(『ありのまま生きる 雑草が教えてくれた、いのちがよろこぶ生き方』より)
草と出会う
草を摘んでいると
ふだんつかわない感覚が
揺り動かされ
目覚めていく
あたり一面の草を見おろしながら
‟目のあう草”を探す
わたしたちはかたちのない
不思議なアンテナをもっていて
いまの自分に必要な出会いを
キャッチしている
食べるための草の摘み方と扱い方について
食べるのか、愛でるのか、体を癒すのか草の摘み方は、目的にあわせて変わります。食べる草を摘むときに大切にしたいことをお伝えします。
食べられる草を探す
草には、食べられるものと、毒があって食べられないものがあります。花が咲いていないときは、見極めがむずかしいので、詳しいひとから聞いたり図鑑などで確認したりして、食べられるとわかった草だけを摘みましょう。
摘む場所を選ぶ
摘む場所は、除草剤がまかれていないところを選びます。除草剤をまいても、しばらくすると草は再び生えます。いつも青々と草が茂っているところや、除草剤をまいていないことがわかるところだと安全です。
摘むときに大切にすること
食べるところを必要なぶんだけいただきます。枯れた葉など、料理に使わないところは、摘んだその場で土に還しましょう。使わなかった草も、できるだけゴミ箱には捨てず、土に還して命の循環を大切にします。
摘んだあとのこと
摘んだ葉は、日や風にあたってくったりしないように、ザルや袋にいれて、保護します。洗うときは、水のはいったボウルにいれて、揺すりながら土や汚れを落とし、きれいになるまで水を2〜3回ほどかえて洗います。
美味しい食べ方
草はアクが強いものが多いので、鍋にいれた水を沸騰させて、塩大さじ1をいれて、アク抜きをしてから料理します。新芽はアクが少ないので、そのまま食べられるものもあります。アクの強さは、季節や草の種類によって変わるので、体が美味しいと感じる感覚を大切にしながら料理しましょう。
<写真/大城亘、萬田康文>
当記事は『ありのまま生きる 雑草が教えてくれた、いのちがよろこぶ生き方 』(Lingkaran books)からの抜粋です
かわしまようこ
1974年生まれ。2000年に「花だな」と思い、雑草にまつわる活動を開始。廃品に飾ったものやアスファルトの隙間から咲く雑草の写真をギャラリーで展示したり、雑誌などのメディアで草の魅力を紹介。2009年、東京より沖縄に住まいを移し、草を摘むことが健康的な生き方につながることを発見。自然のなかでこころと体と対話する宿泊型雑草教室を全国で開催している。2021年より雑草の力を生かしたプロダクト「REAL PLANTS」の販売をスタート。著書にかわしまよう子名義で、『草かざり』(ポプラ社)、『花よ花よ』(雷鳥社)、『ブータンが教えてくれたこと』(アノニマ・スタジオ)、かわしまようこ名義で、『草と暮らすーこころと体を調える雑草レシピ』(誠文堂新光社)など。この春、最新刊『ありのまま生きる 雑草が教えてくれた、いのちがよろこぶ生き方』(Lingkaran books)を刊行。
「ありのまま生きる」とは、「そのままでいい」と自分のことを受け入れること。 もともと自然の一部として存在している私たちヒトは、自然に触れ、調和することで、自然から心地よく生きるヒントや、“自分らしさ”を見つけるきっかけを得ることができると考えます。 いつも歩いている足元に生える26種の草の紹介や、草花の生きる姿勢に敬意を払いながら、草花を楽しむコツが書かれたエッセイ、摘んで応用できる料理レシピを1冊の本にまとめました。 コロナ禍における急激な環境変化にとまどったり、人との関係づくりの難しさに悩んだりなど、心やカラダのバランスを崩しがちな中、自分を大切にしながら、自分らしく生きたいひと、安心感とともに暮らしたいひとにおすすめいたします。