昔から、大切に受け継がれてきた、四季折々の家仕事は、理にかなった、先人たちの知恵の結晶です。 今回は、「ふきの甘酢漬け」のつくり方を、生活評論家の境野米子さんに教わります。
『家仕事ごよみ』より
『家仕事ごよみ』より
ふきの甘酢漬け 三月から六月
ふきの甘酢漬けをつくる際は、まず、ゆでてあくを抜いてから、皮をむきます。このとき、特有の苦味や食感をほどよく残すようにしましょう。
「田舎では山菜が風呂桶いっぱいくらい採れるんです。保存するために、昔は塩漬けにすることも多かったのですが、塩をかなり使いますし、もどすのもひと手間です。ここで紹介する甘酢漬けは、手軽にできて、保存食のなかでも最も保存が利くものです。酢そのものにも殺菌効果がありますし、保存容器を煮沸消毒して、少量ずつ分ければ、一年、楽しめます。保存中に泡やカビが出たら、できるだけ早くに中身を沸騰させれば大丈夫。ふきのとう、かたくり、つくしなどを漬けてもおいしいですよ」(境野米子さん)
用意するもの(つくりやすい分量)
● ふき | 400〜500g |
● [甘酢] | |
・酢 | 2カップ |
・砂糖(または、はちみつ) | 100g |
・塩 | 小さじ1 |
つくり方
1 ふきは葉を落とし、まな板の上で塩(分量外)をまぶして板ずりする。塩(分量外)を入れた熱湯でゆで、水にさらして皮をむく。4cm長さに切り、ざるに取る。
2 鍋に甘酢の材料を入れてひと煮立ちさせ、粗熱を取る。
3 瓶にふきを入れて甘酢を注ぎ、ふたをする。脱気をすれば1年、保存可能。その場合は瓶の肩までひたる熱湯に瓶を入れて20分ほど弱火で煮沸し、ふたを閉めて冷ます。
<文/野上郁子(オフィスhana) イラスト/赤井稚佳>
境野米子(さかいの・こめこ)
生活評論家、薬剤師。東京都立衛生研究所で食品添加物や残留農薬などについて研究。現在は福島県の山里で昔ながらの食を取り入れた生活を送る。近著に『子どもを放射能から守るレシピ77』(コモンズ)などがある。
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