家族が食べるものはできるだけ自給自足していきたい
移住先の愛媛では、小さな庭に小さな畑をつくるところから始めました。
庭では野菜やハーブを育てたり、DIYで小屋を建てたり、木や竹でスプーンをつくってみたり。いまでは暮らしのほとんどが、この庭から生まれています。
地元の林業研究会に所属してからは山暮らしの超達人・山主さんたちとのご縁に恵まれて、山の楽しみも知りました。
野草や山菜採りにご一緒させてもらい、いろいろな初めてのことを体験。ありがたいことに、わが家の自給自足もどんどん広がっています。
5月に楽しむ、わが家の手づくり歳時記
<山>の恵みでつくる保存食
5月は、山や畑の食材が豊富な時期でもあります。
きくらげやイタドリなどを使って、1年分の保存食をつくっています。
移住前から保存食づくりは大好きでしたが、材料はすべて購入したものでした。それが、いまはで食材からも育てることにも挑戦できるという贅沢な日々。
たくさんの失敗を繰り返しながら少しずつ感覚をつかんでいるところです。
特に山菜は初心者で、悪戦苦闘。せっかくのイタドリはゆで時間が長すぎてどろどろになってしまったり、たけのこはえぐみがとりきれなかったり、コツをつかむにはまだまだ時間がかかりそうです。
それでも、ぜんまいのアクのきれいなピンク色に驚いたりして、理科の実験のような面白さに飽きることはありません。
畑の植え付け
庭のあちこちで「こぼれ種」から野良生えしてくれている夏野菜たちの芽を見つけてはワクワクしています。
それらをひとつひとつ集めたり、自家採取した種から育てたり、購入した苗などを準備して、ゴールデンウイークあたりに畑に植え付けます。
庭のガーデンピックづくりは息子の担当です。
去年は雨風にさらされて、竹のつるつるの表面に書いた字が消えていってしまうことが分かったので、次は竹の表面を削るなど、もうひと工夫必要そうです。
小玉スイカは、毎年必ず植えています。小さな畑なので支柱をつかって縦に栽培しています。
夏の畑のアイドル的存在で、収穫できると、みずみずしいスイカを頬張りながら家族みんなで種とばし大会を楽しみます。飛んだ場所からまた芽が出てくることもあって、かわいい種たちにもキュンキュンします。
たけのこのアニキ
「ピンポーン」と友人が掘りたてのたけのこを届けてくれました。目にした瞬間、大爆笑してしまった背高のっぽのたけのこ。
竹の「子」ではなくて竹の「アニキ」と呼んでいます。これがシナチクになると知ったのも驚きで(固い部分は省きます)、こののっぽの方が好きなツウな方もおられるのだとか。
これを「ゆすり竹」ともいい、成長した竹をゆすってポキッと折れる上の部分を食べるらしいのです。なるほど、ここからシャキシャキの歯ごたえがあるおいしいシナチクは生まれるのですね。
まだまだ知らないことだらけの愛媛暮らしは発見と勉強の連続。毎日新鮮で楽しいです。
たけのこたっぷりのグリーンカレー
たけのこの時期に、わが家で必ずつくるのがグリーンカレーです。この食材の組み合わせは相性がとてもいいので気に入っています。
この日は、畑で収穫したアスパラガスとパクチーを花ごとたっぷり添えていただきました。
5月は、自転車で5分ほどの場所にある近所のきゅうり農家さんの手伝いも始まります(「農家さんのお手伝い」も憧れていたことのひとつ)。
帰りには必ずきゅうりのお土産を持たせてくれます。きゅうり、新玉ねぎ、らっきょうのピクルスもよくつくって食べています。
池田じゅんみ(いけだ・じゅんみ)
山愛好家。愛媛で家族と共に小さな自給自足の日々を送り、その様子をインスタグラムから楽しく発信。
Instagram:@junmiikeda