• 手を動かして季節を楽しむためのアイデアを、愛媛で小さな自給自足の日々を送る池田じゅんみさんの暮らしを通して紹介します。あっという間に過ぎ去る季節。いましかできない楽しいあれこれ、やり残していませんか? 今回は、家族が喜ぶ、真夏の手づくりおやつのお話です。

    ジャングル化していく畑は、おやつの宝庫

    こんにちは。愛媛で小さな自給自足の暮らしを楽しむ、池田じゅんみです。

    いよいよ、夏本番の7月です。ギラギラ照りつける太陽の日差しを絶え間なく浴びて、ジャングル化していくわが家の小さな畑は、まさにおやつの宝庫。

    庭では、この真夏に食べたいおやつをあれこれ妄想しながら春に仕込んでいた(植えた)、数々の苗たちがどんどん成長し、毎朝目にするたびにワクワクします。

    たわわに実っていく姿に笑みをこぼしつつ、まずは、「食いしん坊の私、でかした!」と自分をほめてやり、続いて、元気いっぱいの食材でおやつづくりへ。

    もちろん、ミニトマト、きゅうり、小玉スイカ、プリンスメロン、ブラックベリーなどは、畑でそのままつまんだりと、旬の素材の味を堪能しますが、実りはしばらく続くので、たっぷりと収穫できた食材のアレンジのバリエーションをいくつかもっていると、より夏をおいしく楽しく、味わえるのです。

    画像: スイカやメロンなど、庭で採れた野菜たち

    スイカやメロンなど、庭で採れた野菜たち

    7月に楽しむ、わが家の手づくり歳時記

    しっかり冷して味わう、ミニトマトのコンポート

    そのままで十分おいしいミニトマトも、たくさん採れてくると味に変化が欲しくなります。そんなときはコンポートにして、冷たいデザートとして味わうのが夏の定番です。

    種類が豊富すぎて、栽培に迷うトマト。いろいろ植えてみましたが、肉厚で食べごたえのある「アイコ」というミニの品種がお気に入りです。

    大玉や中玉よりも完熟が早いので雨で果実が割れることも少なくて栽培しやすいし、手軽に気楽に食べたいという、わがままにも対応してくれ、さらに、湯むきで果肉がつぶれにくいという優等生っぷり(アイコLOVE)。

    暑い夏にさっぱりした甘さのコンポートは、いくらでもパクパク食べられる、わが家のさわやかなおやつです。真夏に何度もつくります。

    飽きてきたら、トマトのゼリーや、トマトのピザなどに変身させています。

    画像: 湯むきしたミニトマトをひたひたの水とキビ砂糖で少し煮てから、汁ごと瓶に入れて冷蔵庫へ。しっかり冷やして食べると最高です

    湯むきしたミニトマトをひたひたの水とキビ砂糖で少し煮てから、汁ごと瓶に入れて冷蔵庫へ。しっかり冷やして食べると最高です

    小さな畑で採れた、小さなスイカと小さなメロン

    家族みんなが大好きな小玉スイカとプリンスメロン。ミニトマトと同様に「小玉」は大玉より栽培しやすく、順調ならば1苗で5玉ずつぐらいは収穫できます。

    小玉は、支柱を使えば縦に栽培できるし、冷蔵庫にも入れやすいし、食べきるのにもちょうどよい大きさで、文句のつけようがありません。

    スイカは「赤」と「黄」をひと苗ずつ植えるのですが、畑を始めたばかりのころ、真横に並べて植えてしまい、受粉が混ざったことで、果肉が赤と黄色の淡いグラデーションになったことがあります。

    その興味深い体験から、「きちんと、栽培位置を考えてから、植えること」を学びました。

    画像: 薄くカットしておくと、よく手が伸びてくれます

    薄くカットしておくと、よく手が伸びてくれます

    画像: 小さくても中身はぎゅーっとつまっています。贈答用のような大きくて立派なメロンよりも、普段食べるにはちょうどいい。控えめな甘さが特徴

    小さくても中身はぎゅーっとつまっています。贈答用のような大きくて立派なメロンよりも、普段食べるにはちょうどいい。控えめな甘さが特徴

    画像: 畑初心者だったころの思い出深い収穫。赤と黄が交配した小玉スイカ。甘味あっさりでこれはこれでおいしかったです

    畑初心者だったころの思い出深い収穫。赤と黄が交配した小玉スイカ。甘味あっさりでこれはこれでおいしかったです

    自家製フライドポテトで、塩分チャージ

    わが家のしょっぱい系おやつの代表格といえばフライドポテトです。おいしく塩分チャージできるので暑い夏場は、よくつくります。息子は、じゃがいもを掘るのも、食べるのも大好き。

    息子の友達にも大好評で、かわゆい男子たちの胃袋をつかんでニタニタしています。おかわりあるよ~と声をかければドタドタと2階から降りてくる姿に、またニタニタ。ふふふ。

    そろそろ、仕上げの定番で使っているクレイジーソルトを卒業して、庭のハーブたちでオリジナルハーブソルトをつくってみようかな。食いしん坊暇なしとは、このこと。

    画像: 皮つきのままくし切りにして香ばしく素揚げし、クレイジーソルトを振りかけただけのシンプルなフライドポテト

    皮つきのままくし切りにして香ばしく素揚げし、クレイジーソルトを振りかけただけのシンプルなフライドポテト

    片手鍋で収穫するブラックベリー

    次は甘酸っぱいブラックベリーです。年々収穫量が増えてきて、一度にお鍋いっぱいに採れるようになりました。

    もちろんそのままでも食べることができるのですが、落下する前に収穫したいから酸味が強くても色づいたものは摘んでしまい、こちらもゆるめのコンフィチュールにしていろんな味に展開します。

    ヨーグルトにのせたり、生クリーム&チョコのクレープやパフェに添えたり、コッペパンに挟んだり。濃い~い味のおいしい夏のブラックベリーソースはおすすめです。

    なぜ鍋で収穫しているのかというと、「かごだと落ちにくい果汁の色素がついてしまう」「このまますぐに調理にとりかかれるように」です。

    コンフィチュールをつくる手順は、流水で洗って細かい汚れを落とし(白い琺瑯だと汚れが見やすいのでおすすめ)→水きり→鍋に戻して砂糖を加え、好みのゆるさに煮詰め→ざるで種を取り除くだけ。

    甘さ控えめが好みのわが家では、キビ砂糖の量は基本的に10%に設定。その時の気分で甘味を足したくなれば、はちみつを足せばいいだけなので、素材ごとに深く考えません。愛媛のはちみつはとてもおいしいんですよ。

    画像: この日は600gほど採れました

    この日は600gほど採れました

    画像: 口に残る無数の小さな固い種は、少し粗目のざるで濾して取り除きます

    口に残る無数の小さな固い種は、少し粗目のざるで濾して取り除きます

    画像: プレーンヨーグルトにのせただけの簡単おやつ、真夏の朝食の定番に

    プレーンヨーグルトにのせただけの簡単おやつ、真夏の朝食の定番に

    画像: 次から次へとどんどん熟していくブラックベリー。収穫は9月ごろまで続きます

    次から次へとどんどん熟していくブラックベリー。収穫は9月ごろまで続きます

    おまけの話「修理で愛しく生まれ変わった片手鍋」

    ブラックベリーでも登場した、ほぼ毎日愛用している片手鍋。持ち手がグラグラして危なっかしかったので、夫に修理を依頼。

    庭にストックしている薪から良さそうな木を選んだら、あっという間に完成しました。

    たった一本の短い枝だけで修理できて、目からうろこがぼとぼとはがれ落ちる衝撃。そうか、こういう道具も自給自足できるのかと、じ〜ん (山を眺めながら)。いたるところに「ワクワク」がありすぎてどうしましょう(落ち着きなさい)。

    仕上げは、ご近所さんからおすそ分けしてもらった、山のミツバチの巣から採取した手づくり蜜蝋ワックスで。新品の時よりも修理後の方がうんと好みに生まれ変わりました。

    愛しい暮らしの道具がまたひとつ増えてうれしいです。

    画像: 切って、削って、つくった夫お手製。自分たちで修理すれば、好みの長さにできるし、手によくなじむ

    切って、削って、つくった夫お手製。自分たちで修理すれば、好みの長さにできるし、手によくなじむ

    画像: 器用な夫のDIYを眺める時間も好き

    器用な夫のDIYを眺める時間も好き

    画像: 仕上げは、ご近所さんお手製の蜜蝋ワックスで

    仕上げは、ご近所さんお手製の蜜蝋ワックスで



    池田じゅんみ(いけだ・じゅんみ)
    山愛好家。愛媛で家族と共に小さな自給自足の日々を送り、その様子をインスタグラムから楽しく発信。
    Instagram:@junmiikeda



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