(『天然生活』2017年1月号掲載)
平岡さん流の段取りルール
一 庫内の中身がひと目でわかるように配置する
二 買い物前には、庫内の食材状況を必ず確認する
三 庫内の食材を定期的にチェックして、おいしく食べきる
扉を開けたとき、“ぱっと全部見える” のが大事
平岡淳子さんにとって、冷蔵庫は “家族の健康を守る薬箱” のようなもの。
大切なのは、バランスのとれたおいしいごはんをつくることと、自分が無理せず、家族の「あれ食べたい」にこたえること。
だから、多少、庫内の食材が多めでも、生活感がたっぷりでも、それでよし、と思っています。
「とにかく、扉を開けたとき、“ぱっと全部見える” のが大事。なので、保存容器は、ガラスか透明か半透明が中心。目につく3~4段目には、早く食べきる食材を置くなど、場所ごとに優先順位をつけて配置しています」
ドアポケットに入れた調味料は、どれが何なのか、ひと目でわかるように、買ってきた容器のまま。
「見た目の印象を意識して、瓶に移し替える手間は、長続きしないのでしませんね。どこに何があるのかがすぐわかり、必要なものがすぐに取れれば、十分です」
おいしいうちに食べきることを、大切にしている平岡さん。
「せっかく、わが家に来てくれた食材たちです。下や奥に埋もれて忘れてしまった、とならないように、管理には気を配っています」
そのための工夫として、よく見える場所に “早く食べきるためのボックス” を置き、買い物前には冷蔵庫内を一度確認してから、買うべきものをしっかりとメモ。
「早く食べたほうがいい食材は、ボックスに、わかりやすくまとめます。使いきることを最優先にして献立を考えたり、買い物前に庫内をチェックしたりして、必要以上に買わないようにしています」
食材をしまうときは、ひと手間かけてから
食材を最後まで、むだなく食べきるには、定期的な在庫チェックも大切。平岡さんは、冷蔵庫なら3~4日、野菜室なら1週間、冷凍室は3~4カ月に一度の頻度でチェックしているそう。
「冷蔵庫の場所ごとに、いま、何があって、その食材はどんな状態かを確認するようにしています。そのついでに庫内の掃除と整理もやってしまえば、大掃除をする必要もなく、楽ですよ」
ひと手間かけてから食材を保存するのも、鮮度をキープして、おいしく食べきる秘訣。
「私の場合、基本の買い物は子どもの習い事のついでに週1回。帰宅後は、あわてて食材を冷蔵庫に突っ込む、というようなことはせず、それぞれの食材の特徴を考えながら、ひと手間かけて保存します。この “まとめてひと手間” が、のちの時短や効率アップにつながり、自分を助けてくれます」
冷蔵庫が整っていて、食材が使いやすくスタンバイしていると、料理が楽しくなり、レシピのイメージも膨らみやすいとか。
あると便利な整理アイテム
A 新聞紙
庫内に敷いて、泥や野菜くずを受けたり、野菜を包んで乾燥を防いだり。気軽に交換できるから便利
B チャック付き密閉袋
密閉できて、スリムに収納できる自由自在な整理アイテム。何度か使って消耗してきたら新品に交換
C 透明なボックス
透明なボックスは、中が見えて便利。小分けのチーズなど、バラバラになりやすいものをまとめて
D ガラス瓶
ひと手間かけた食材の保存に大活躍の透明ガラス瓶。ガラス製なら煮沸消毒ができるので衛生的
E ホウロウ容器
容器ごと火にかけられて便利。外側に油性マジックで料理名を書いても中性洗剤で簡単に消せる
F 密閉容器
冷凍も電子レンジもOKで、収納時にはスタッキングもできる守備範囲の広さがうれしい
次回は、具体的な冷蔵庫内の整理ポイントと、食品保存のコツを教えていただく予定です。
むだを出さない、冷蔵庫のつくり方「上から3〜4段目」|買った食材を、むだなく、おいしく食べきるための整理ポイントへ⇒
むだを出さない、冷蔵庫のつくり方「野菜室」|買った食材を、むだなく、おいしく食べきるための整理ポイントへ⇒
むだを出さない、冷蔵庫のつくり方「冷凍室」|買った食材を、むだなく、おいしく食べきるための整理ポイントへ⇒
<撮影/有賀 傑 取材・文/宇野津暢子>
平岡淳子(ひらおか・じゅんこ)
フードコーディネーター。「平岡淳子 毎日のおかず教室」主宰。雑誌や書籍でのレシピ提案のほか、お米マイスター、野菜ソムリエとしても活躍。近著は『冷蔵庫整理のルール&レシピ』(ナツメ社)。夫と4歳の長女との3人暮らし。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです