• 『天然生活』誌上に、2014年8月号から2016年2月号まで掲載された、人気連載「長谷川弓子 季節の魚料理」。その中から、日本の夏の風物詩「うなぎ」を使った料理を紹介します。今回は、「うなぎめし」に、旬の「しじみ」の味噌汁を添えて
    (『天然生活』2014年9月号掲載)

    うなぎ 旬 6~7月

    画像: うなぎ 旬 6~7月

    日本の夏には、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣があります。

    これは、江戸時代の学者・平賀源内が、夏の売り上げ不振に悩むうなぎ屋を助けるために考えたアイデアだといわれています。

    最近では、うなぎの漁獲量の減少についての話題をよく耳にします。おいしいうなぎを本当に食べられなくなったら困りますね。

    さて、今回の素材は、その「うなぎ」

    ご家庭でうなぎをさばいて、かば焼きをつくるのは少し大変ですから、市販のものを使ってひと手間加え、おいしくいただきましょう。

    かば焼きをオーブントースターで温め直し、切ってごはんに混ぜ込む「うなぎめし」。暑い夏を乗りきるためのおいしいスタミナ料理です。

    今年の夏の土用の丑の日は、7月21日。市販のかば焼きを利用して、お手軽に、うなぎめし、そして同じく旬のしじみの味噌汁を、つくってみてはいかがでしょう。

    うなぎめしのつくり方

    きざみうなぎを、たっぷりと混ぜ込みました。青じその香りがさわやかさをプラス。錦糸玉子はたっぷりのせて。

    画像: うなぎめしのつくり方

    材料(2人分)

    ●米1.5合
    ●うなぎのかば焼き1枚
    〈たれ〉
    ・しょうゆ1/3カップ
    ・みりん1/3カップ
    ・砂糖大さじ3
    〈錦糸玉子〉
    ・卵1個
    ・砂糖小さじ1
    ●青じその葉3~4枚
    ●もみのり(焼きのりを手でもんで細 かくしたもの)適量
    ●サラダ油適量

    つくり方

     米はといでざるにあげ、30分ほどおく。炊飯器に米と、水330mlを入れ、普通に炊く。

     小鍋にたれの調味料を入れ、とろみが出るまで弱火で煮つめる。

     かば焼きはオーブントースターなどでもう一度温め、たれをつけてから1cm幅に切る。

     錦糸玉子をつくる。卵を溶きほぐして砂糖を入れる。サラダ油を薄くひき、溶き卵を入れる。縁が乾いたら裏返してさっと焼き、まな板などに移して、せん切りにする。

     青じその葉は細かくきざみ、さらしのふきんやキッチンペーパーに包んで流水でもみ洗いし、あくを抜いて水けをしぼる。

     炊き上がったごはんに大さじ1と1/2のたれをまわしかけて混ぜ、うなぎとの青じそを混ぜる。器によそい、錦糸玉子ともみのりを散らす。

    しじみの味噌汁のつくり方

    こってりした味のうなぎめしには、旬のしじみを使った、滋味あふれるしじみ汁を添えて。

    材料(2人分)

    ●しじみ(砂出し済み)150g
    ●昆布15cm
    ●水500ml
    ●味噌35g
    ●粉山椒(または七味とうがらし)少々

    つくり方

     しじみを手に取って軽くこすり合わせ、殻についているぬめりや汚れを落とす。

    画像: 水を張ったボウルに入れ、貝同士をこすり合わせるようにやさしく洗う

    水を張ったボウルに入れ、貝同士をこすり合わせるようにやさしく洗う

     鍋にと昆布と水を入れ、弱火で静かにだしをとる。沸いてきたら昆布を取り出し、あくをとる。しじみが開いたら、味噌を溶き入れ、火を止める。好みで粉山椒をかける。



    <料理・スタイリング・文/長谷川弓子 撮影/川村 隆>

    画像: つくり方

    長谷川弓子(はせがわ・ゆみこ)
    東京都出身。料理家、栄養士。明治大学卒業後、社会人経験をしたのち、近茶流宗家・柳原一成氏、柳原尚之氏に師事し、日本料理を学ぶ。現在、聖徳大学短期大学部専任講師として、調理実習等を担当する。とくに好きな魚はあじ。「海に囲まれた国に生まれたからには、ぜひ、魚料理に親しんでいただければ」

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    ※ ※ ※

    天然生活の本『季節の魚料理』(長谷川弓子・著)
    天然生活の本
    『季節の魚料理』(長谷川弓子・著)

    天然生活の本『季節の魚料理』(長谷川弓子・著)

    A5判
    定価:本体 1,700円+税
    ISBN978-4-594-08464-6

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