• 残った主菜を翌日の献立のひと皿にリメイクする、おかずの「しりとり」。今回は、肉じゃがでつくる春巻きを使った献立を、瀬尾幸子さんに教えてもらいました。
    (『天然生活』2015年12月号掲載)

    【おかずのしりとり3日目】

    画像: おかずのしりとり献立帖|3日目/瀬尾幸子さん

    肉じゃが春巻き <<<

    揚げずにトースターで。甘辛味で、たれいらず、おつまみにも。もやしの食感がアクセント。どこか懐かしい素朴な味わいです。

    材料(2人分)

    ● 春巻きの皮4枚
    ● 肉じゃが <<<1カップくらい
    ● 水溶き小麦粉少々(小麦粉と水を1:1の割合で溶く)
    ● サラダ油少々

    つくり方

     春巻きの皮を広げ、水けをきった肉じゃがの具を適度につぶして1/4量をのせる。

     普通の春巻きと同様に巻き、巻き終わりを水溶き小麦粉で留める。

     同様に全部で4つ、つくる。

     の表面にはけなどでサラダ油をぬり、オーブントースターの低温で、こげ目がつくまで焼く。

    中華オムレツ >>>

    材料(2人分)

    ● 卵4個
    ● ぶたひき肉50g
    ● もやし1袋
    ● 細ねぎ6本
    ● 顆粒とりガラスープの素小さじ1/4
    ● 塩小さじ1/3
    ● こしょう少々
    ● サラダ油大さじ1

    つくり方

     もやしは、気になるようなら、ひげ根を取る。

     卵は割りほぐし、顆粒とりガラスープの素、塩、こしょうを加えて混ぜる。

     フライパンを中火で熱し、サラダ油を入れてぶたひき肉を炒める。

     ひき肉に火がとおったらを入れてしんなりするまで炒める。

     2cm長さに切った細ねぎを加えての卵液を流し入れる。

     菜箸などで大きくゆっくりかき混ぜて半熟になったら、裏返して両面焼く。

     8等分に切り分ける。

    くずし豆腐汁

    天かすでコクをプラス。豆腐は大きめにちぎると、おかず感あり。

    材料(2人分)

    ● 木綿豆腐1丁
    ● 細ねぎ6本
    ● 味噌大さじ3
    ● だし3カップ
    ● 天かす、七味とうがらし適宜

    つくり方

     木綿豆腐は好みの大きさに手でちぎる。

     鍋にだしを沸かし、の木綿豆腐を入れて、ひと煮立ちさせる。

     味噌を溶き入れ、3cm長さに切った細ねぎを加える。

     好みで、天かす、七味とうがらしを加える。

    ◇ ◇ ◇

    中途半端に残った昨日のおかずを翌日そのまま献立に再登場させるのは、ちょっと気がひけるもの。

    肉じゃがが春巻きになったり、筑前煮がチヂミになったり、瀬尾さんのしりとり(リメイク)料理は、味も見た目も一変して、新たなひと品として食卓を彩ります。

    しかも、「簡単でおいしい料理」を提唱する瀬尾さんらしく、手間がかからないところもポイントです。

    「夕食は家族にとって一番楽しみな食事。だから残りもの感は出したくない。しかも、残ったおかずを使った料理が、イチからつくるものより大変だったら意味がないと思うの。使いまわすことを見越して、おかずを多めにつくるのも本末転倒です。少し残ったもので、手軽に別の料理ができないとね」

    カレーなど味が決まっているものはしりとりしづらいけれど、シンプルな味つけのものなら、変化をつけやすいそう。

    とくに汁ものへのしりとりは、残ったおかずが少量でもかさ増しができるうえに見た目も変わって、おすすめです。

    「どんな料理でも、ていねいにつくること。これさえ守れば必ずおいしいものができます。おいしくつくれば、残りものだって立派なおかずになりますよ」






    〈撮影/有賀 傑 取材・文/熊坂麻美 スタイリング/大畑純子〉

    瀬尾幸子(せお・ゆきこ)
    料理研究家。手早くつくれて食べ飽きない、普段の食卓で活躍する家庭料理を提案。『賢い冷蔵庫』(NHK出版)など著書多数。「料理はつくったらつくった分だけ、おいしいものができるようになりますよ」

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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