(『天然生活』2015年12月号掲載)
おかずのしりとり
中途半端に残った昨日のおかずを翌日そのまま献立に再登場させるのは、ちょっと気がひけるもの。
肉じゃがが春巻きになったり、筑前煮がチヂミになったり、瀬尾さんのしりとり(リメイク)料理は、味も見た目も一変して、新たなひと品として食卓を彩ります。
しかも、「簡単でおいしい料理」を提唱する瀬尾さんらしく、手間がかからないところもポイントです。
「夕食は家族にとって一番楽しみな食事。だから残りもの感は出したくない。しかも、残ったおかずを使った料理が、イチからつくるものより大変だったら意味がないと思うの。使いまわすことを見越して、おかずを多めにつくるのも本末転倒です。少し残ったもので、手軽に別の料理ができないとね」
カレーなど味が決まっているものはしりとりしづらいけれど、シンプルな味つけのものなら、変化をつけやすいそう。
とくに汁ものへのしりとりは、残ったおかずが少量でもかさ増しができるうえに見た目も変わって、おすすめです。
「どんな料理でも、ていねいにつくること。これさえ守れば必ずおいしいものができます。おいしくつくれば、残りものだって立派なおかずになりますよ」
◇ ◇ ◇
【おかずのしりとり1日目】
野菜炒め >>>
ぶた肉は下味をつけることでやわらかくなり、うま味が際立ちます。
材料(2人分)
● キャベツ | 2枚 |
● にんじん | 3cm |
● もやし | 1袋 |
● にら | 1わ |
● ぶた薄切り肉 | 100g(おおよそ5枚) |
〈ぶた肉の下味〉 | |
・塩、こしょう | 各少々 |
・小麦粉 | 小さじ2 |
● A | |
・塩 | 小さじ2/3 |
・こしょう | 少々 |
・顆粒とりガラスープの素 | 小さじ1/4 |
● ごま油 | 大さじ1と1/2 |
つくり方
1 キャベツは4cm角に切り、にんじんは皮をむき、3mm幅の薄い短冊切りにする。もやしは、気になるようなら、ひげ根を取る。にらは根元のかたいところを切り落として4cm長さに切る。
2 ぶた薄切り肉は3cm幅に切り、塩・こしょうをしてから小麦粉をまぶす。
3 フライパンを中火で熱し、ごま油を入れ、1のキャベツ、にんじん、もやしを入れて、こがさないように3~4分炒める。
4 3をフライパンの片側に寄せ、あいたところで肉を炒める。
5 肉に火がとおったら、1のにらを加えて炒め合わせ、Aを加える。
チャーシューサラダ
自家製ドレッシングが食欲をそそる、おかずになるサラダ。
材料(2人分)
● チャーシュー | 100g |
● レタス | 4枚 |
● 細ねぎ | 6本 |
〈ドレッシング〉 | |
・酢 | 大さじ1 |
・しょうゆ | 大さじ1 |
・砂糖 | 小さじ1 |
・こしょう | 少々 |
・ごま油 | 大さじ1 |
つくり方
1 レタスは食べやすい大きさにちぎる。
2 チャーシューは2.5cm幅の短冊切りにする。
3 細ねぎは3cm長さに切る。
4 ドレッシングの材料を混ぜる。
5 1、2、3を混ぜて器に盛り、食べる直前に4であえる。
ほうれんそうと卵の味噌汁
玉子に火を入れすぎないように、ふんわり軽く仕上げて。
材料(2人分)
● ほうれんそう | 1/2わ |
● 卵 | 1個 |
● 味噌 | 大さじ2と1/2 |
● だし | 3カップ |
つくり方
1 ほうれんそうはざく切りにし、卵は割りほぐす。
2 鍋にだしを沸かし、1のほうれんそうを入れる。
3 ほうれんそうに火がとおったら味噌を溶き入れる。
4 軽く煮立ったら1の溶き卵を流し入れ、玉子がふわっとしたら火を止める。
↓ ↓ ↓
【おかずのしりとり2日目】
野菜炒めの中華スープ <<<
野菜炒めをやわらかく煮立て、とろみをつけることで満足感が。
材料(2人分)
● 野菜炒め <<< | 1~1と1/2カップ |
● 顆粒とりガラスープの素 | 小さじ1 |
● 水 | 3カップ |
● しょうゆ | 少々 |
● こしょう | 少々 |
● 片栗粉 | 大さじ1(水大さじ2で溶く) |
つくり方
1 鍋に、野菜炒め、顆粒とりガラスープの素、水を入れて煮立てる。
2 しょうゆ、こしょうを加え、野菜がやわらかくなったら水溶き片栗粉でとろみをつける。
肉じゃが >>>
強めの火加減がポイント。落としぶたなしでも味がしみ込みます。
材料(2人分)
● 牛薄切り肉 | 120g |
● じゃがいも | 3個 |
● 玉ねぎ | 1個 |
● にんじん | 5cm |
● 砂糖 | 大さじ1強 |
● しょうゆ | 大さじ2と1/2 |
つくり方
1 じゃがいもは皮をむいて大きめのひと口大に切る。玉ねぎは1cm幅のくし形に切り、にんじんは皮をむき、5mm厚さの半月切りにする。牛薄切り肉は、ざく切りにする。
2 鍋に1と砂糖、しょうゆ、ひたひたの水(分量外)を加える。
3 強火にかけ煮立ったらあくを取り、強めの中火で煮汁が鍋底から2cmくらいになるまで煮る。
4 火を止めて鍋を揺すって具の上下を返し、そのまま5分おく。
〈撮影/有賀 傑 取材・文/熊坂麻美 スタイリング/大畑純子〉
瀬尾幸子(せお・ゆきこ)
料理研究家。手早くつくれて食べ飽きない、普段の食卓で活躍する家庭料理を提案。『賢い冷蔵庫』(NHK出版)など著書多数。「料理はつくったらつくった分だけ、おいしいものができるようになりますよ」
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです