「カモミール」の育て方
【分類】キク科シカギク属 【原産地】アジア・ヨーロッパ
カモミールはそこにいてくれるだけで嬉しい、癒しの存在です。デイジーにも似た小さな花を眺めていると、可愛いなあと自然に言葉が出てしまいます。
甘ったるいリンゴの香りもたまらない。食べてしまいたいくらいの美味しい香りです。
背丈の高いジャーマンカモミールは、背を伸ばして咲く姿が美しく、花を楽しみたい方におすすめです。一年草で夏前には枯れますが、こぼれ種でまた芽を出します。
背丈の低いローマンカモミールは、全草からリンゴの香りがします。
少々踏んでも傷まないので、グラウンドカバーにおすすめ。多年草で、夏の暑さには弱いため、梅雨時に思い切って刈り込みます。また生えてきますから、こんなに切って大丈夫かな? というほど潔く。
いずれもお茶にするのが一番。花を摘んで生のままでも、乾かしておけばいつでも好きな時に楽しむことができます。
消炎作用があるので、オリーブオイルなどに漬けておけば、肌荒れした時などにも使えます。
生い茂ってくると、自分の葉のせいで風通しが悪くなります。するとたいていアブラムシがやって来ます。花を摘もうと手を伸ばしたら、茎にアブラムシがいっぱいなんてことも。
牛乳スプレーでアブラムシを退治する方法がありますが、実際にやってみると、牛乳が乾く臭いや見た目がおすすめできるものではありません。
それより、天敵のテントウムシに食べてもらいましょう。テントウムシを呼ぶには、多種多様な植物を植えておくこと。いろんな虫や鳥がやって来て、自然の循環が生まれます。しばらくすれば、アブラムシはみんな食べられていなくなります。
食べ方
花を摘み、お茶にするのがおすすめ。たくさんとれたら、ドライにして保存。
カモミールのスコーン
1 ドライのカモミールを手でつぶし、茎やガクがあれば取り除く。
2 ボウルに1と小麦粉200g、砂糖大さじ2、ベーキングパウダー小さじ2を入れ、よく混ぜ合わせる。
3 油大さじ5、豆乳(または牛乳)大さじ3を加え、さっくりと混ぜ、生地を数回畳む。厚さ1.5cmほどに伸ばし、コップなどでくり抜く。
4 190度にあたためたオーブンで15分ほど焼く。
本記事は『食べられる庭図鑑』(良原リエ著 アノニマ・スタジオ刊)からの抜粋が元になっています
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良原リエ
音楽家。アコーディオニスト、トイピアニスト、トイ楽器奏家として、映画、TV、WEBムービーなどの演奏、制作に関わる。インテリア、手作り、リメイク、子育てなど、ライフスタイルすべてが活動・表現の場になっている。自身の暮らしや手作りのものを紹介しているインスタグラムも人気。著書に『たのしい手づくり子そだて』『まいにちの子そだてべんとう』(アノニマ・スタジオ)、『トイ楽器の本』(DU BOOKS)、『音楽家の台所』(コノハナブックス)など。
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