欲しいものは、自分たちの手で
STEP1 道具の置き場が欲しい!
皆さん、こんにちは。愛媛で小さな自給自足の暮らしを楽しむ、池田じゅんみです。
突然ですが、わが家の庭には夫婦で手づくりした小屋があります。
庭や畑仕事に精を出せば出すほど、シャベルに鎌に鍬にバケツに芝刈り機などなど、道具がたっくさん必要になってきます。
種類が増えていくにつれて、今度は道具を収納する場所の悩みも出てきました。雨ざらしからも守れる大きな物置スペースがあればなぁと。そこで夫と相談し、気合を入れてDIYをすることに。
こうして、私たち夫婦の小屋づくりの日々は始まりました。
STEP2 徐々に進化していく庭の小屋
小屋の材料は主に家を新築するときに出た大量の廃材を使って。できるだけ家にあるものでパッチワークのように組み立てていきました。
なので、壁や床はそれぞれ違った雰囲気になっていて手づくり感満載の室内に仕上がっています。
DIYが得意な夫もここまでの大きなものはつくったことがなく、私といえばズブズブのド素人。それでも夫がリーダーとなり、設計と施工の担当をしてくれて、イメージだけはいっちょ前にある私に内装はほぼ任せてくれました。
夫の助手をしながら見よう見まねで手を動かし、なんだか大きな工作をしている気分でした。図面だけではよく分からなかったけど、少しずつ形になるにつれて、ワクワクがググーンと高まり、「これは道具をしまうだけではもったいないっ!!」と、道具の収納はそこそこに、私の秘密基地を目指すことにしました。(夫曰く、想定内とのこと。バレてます……)。
STEP3 ついに完成した、秘密基地
ミニミニキッチンコーナーをつくってみたり、自家採取した種を並べたり、ドライフラワーを吊るしたり、テーマは小さな「自給自足研究室」。
イメージは、ナウシカの地下要塞、魔女の宅急便のウルスラの山小屋、借りぐらしのアリエッティの家などなど、ジブリ好きを爆発させて好きなものを好きに飾る、最高の場所になりました。
皆さまにここで秘密を告白……。実はこの小屋は前身があるんです。
小型の薪棚づくりからはじまって、私たちの暮らしに「しっくり」フィットするまで、つくっては解体、組み立ててはやり直し、を何度も何度も繰り返し、スタートしてからなんと4年の歳月が流れていました。
「次こそは絶対に最終形に」と腹をくくり合い、ようやくいまの姿にたどり着きました涙。
最後の小屋づくりには、週末の休みを朝から日没までめいっぱい使って、15日ほどかけたでしょうか。
妥協せず、がんばって本当によかったです。(連日のハードな作業中、2度とやりたくないと何度思ったことか……)。
FINISH 仕上げの蔦も忘れずに
外壁にもひと工夫。頭の中のイメージを総動員して、ぶどうとあけびの蔦を這わせました。
ぶどうは、園芸店で見つけた「ヤマソービニオン」という日本のワイン品種。うちの庭にぶどうが実ったら夢みたい……と苗を前にし、妄想がムクムク膨らみ、迷わず買って帰りました。
ぶどう収穫の楽しみも
植えた場所がぴったり合っていたようで、ぶどうは年々順調に株が大きくなり、3年かけてようやく収穫できるほどになりました。
庭に出るたびに蔓にぶら下がっているぶどうの姿にときめき、果実が濃い紫色に色づいてきてからは毎日ひと粒ふた粒、息子と味見をしながら、収穫の時をいまかいまかと待ちわびていました。
そして待ちに待った初収穫。家族全員で味わいたくて、週末の決行です。
集めるてみると予想以上にかごいっぱいに採れて、飛び上がりたいほどうれしい日になりました。ついに、夢が現実に……じわわ~ん。
やっと収穫できましたが、まだまだひよっこの果樹栽培初心者です。
次なるステージは、果実を甘く実らせる大事な「摘果」。しっかり学んで、おいしく栽培できるようになりたいなと思っています。
おまけの話「夏の手づくりジュース」
小屋に絡まるぶどう以外にも、わが家ではいろんな果実でつくる自家製ジュースを楽しみます。
6月に仕込んでいた梅シロップや、冷凍保存していた冬のレモンでレモンジュースを、ハーブを水出ししたさわやかなドリンクも。
暑い夏でも小屋と自家製ジュースに支えられ庭仕事がはかどります。
ほどよく太陽を浴びながらしっかりと良い汗をかいて、土に触れて植物たちの香りを身体いっぱいに吸い込む。
体はへとへとに疲れるのですが、心はしっかり満たされて、不思議と元気いっぱいになるのです。もうずっと夏バテ知らずで過ごせていられるのは、きっと庭と畑のおかげです。
池田じゅんみ(いけだ・じゅんみ)
Instagram:@junmiikeda