• 緑豊かな栃木県那須烏山市を拠点に、自然に沿った暮らしを実践する「七合診療所」所長の本間真二郎先生。暑くなるこれらの時季に知っておきたい、紫外線熱中症について教えていただきました。
    (『天然生活』2021年8月号掲載)

    紫外線と暑さ対策について

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    いよいよ本格的な夏の到来です。暑く、日差しが強い日々が続きますね。今回は、紫外線や暑さとのつきあい方について考えてみたいと思います。

    ここ最近は、紫外線のデメリットばかりが強調されているように思います。紫外線はシワやシミ、皮膚がんなどの原因のひとつであることはたしかで、浴びすぎには注意が必要です。しかし一方で、日光を浴びることは健康にとてもいいことがわかっています。

    最大のメリットはビタミンDが産生、活性化されること。ビタミンDはカルシウムを吸収する働きがあり、骨粗しょう症や骨折を予防します。

    ほかにも炎症や免疫の調節、抗がん作用、そして感染症を予防する働きもあります。強い日差しを長時間浴びる必要はありませんが、朝の早い時間帯などでもいいので、外に出て日光を浴びるようにしたいもの。それが、人間本来の自然に沿った暮らし方でもあります。

    画像: 紫外線と暑さ対策について

    市販の日焼け止めについては一概に否定はしませんが、できるだけマイルドなものを使ったり、帽子やサングラス、衣服や手袋などの日除けを併用するといいと思います。

    また過去に皮膚トラブルがあり、ステロイド剤を塗ったことがある場合、日焼け止めがきっかけで皮膚トラブルが再発する可能性も。こうした人はとくに注意が必要です。

    もうひとつ、毎夏話題となるのが熱中症です。熱中症の主な原因は2つあります。ひとつめは、汗をかかないこと。人間は、汗をかくことにより体温を調節しています。

    しかし常に空調が効きいた涼しい空間にいると汗腺の働きが鈍り、汗をかけない体になる。その結果、暑さに対して体温の調節機能が働かなくなるのです。普段から部屋を冷やし過ぎず、なるべく汗をかくことが大切です。

    ふたつめはミネラル不足。ミネラルは体の機能を調節するために必須なのですが、最近は海水からつくられるミネラル豊富な天日塩ではなく、ミネラルを取り除いた精製塩が使われる食品が多数を占めます。

    このため、現代人は慢性的なミネラル不足に陥っていて、これが熱中症が急増する原因のひとつになっています。塩は天日塩、飲み物ならカフェインの少ないほうじ茶や番茶など、ミネラルが豊富なものを摂るようにしましょう。

    私がおすすめしているのは、天日塩でつくられた梅干しを持ち歩くこと。梅干しは、ミネラル豊富で万能な食べ物です。水分とミネラルさえきちんと補給していれば、基本的に熱中症は防げるはずですよ。

    〈取材・文/嶌 陽子〉


    画像: 紫外線は、本当に体にとっての大敵?|本間真二郎先生の病気にならない暮らし方

    本間真二郎(ほんましんじろう)
    小児科医・微生物学者。2001年より3年間、アメリカにてウイルス学、ワクチン学の研究に携わる。帰国後、大学病院での勤務を経て2009年、栃木県那須烏山市に移住。現在は同市にある「七合診療所」の所長として地域医療に従事しながら、自然に沿った暮らしを実践している。著書に『病気にならない自然な暮らし』(マキノ出版)など。2児の父。



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