• 古くから、肌のかぶれやかゆみの治療に使われてきた野草「よもぎ」。よもぎを漬け込んだオイルとみつろうでつくるバーム(軟膏)は、肌の保湿や、虫刺されや切り傷のケアに最適。よもぎバームのつくり方を、奈川県で人気のアロマ教室を運営している末吉真由美さんに教えていただきました。

    バームとは

    バームとは、油とみつろうからつくられるクリームのことで、日本語では「軟膏」といいます。水分を含まず、油性材料だけで構成されています。常温では固形状で、肌にのせると、皮膚温で柔らかくなっていくので、手のひらや指先で伸ばして使います。

    バームは保湿力が高く、お肌を保護し、柔軟にしてくれて、リップクリームやアイクリームがわりにもなります。

    今回は、5月ごろから夏までに収穫したよもぎで、虫刺されや切り傷の保護にも使えるよもぎバームのつくり方をご紹介しますね。

    よもぎのこと

    画像: よもぎのこと

    よもぎといえば、よもぎを煎じた蒸気を下半身に浴びる「よもぎ蒸し」を思い浮かべる方が多いかもしれません。古くから民間療法として咳止め、痰、止血、かぶれ、かゆみなどに使用されてきた歴史のある植物で、生薬名を「艾葉(ガイヨウ)」といいます。

    お灸に使われる「もぐさ」は、よもぎの葉を乾燥させて臼に入れて粉末状に砕き、ふるいにかけて毛だけを集めたものです。とっても身近な植物ですよね。

    バームを作るときは、よもぎの成分を椿油に浸出させて使います。(※ キク科アレルギーの方は注意してください)

    椿油のこと

    画像: 椿油のこと

    椿油は、平安時代から主に髪や頭皮ケアに使われてきた伝統的なオイルで、日本の藪椿(ヤブツバキ)の種子から採取されます。

    椿油の主成分はオレイン酸。これはオリーブ油に含まれることで知られていますが、椿油にはオレイン酸がオリーブ油以上に多く含まれていることがわかっています。オレイン酸は、皮脂の成分に近いため、美容オイルとしても注目されています。

    椿油は、老舗の製油所で昔からの伝統製法を守りながら丁寧に採油しているところが多く、高価ではありますが、安心安全を手作りにいかせると思っています。

    ミツロウのこと

    画像: ミツロウのこと

    ミツロウは、ミツバチが巣を作るときに分泌する動物性のロウで、抗菌作用、保湿作用があるといわれています。熱を加えると柔らかくなり、冷めると徐々に固まる性質で、クリーム作りなどに用いられます。

    精製タイプ(写真右)と未精製タイプ(写真左)がありますが、今回は、精製タイプ(色やミツロウ特有の香りを取り除いたもの)を使用しています。精油の香りや原材料のオイルの色を活かしたい場合は、今回のように精製タイプを選ばれるとよいと思います。

    よもぎバームのつくり方

    画像: よもぎバームのつくり方

    材料(出来上がり約20g分)

    ◎ よもぎ(乾燥)10g
    ◎ 無水エタノールスプレー容器に入れて10プッシュ
    ◎ 椿油60mL(大さじ4)
    ◎ 精製ミツロウ2滴 (ローズマリーまたはラベンダー)
    ◎ 精油4滴
    ◎ 爪楊枝または竹串最後の仕上げで混ぜる時に使用
    ◎ 割り箸よもぎに無水エタノールミストをかける時に使用
    ◎ 耐熱容器(ビーカー)
    ◎ クリーム容器今回はメンタム缶を使用。小さなジャム瓶でもよい

    つくり方

     よもぎを刈り取って、風通しの良いところに2〜3日陰干しする。

    画像1: つくり方

     の葉だけをちぎり、10gはかりとる。

    画像2: つくり方

     よもぎを包丁でみじん切りにするか、ミルサーで細かくしてから、容器に入れ、無水エタノールスプレーを10プッシュする。この時、割り箸でよもぎをかき混ぜながら、全体にしっとりさせるようなイメージで。よもぎが気持ちよく無水エタノールミストを浴びるような感じです。

    画像3: つくり方

     そのまま5分放置した後、よもぎの入った容器に椿油を大さじ4杯注ぎ、よく混ぜてください。(よもぎが椿油をどんどん吸っていきます)

    画像4: つくり方

     ラップなどで蓋をして、3日ほどそのまま漬けておきます。この間、キッチンの目のつく場所においておき、「気がついたら割り箸で混ぜる」を繰り返してください。

    画像5: つくり方

     約3日後、よもぎを漉して、耐熱容器(ビーカー)に10mLとります。

    画像6: つくり方

     ミツロウ2gをに入れ、湯煎にかけます。

    画像7: つくり方
    画像8: つくり方

     ミツロウが溶け始めたら、爪楊枝や竹串を使って、全部溶けきるまで混ぜます。

    画像9: つくり方

     ミツロウが全部溶けたら、サッと容器に流し込みます。ビーカーが熱くなっているので、持ち手には十分気をつけてください。

    画像10: つくり方

    10 仕上げにラベンダー精油またはローズマリー精油2滴を加えて、爪楊枝でよく混ぜます。

    画像11: つくり方

    11 冷めてくると段々と固まってくるので、蓋をして出来上がりです。

    画像12: つくり方

    次回は、この季節ならではのカモミールミルクの石けんのつくり方をご紹介しますね。
    どうぞお楽しみに。



    画像13: つくり方

    末吉 真由美(すえよし まゆみ)
    暮らしの植物アロマケミスト/恋する石けん®︎研究家
    (公社)日本アロマ環境協会資格認定校フェールマヴィ校長
    日本メディカルハーブ協会認定ハーバルセラピスト

    家族と暮らしのハウスキーピング品やコスメ、恋する石けんワークを通して地域で生き生きと活躍する女性を増やすことが使命。

    ●ウェブサイト:フェールマヴィ
    https://fairemavie.com
    ●Instagram:@fairemavie.mami
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    ●公式 LINE
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