(『天然生活』2018年4月号掲載)
黒のメイク
目元を引き締め、くずれてきた顔の立体感を立て直すのが「黒」の役割。とくに眉は重要。
アイブロウ
眉頭・眉山・眉尻の部分を、「上がって下がる」の形に沿って描けば自然なストレート眉に。
昔ながらの歯ブラシ型のアイブロウブラシを使用。ブラシの先端を眉頭より外側の黒目の延長線上に置き、眉山に向かってやや上向きにラインを引く。
次は眉山から眉尻へ描く。眉尻は下げすぎないように眉尻に向かって、2㎝ほどブラシを移動させ、描いていく。
最初の工程でスタートした部分から、鼻筋に向かってブラシの角を使い、軽くぼかす。左右対称を心がけて。
アイライン
まつげの際を縁取ることにより目をくっきり見せることで、弱まった目力を復活させます。
アイライナーは、まぶたを持ち上げて際をしっかり埋めること。まずは目尻の外側からスタートし、内側へ。本来の目尻の2~3mm上からラインを描く。
アイラインは一気に描こうとすると、がたついたりして失敗しがち。目の際ギリギリを、ちょこちょこと線をつないでいくイメージで描いてみて。
最後は描いたラインの上を綿棒でなぞり、がたつきをなじませていく。このひと手間でラインが自然となじみ、強すぎる目元の印象も軽減される。
マスカラ
まつげは唯一、三次元立体のパーツ。マスカラを塗布することで表情にニュアンスが出ます。
まずはビューラーを使って、しっかりと根元を上げるのがポイント。マスカラは、上まつげの根元にブラシを当て、グイッと持ち上げるようにつける。
まばらな下まつげはブラシの先端を当てて、細く短い毛をキャッチ。下まつげの存在感がしっかりあると、頬の間延びが目立たなくなる。
マスカラを全体に塗ったら、目尻のまつげを引き上げるようにして重ね塗りを。まぶたを持ち上げれば、マスカラ液が肌につきにくく、きれいに塗れる。
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大人こそ、確実に若返る“お得な世代”
「大人は、ドライフルーツ。鮮度とみずみずしさがある20代のときのフルーツのような肌も、年齢を重ねるごとに乾いてしぼんでいきます」という山本さん。
20代後半から始まる老化が顕著に肌に表れるのが40代から。
「まずは、いらない影が出てきて、線が弱まっていき、結果、大人は“清潔感”を失ってしまいます。白いタオルを想像してください。ちゃんと手入れをしていても、使い込むうちに、くたびれて黄ばんでいきます。それと同じように、ふだんから肌をお手入れしていても、どこか清潔感が欠けていってしまうのです」
その清潔感を補うのは、メイクの基本色である「白、黒、赤」。
「白、黒、赤をちゃんと補えば、清潔感の7割はカバーできます。悩みが多い大人こそ、メイクの力を借りると、確実に若返る“お得な世代”。ただし、“なんとなく”ではなく、“しっかり”と。大人の知識とひと手間を加えた“足し算の薄化粧”を目指して。また、コスメも時代に合わせて進化しています。ずっと同じものを使うのもいいですが、新しいものにもチャレンジしてみてください。また、眉のサロンなどで眉を整えるだけでも、メイクが格段に楽になります。苦手なところはコスメやプロの力も借りて、きれいの底上げを」
〈監修/山本浩未 取材・文/橋本優香 イラスト/服部あさ美〉
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
山本浩未(やまもと・ひろみ)
今すぐ実践できるメイクテクニック」を発信するメイクアップの第一人者。メイクのみならず、気持ちが元気にポジティブになる美容理論が好評。洗顔料を使わず“温める・拭く・流すのシンプルステップデケア”「スチームON顔」などオリジナルメソッドの開発を精力的に行う。
インスタグラム:@hiromicoy