(『天然生活』2014年5月号掲載)
お弁当箱に、あいてしまったすき間。いまあるおかずをもう少し多く詰めて、その場をしのいでもいいのですが……。なんだかちょっと、味けない。そこで、あり合わせの食材でもささっとつくれる、すき間おかずの登場です。
「すき間おかずで大切なのは、手間も時間もかからない手軽さ。そして、どんな空間にも対応できる状態にすることです。他のおかずより薄めに切ったり、小さめに切ったりすることで、差し込むように詰めたり、積むように入れることができたりと、臨機応変に活用することができます」
もうひとつ、すき間おかずの大切なポイントは、色と味つけ。他のおかずと色がかぶらないように、緑、赤、白系とさまざまな色のおかずをレパートリーに加えておくと、色合いがさびしいときにも手早くバランスがとれます。さらに、味つけは、なるべく変化をもたせるようにしておけば、「酸味が足りない」「甘味が欲しい」というときにも、とっさに対応できます。
そして、すき間おかずは少量だからこそ、ちょっぴり冒険してもいいのが楽しいところ。
「名前こそ “すき間” だけれど、スパイスやハーブを使って、ちょっぴりパンチを利かせています。実は “ポイントおかず” なんて別名も、つけてみたんですよ」
ミニトマトの甘酢漬け
フルーツ感覚で食べる、甘酢漬け。ぷちっと弾ける丸ごとトマトがおいしい。
材料とつくり方(2人分)
1 ミニトマト8個は洗って水けをふき取り、へたを取っておく。
2 鍋に砂糖大さじ2、酢大さじ2と1/2、塩小さじ1/2、水150mlを入れて中火にかけ、沸騰したら火を止め、保存容器に入れて冷ます。1のトマトを入れ、ふたをしてひと晩おく。
うずらの味つけ卵
オイスターソースを使った、中華風。前の晩に漬けおくだけの簡単おかず。
材料とつくり方(つくりやすい分量)
1 鍋にオイスターソース大さじ1/2弱、しょうゆ大さじ1、塩小さじ1/2、砂糖小さじ1、水150mlを入れて沸騰させる。
2 1の粗熱が取れたら、うずらのゆで卵6個を加え、ひと晩漬けおく。
長いものしょうゆ漬け
火をとおさない簡単メニュー。シャキシャキの歯触りが楽しいアクセント。
材料とつくり方(つくりやすい分量)
1 保存容器に、だし汁200ml、しょうゆ、麵つゆ各大さじ1、塩少々を加える。
2 長いも1/2本は皮をむき、4cm長さの拍子木切りにして、1に漬ける。ふたをしてひと晩おく。
たけのことクレソンのナンプラー炒め
クレソンの苦味とたけのこの香り。春のお弁当に似合う、小さなひと品。
材料とつくり方(2人分)
1 たけのこ水煮30gは水洗いして食べやすい大きさに切り、水けをキッチンペーパーでふき取る。クレソン2茎は2cm長さのざく切りにする。
2 フライパンを熱してサラダ油小さじ1をひき、たけのこと塩少々を加え、1~2分、炒める。クレソン、ナンプラー小さじ1/4を加え、さっと炒め合わせる。
ちくわの香菜、バジルしょうゆ炒め
バジルしょうゆをつくっておけば、あっという間にひと手間かけた味。
材料とつくり方(2人分)
1 ちくわ2本は食べやすい大きさに切る。香菜1茎は幅1cmのざく切りにする。
2 フライパンを熱してサラダ油小さじ1/2をひき、ちくわを炒める。焼き色がついてきたら、香菜、バジルしょうゆ(*)、またはしょうゆ小さじ1/2弱を加え、さっと炒め合わせる。
*バジルしょうゆはバジルの葉をしょうゆに漬けて、ひと晩おいたもの。しょうゆ50mlに対し、バジルの葉を好みで5~10枚漬ける。
なすの塩もみ、パルミジャーノあえ
なすは炒めず、塩もみでくったりと。チーズとオイルをあえるだけで、この味わい。
材料とつくり方(2人分)
1 なす1本は縦半分に切って3mm厚さに切る。塩小さじ1/4強とともにボウルに入れ、もみ込んでから10分ほどおく。さらに水大さじ2を加え、よくもむ。
2 1のなすの水けをよくしぼり、パルミジャーノチーズ大さじ1、塩、黒こしょう各少々を加えて混ぜる。仕上げにオリーブオイル小さじ1を加えてあえる。
はんぺん焼きおかかしょうゆ
困ったときのお助け食材、はんぺん。さっと炒めて、おかかであえるだけで、でき上がり。
材料とつくり方(2人分)
1 はんぺん1/2枚は2cm角に切る。
2 フライパンを熱してサラダ油小さじ1をひく。はんぺんを両面、焼き色がつくまで炒め、しょうゆ小さじ1/2弱を加える。火を止めてから、仕上げに削り節(花削り)大さじ2をまぶす。
ブロッコリーのごまあえ
色鮮やかで、お弁当を華やかにするおかず。緑黄色野菜のブロッコリーは栄養もたっぷりです。
材料とつくり方(2人分)
1 ボウルに白すりごま大さじ1と1/2、塩少々、しょうゆ少々を入れて混ぜておく。
2 小房に分けたブロッコリー(大)1/8個を蒸して(またはゆでて)、ざるにあげ、水けをよくきって1のボウルに入れてあえる。
空芯菜のアンチョビ炒め
アンチョビと塩麴、ふたつの発酵食材で、手軽に深みのある味を。
材料とつくり方(2人分)
1 空芯菜50gは洗って4cm長さに切り、ざるにあげて水けをきっておく。
2 フライパンにオリーブオイル大さじ1/2、アンチョビフィレ1枚を入れて中火にかけ、油が熱くなったら1の空芯菜と塩麴小さじ1/2(または塩少々)を加え、炒め合わせる。
焼きかぼちゃの青とうがらしマヨネーズあえ
かぼちゃの甘さと、青とうがらしの辛さ。絶妙なバランスで仕上げました。
材料とつくり方(2人分)
1 ボウルにみじん切りにした青とうがらし(生)1本、マヨネーズ大さじ1と1/2、しょうゆ少々を入れて、よく混ぜる。
2 フライパンにサラダ油小さじ1/2をひき、5mm厚さに切ったかぼちゃ6枚を並べて中火にかける。両面に焼き色がつき、竹串がすっと刺さる程度になったら火を止めて粗熱を取り、1のボウルに加えあえる。
蒸し野菜の梅あえ
野菜は、冷蔵庫にあるものを自由に。梅干しが、調味料代わりです。
材料とつくり方(2人分)
1 梅干し1/2個は種を抜き、粗くきざんでボウルに入れる。
2 かぶ1個は葉を落とし、洗って皮ごと8等分に切る。葉と一緒に蒸し器に入れて、軽く塩をふって3~4分蒸す。葉は軽く水けをしぼり、1cm長さに切る。
3 1のボウルに2を入れて混ぜ合わせ、仕上げにサラダ油小さじ1/2弱を加えてあえる。
*カリフラワーやブロッコリー、大根、ゴーヤーでもおいしい。
ひじきサラダ
水けが出ないよう、きゅうりとトマトはワタを取って。おいしく仕上げる秘訣です。
材料とつくり方(2人分)
1 ひじき2gは水でもどし、さっと湯がいてざるにあげ、水けをキッチンペーパーでよく取り除いておく。
2 きゅうり1/3本は半分に切ってスプーンなどでワタと種を取り除く。5mm幅に切ってボウルに入れ、塩小さじ1/4をまぶしておく。ミニトマト4個はへたを取り、半分に切って種を取り、さらに半分に切る。
3 2に1のひじきを加え混ぜ、しょうゆ少々、ごま油小さじ1の順に加えてあえる。
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<料理・スタイリング/瀬戸口しおり 撮影/福尾美雪 取材・文/福山雅美>
瀬戸口しおり(せとぐち・しおり)
野菜本来の味わいを生かした、シンプルでありながら個性あふれるレシピで人気を集める。著書に『わたしの作りおきおかず』(アスペクト)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです