春の味覚、ほたるいか
おなかに発光体を持つので、「ほたるいか」とよばれますが、晩春から初夏の、旬の時季にしかいただけない小さないかです。
いかの子供とよく間違われるのですが、体長5〜6cmのホタルイカモドキ科のおとなのいかです。普段は深海に生息していて、特に富山湾に集中しています。
鮮度が速く損なわれるので、スーパーマーケットなどでは、なかなか生の物を見かける事ができません。
栄養価は、レチノールすなわちビタミンAを多く含むので、免疫作用が高く、また、ビタミンEも含んでいますので、抗酸化作用が高い食材です。
小さないかですが、独特の風味があるので、和風、洋風、エスニックと料理の幅も広がります。
ほたるいかの目とくちばしの取り方(下処理)
ゆでほたるいかは、目玉と目の周りの黒い部分を指先でつまみ取り出します。
足の間の嘴(くちばし)ものぞきます。
好みで剣先の先から軟骨も引き抜きます。小さめのほたるいかには必要ありません。
ほたるいかの辛子味噌あえのつくり方
甘みのある白味噌に、ピリッとした地辛子がアクセント。
九条ねぎとあえて、上品な味わいに。
材料(つくりやすい分量)
● ゆでほたるいか(下処理したもの) | 12個 |
● 九条ねぎ | 2茎 |
● 塩 | 少々 |
● A | |
・地辛子 | 小さじ1 |
・水 | 大さじ1 |
・白味噌 | 大さじ1と1/2 |
・米酢 | 大さじ1 |
つくり方
1 小鍋に湯を沸かし、塩を加え、九条ねぎをさっとゆでる。冷水に取り、水けを抑え、5cm長さに切る。
2 ねぎの白い部分は縦半分に包丁を入れる。
3 すり鉢にAを順に合わせ、すり合わせる。このとき、地辛子は水と合わせて、1~2分すり合わせ、辛みを立てるとよい。
4 3のすり鉢に、ほたるいか、九条ねぎを加え、両手であえる。
〈料理/松田美智子 撮影/山田 耕司〉
松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『丁寧なのに簡単な季節のごはん』(小学館) amazonで見る など。
いまの暮らしでも無理なく楽しめる「季節の仕事」には、難しい技術や手間は不要です。季節の喜びやおいしさをいただく、旬の食材を使った保存食をベースとした、100以上のレシピをご紹介します。