• 5月から6月にかけて生育するドクダミ。独特な香りがすることで知られていますが、様々な薬効があることから「十薬」と呼ばれ、古くから薬として使われてきました。香りが苦手な方は加熱したり、乾燥させると無理なく使うことができます。ハーブ農家の小川さんにドクダミのおすすめの使い方を教えていただきました。

    「ハーブ」というと、かわいらしいとか、きれいな植物のイメージが強いと思うのですが、道端や公園に生えている草の中にも実はハーブが隠れていたりします。

    スギナ、タンポポ、オオバコ、ヨモギ、これらは日本でも昔からセルフケアに活用されてきたハーブです。

    その中でも特に有名なのがドクダミ。独特の香りが苦手な方もいらっしゃるかと思いますが、古くから日本でも薬として使われてきました。今回は「ドクダミを暮らしに役立てる方法」というお話です。

    「十薬」と呼ばれ、暮らしの中で役立てられてきたドクダミ

    画像: 「十薬」と呼ばれ、暮らしの中で役立てられてきたドクダミ

    ドクダミを開花時に乾燥させた葉は、漢方では「十薬」と呼ばれ、炎症の緩和や解毒、利尿や緩下剤として利用されてきました。

    日本では江戸時代の「大和本草」という本で紹介されており、古くから生活や病気に役立てられてきたことがうかがえます。

    ドクダミの香りが苦手な方は、加熱して使うのがオススメ

    画像: ドクダミの天ぷら

    ドクダミの天ぷら

    ドクダミを使いやすくする為に、ドクダミの独特の香りを抑える方法のご紹介です。ハーブは熱を加える事によって香りが出るので、揚げたり、炒めたりなど、高温で加熱して、香りを減らすことができます。

    また、乾燥する方法も、ドクダミの香りを飛ばす技の一つ。水分が飛ぶ事によって青臭さがなくなるので、乾燥したドクダミのハーブティーはさほど香りがありません。

    画像: 乾燥させたドクダミ

    乾燥させたドクダミ

    さらに飲みやすくしたい場合は他のハーブとブレンドしてあげましょう。青臭いハーブは似たような香りのハーブとブレンドすると調和がとれて臭みが消えます。

    たとえば、薬草系の香りが強いハーブ(ローズマリー、エキナセア、ネトル、コモンセージ、タイムなど)とブレンドすると飲みやすいセルフケアティーになります。

    個人的な経験だと、ドクダミ+ネトル+ルイボス(+セージ)の相性は抜群でした。

    ドクダミの成分をしっかり取り入れる方法

    画像: ドクダミの成分をしっかり取り入れる方法

    においが強くてもよいからしっかりとドクダミを堪能したいという方には、ウォッカにつけてチンキを作るとか、すりこぎで粗塩と一緒にすり潰してペーストを作る方法がおすすめです。

    ドクダミのチンキはお茶や水で薄めて飲用や塗布用に。ドクダミのペーストは塗布剤に利用できます。化膿性の吹き出物や蓄膿、便秘の解消などにオススメです。

    ドクダミチンキのつくり方

    画像: ドクダミチンキのつくり方

    生のドクダミを瓶の半分、もしくはドライのドクダミを瓶の1/3入れ、ウォッカを瓶の9分目まで注ぎ、2〜3週間寝かす。

    ドクダミペーストのつくり方

    画像1: ドクダミペーストのつくり方

    生のドクダミ50gと天然塩大さじ1をすりこぎですりつぶす。

    画像2: ドクダミペーストのつくり方

    ハーブは少しずつ、余裕を持って試してみる

    ハーブでの健康管理は治療というよりは、未病や自己回復力の向上です。

    即効性がないからといってたくさん使うと、逆に体調を崩す場合もあるので、少しずつ余裕を持って試してみてください。

    少しずつ余裕を持って取り入れることは、自然と触れ合うちょっとしたコツかもしれませんね。

    それではハーブで素敵な一日を。


    画像: ハーブは少しずつ、余裕を持って試してみる

    小川 穣
    AGRU代表・NPO日本コミュニティーガーデニング協会会長。
    ハーブ・果実の生産及び収穫や加工品の販売を行いながら、暮らしに役立つグリーン・食関連の地域プロジェクトや農やハーブに関する講座の講師として活動している。

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