体のゆがみを取る「胴体力」トレーニング｜伸ばす・縮める運動

天

2020-08-13

天然生活編集部 @ 天然生活web

暮らしの知恵

体のさまざまな不調を引き起こす原因ともいわれる、体のゆがみ。それを手軽に改善できる「胴体力」トレーニングを紹介しましょう。今回は、伸ばす・縮める動作を。
（『天然生活』2017年7月号掲載）

ただ、自分では自覚しにくいので、知らずしらずのうちに、疲れ、肩凝り、腰痛といった不調を引き起こしている場合も……。

私たちはだれでも体の使い方のクセがあり、それが積み重なると、ゆがみをつくります。

今回、自分でできるゆがみ改善法として紹介するのが、「胴体力」トレーニング。

いま主流となっている体幹トレーニング同様、胴体（体幹）の動きに着目して開発されたものです。

基本の動作 1
伸ばす・縮める

片方の脇腹を伸ばし、反対の脇腹を縮める動きです。

伸ばすほうの股関節に体重を乗せて、肋骨と骨盤とを引き離すようにします。

〈こんな症状に〉

肩の異常、寝違え、胃・肝臓機能の低下、など

〈期待される健康効果〉

呼吸が楽になる、内臓の働きの活性化

立って

１　両足を肩幅に開いて立つ。

２　右足一本で立つような気持ちで右足に体重をかけ、右腕を上げる。口から息を吐きながら肋骨と骨盤を引き離すように右脇腹を伸ばし、同時に左脇腹を縮める。

３　息を吐ききったら右腕を下げ、１に戻る。反対側も同様に行う。

オフィスで

１　椅子に座り、両手を頭の後ろで組む。

２　口から息を吐きながら肋骨と骨盤を引き離すように右脇腹を伸ばし、同時に左脇腹を縮める。このとき、体重は右のお尻に。左のお尻は浮いてもOK。

３　息を吐ききったら１に戻る。反対側も同様に行う。

胴体を使えていないことでゆがみも起こる

「本来、体は、手足を動かすとき、胴体が協力して動いています。胴体をよく使えていると、しなやかで強く、スピーディで優雅な動きになります。けれど、現代生活では活動量が少なく、さまざまな動きをする機会が少ないため、 “胴体に手・足が協力して動く” という体本来の動きができていない方が多いんですね。すると、胴体の動きを手足の筋肉でカバーするため、そこへの負担が大きくなり、ゆがみなどを引き起こしてしまうのです」と、飛龍会の大野まさみさん。

本来の体の力を取り戻し、その能力を引き出すために開発されたのが「胴体力」トレーニングです。

ただ、トレーニングといっても、筋肉を鍛えるのが目的ではなく、胴体本来の動きをエクササイズとして行い、身につけていきます。

「胴体には、伸ばす・縮める、丸める・反る、ねじるという3つの動きしかありません。この3つの基本動作をしっかり意識してトレーニングしていけば、体は、どんな動きをするときでも自然と楽な動きをするようになります。たとえば、手を伸ばそうとするだけで、自然と背中は伸びて、手の動きに協力してくれます。こうなれば、生活のなかで健康法を実践しているのと同じです。ゆがみも自然と改善されていき、さらに楽に動けるようになります。実際、体が劇的に変わったという方も多いですね。動きの捉えがしっかりしてくると物事の捉えもはっきりしてきて、仕事や家事がはかどるようになったという場合も多いんです」（大野さん）

◇　◇　◇

Q　体本来の動きとは？

体は、ひとつの動作をするのでも、さまざまな筋肉が協力して動いている。

たとえば、手を動かすときは腕の筋肉だけでなく背中の筋肉を使い、ももを上げるときは、ももだけでなく腹部や腰の筋肉を使う。

手・足を動かすのに必ず胴体が協力して動くというのが、体本来の動き。

私たちは動いている部分（手・足）に目がいきがちだが、胴体の筋肉がいかにうまく協力して動いているかが重要。

Q　胴体とは？

上半身のうち肩から股関節までのことをさす。

具体的にいうと、肩、胸、腹部、背中、骨盤（一般に “腰” という部分）が含まれる。

「胴体力」トレーニングで考える、胴体の基本的な動きは、（１）伸ばす・縮める（２）丸める・反る（３）ねじる、の3つ。

日常生活、スポーツ、ダンス、武道、芸事など、それぞれまったく違う動きをしているように見えるが、胴体の動きとしては、この3つの基本動作のみ。

これに、手・足の動きがバリエーションとして加わっている。