、むだなく、おいしく食べきりたい。冷蔵庫を効率よく使うための、庫内の場所別・整理ポイントと、食材を段取りよく使いきるための保存のコツを、フードコーディネーターの平岡淳子さんに聞きました。
    (『天然生活』2017年1月号掲載)

    平岡さん流の段取りルール
      庫内の中身がひと目でわかるように配置する
      買い物前には、庫内の食材状況を必ず確認する
      庫内の食材を定期的にチェックして、おいしく食べきる

    扉を開けたとき、“ぱっと全部見える” のが大事

    平岡淳子さんにとって、冷蔵庫は “家族の健康を守る薬箱” のようなもの。

    大切なのは、バランスのとれたおいしいごはんをつくることと、自分が無理せず、家族の「あれ食べたい」にこたえること。

    だから、多少、庫内の食材が多めでも、生活感がたっぷりでも、それでよし、と思っています。

    画像: 平岡家の冷蔵庫は、実家から譲り受けたという15年選手。庫内を、工夫しながら使っている。上が冷蔵庫、その下がチルドと製氷室、さらに下が野菜室で最下段が冷凍室

    平岡家の冷蔵庫は、実家から譲り受けたという15年選手。庫内を、工夫しながら使っている。上が冷蔵庫、その下がチルドと製氷室、さらに下が野菜室で最下段が冷凍室

    「とにかく、扉を開けたとき、“ぱっと全部見える” のが大事。なので、保存容器は、ガラスか透明か半透明が中心。目につく3~4段目には、早く食べきる食材を置くなど、場所ごとに優先順位をつけて配置しています」

    ドアポケットに入れた調味料は、どれが何なのか、ひと目でわかるように、買ってきた容器のまま。

    「見た目の印象を意識して、瓶に移し替える手間は、長続きしないのでしませんね。どこに何があるのかがすぐわかり、必要なものがすぐに取れれば、十分です」

    おいしいうちに食べきることを、大切にしている平岡さん。

    「せっかく、わが家に来てくれた食材たちです。下や奥に埋もれて忘れてしまった、とならないように、管理には気を配っています」

    画像: 冷蔵庫の収納力には限りがあるため、直射日光の当たらないベランダの隅や玄関先など、家の中の涼しい場所も有効活用

    冷蔵庫の収納力には限りがあるため、直射日光の当たらないベランダの隅や玄関先など、家の中の涼しい場所も有効活用

    そのための工夫として、よく見える場所に “早く食べきるためのボックス” を置き、買い物前には冷蔵庫内を一度確認してから、買うべきものをしっかりとメモ。

    「早く食べたほうがいい食材は、ボックスに、わかりやすくまとめます。使いきることを最優先にして献立を考えたり、買い物前に庫内をチェックしたりして、必要以上に買わないようにしています」

    画像: 買い物前に、買い物リストを作成。入り口から出口まで、スーパーの食材の並び順に記入し、買い物中のむだな動きを省く

    買い物前に、買い物リストを作成。入り口から出口まで、スーパーの食材の並び順に記入し、買い物中のむだな動きを省く

    食材をしまうときは、ひと手間かけてから

    食材を最後まで、むだなく食べきるには、定期的な在庫チェックも大切。平岡さんは、冷蔵庫なら3~4日、野菜室なら1週間、冷凍室は3~4カ月に一度の頻度でチェックしているそう。

    「冷蔵庫の場所ごとに、いま、何があって、その食材はどんな状態かを確認するようにしています。そのついでに庫内の掃除と整理もやってしまえば、大掃除をする必要もなく、楽ですよ」

    画像: 食材点検と一緒に、庫内掃除も。平岡さんは、アルカリ電解水や天然洗浄剤「ソイアトム」、メラミンスポンジを使用

    食材点検と一緒に、庫内掃除も。平岡さんは、アルカリ電解水や天然洗浄剤「ソイアトム」、メラミンスポンジを使用

    ひと手間かけてから食材を保存するのも、鮮度をキープして、おいしく食べきる秘訣。

    「私の場合、基本の買い物は子どもの習い事のついでに週1回。帰宅後は、あわてて食材を冷蔵庫に突っ込む、というようなことはせず、それぞれの食材の特徴を考えながら、ひと手間かけて保存します。この “まとめてひと手間” が、のちの時短や効率アップにつながり、自分を助けてくれます」

    冷蔵庫が整っていて、食材が使いやすくスタンバイしていると、料理が楽しくなり、レシピのイメージも膨らみやすいとか。

    あると便利な整理アイテム

    画像: あると便利な整理アイテム

    A 新聞紙
    庫内に敷いて、泥や野菜くずを受けたり、野菜を包んで乾燥を防いだり。気軽に交換できるから便利

    B チャック付き密閉袋
    密閉できて、スリムに収納できる自由自在な整理アイテム。何度か使って消耗してきたら新品に交換

    C 透明なボックス
    透明なボックスは、中が見えて便利。小分けのチーズなど、バラバラになりやすいものをまとめて

    D ガラス瓶
    ひと手間かけた食材の保存に大活躍の透明ガラス瓶。ガラス製なら煮沸消毒ができるので衛生的

    E ホウロウ容器
    容器ごと火にかけられて便利。外側に油性マジックで料理名を書いても中性洗剤で簡単に消せる

    F 密閉容器
    冷凍も電子レンジもOKで、収納時にはスタッキングもできる守備範囲の広さがうれしい

    次回は、具体的な冷蔵庫内の整理ポイントと、食品保存のコツを教えていただく予定です。



    <撮影/有賀 傑 取材・文/宇野津暢子>

    平岡淳子(ひらおか・じゅんこ)
    フードコーディネーター。「平岡淳子 毎日のおかず教室」主宰。雑誌や書籍でのレシピ提案のほか、お米マイスター、野菜ソムリエとしても活躍。近著は『冷蔵庫整理のルール&レシピ』(ナツメ社)。夫と4歳の長女との3人暮らし。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです


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