(『天然生活』2017年3月号掲載)
スムーズな台所仕事を実現する収納のアイデア
仕事柄、ファッションや雑貨の店舗ディスプレイにも携わってきた福田さん。いかに空間を有効に使って物を配置するかを考える機会は、多いそうです。
とはいえ、以前に住んでいた家では、いまとまったく違う、すべてをしまい込む収納でした。
その後、3年半、日本と行き来しながらパリで生活。現地の人のインテリアが新鮮に感じられたといいます。
「パリは何でも目に見える場所に出しておくという家が多いんですよね。たとえば、本も積み重ねて置いておくだけ。それがかっこいいなあと思って」
5年前に引っ越してきたいまの家に収納スペースが少なかったこともあり、見せる収納を実践することにしました。
もともと持っていたワゴンに物をひっかけることからスタート。
やがてワゴンも3台に増え、吊り棚やバーも設置し、吊り下げ収納が少しずつ増加。さらには、仕事机を兼ねているダイニングテーブルの幕板にも、自分でネジフックを取り付けました。
「実家から持ってきたテーブルなので、気軽にできました。ティッシュ箱や、袋にまとめて入れたリモコンなどを吊るしています」
◇ ◇ ◇
ワゴンや瓶を上手に活用
「しまう」以外に何通りもの使い方をしたり、見た目を美しくしたり。福田さんの収納道具には、まねしたくなるアイデアが詰まっています。
多機能に使えるワゴンは、料理の頼もしい相棒
細かなカトラリー類はグラスや空き瓶に小分け
始末上手は収納上手
ルーティンワークの片づけで、収納過程もスムーズに。「こまめにきれいにしているから、わが家の台所は大掃除いらずです」
コンロは料理をするたびにクリーナーでふき掃除
清潔さを考えて自分でつくった水切りかご
一日の終わりの習慣は、クロスやふきんの煮沸消毒
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思い立ったら、即実行。実験室のような台所
毎日、料理しながら「もっと便利にできないか」と考えているという福田さん。いいアイデアを思いつくと、すぐ行動に移します。
「ずっと、『ざるを乾かしながら収納できないかな』と思っていたころ、夜中に突然、思いついて、天井にざるを収納するためのかごを取り付けたこともあります」
もっかの課題は、鍋敷きの置き場所。「コンロのそばに置きたいけれど、ちょうどいい場所がなくて。いまだに模索中なんです」
たゆまぬ創意工夫と探求心により、日々、進化する台所。半年後、1年後に訪れたときは、どんな姿を見せてくれるのでしょうか。
福田さんのキッチン間取り図
〈撮影/有賀 傑 取材・文/嶌 陽子 イラスト/木波本陽子〉
福田春美(ふくだ・はるみ)
ブランディングディレクター。ファッションディレクターとして活躍した後、渡仏。帰国後、ライフスタイルにまつわるさまざまな商品のブランディングを行う。
インスタグラム:@haruhamiru
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです